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★主張:F-35の前途にはリスクがいっぱい 



なんかいつもF-35のことでネガティブなご紹介をしているせいで誤解もあろうかと思いますが、一貫して主張しているのはこの機体に西側の防衛を今後20年以上も頼ることは危険だという点です。無人機、電子戦、指向エネルギー兵器等の新しい波はパラダイムの変化を予見させていますが、有人戦闘機(だけ)に投資するのはおかしい、と言うのが当方の主張ですので誤解無いようにお願いします。

Opinion: Plenty Of Risk Remains For The F-35 Program

Budgets, aircraft competition could set the pace
Dec 1, 2014 Byron Callan | Aviation Week & Space Technology
http://aviationweek.com/defense/opinion-plenty-risk-remains-f-35-program


F-35の進展が順調なのは疑いないが、大きな疑問点が未解決のままだ。どこまでのリスクがどれだけ残っているのだろうか。低率初期生産(LRIP)第8ロット契約が11月21日に成立したのは大きな成果と言ってよい。11月18日にはロッキード・マーティンが金融アナリスト・機関投資家向け説明会をフォートワースで開催したが、好材料がない限りこの種の会合は開催しないものだ。ただし、F-35に未解決の課題が全くないわけではない。
 
まず予算管理法により国防総省が事業縮小を迫られたら、F-35にどんな影響が出るだろうか。現時点で米国発注分は2015年に34機、2016年に55機、2017年に58機、2018年・19年は90機超となっている。同機事業は同法の定める上限とは無関係になっているとはいえ、中間選挙後の影響が見えない中、強制削減の回避ができるか不明だ。すでに2016年発注は16機削減され、17年度でも一機削減するが、18年度・19年度は原案どおりとする。

二番目は各国の需要だ。生産拡大はこれを前提にしており、生産数と機体単価はあたかもニワトリが先か卵が先かの様相を示し、機体単価削減巾の7割8割は生産増で実現できるとする。ただし、それだけの受注がなければ単価も下がらないわけで、期待されるのは海外からの大量注文でこのため営業活動を展開しているわけだ。
第8ロットでは三分の一の14機が海外発注分だ。現状では2019年にかけて42から49%相当が国際顧客(もともとの事業協力国と有償海外軍事援助分を合算)になる見込みだ。ここでも各国の調達案では不確定要素がある。
2015年には英国とカナダで国政選挙があり、このうち英国の投票結果次第では戦略国防方針の見直しもありうる。イスラエルはF-35飛行隊x3の当初案を縮小する。デンマークは2015年にF-16代替用に導入を決断する見込みで、ベルギーはそれより遅く2010年代末に決定するだろう。ただし、それぞれ導入機数は小規模になる。そうなると大量購入先がないまま、国際販売の行方も見えにくくなる。
ロッキード・マーティンはF-35は最終的にF-16と同程度の機数が導入されるはずと見ている。今年の機関投資家向け説明会で同社はF-16の総販売機数はおよそ4,600機と強調した。想定される米国、その他国での導入予定を合算すると3,200機程度になるが、この数字には裏付けがない。
性能面でF-35はF-16をはるかにしのぐが、同時に価格もインフレ調整しても相当に高い。1981年度のF-16を2014年価格に換算すればおよそ22百万ドルとなり、F-35の目標価格帯【2019年】の四分の一程度だ。もちろん今日ではF-16も22百万ドルでは購入不可能だが、考えるべき点が二つある。まず各国の軍部でインフレ率に呼応して軍事予算がふえているところはない。また主要装備の価格の増加はインフレを上回る率になっている。
F-16を運用中の26か国のうち、F-35購入の意図があるのは6か国だけだ。また別の2カ国(デンマークとシンガポール)は共同開発国になっている。その他の国ではF-16の更新需要はあるが、F-35が買えない、あるいは導入が政治的に微妙な話題となっているパキスタン、台湾、エジプト、ギリシア、ヴェネズエラがある。いくらF-35の性能がF-16を上回ると言っても4,600機までの購入は非現実的だ。
最後にF-35と直接間接で競合する事業がある。長距離打撃爆撃機構想は空軍の予算を奪い合う相手になる可能性がある。日本、トルコ、韓国はそれぞれ次世代戦闘機開発の計画があり、無人空母運用空中監視偵察攻撃機(UCLASS)構想はとりあえず実現から遠のいているようだが、無人機案は多数あり、F-35の補完としてあるいは直接競合する機種が登場しないとは限らない。■

本記事を執筆したByron Callan はキャピタルアルファパートナーズの役員。


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