スキップしてメイン コンテンツに移動

☆☆☆ ATD-Xが開く次世代戦闘開発の可能性 F-3への道のり F-15.F-16も改修へ





ATD-X Emerges Amid Japanese Fighter Choices

Considering a cooperative fighter program, Japan ground-tests its demonstrator
Jul 24, 2014Bradley Perrett | Aviation Week & Space Technology

日本はATD-X実証機心神をロールアウトしたが、並行してロッキード・マーティンF-35の追加購入を検討し、今後四年間のうちに次期戦闘機を国産開発あるいは共同開発にするかを決める。
  1. ATD-Xの開発が開始された2007年時点では当時の最新機種F-16を相当改修したF-2をもとに発展させる考えだったが、防衛装備の輸出に道が開けた今日では方針を変え、生産も日本国内に加え海外での実施も視野に入れている。
  2. ATD-Xの機体サイズはサーブ・グリペンとほぼ同じで、地上テストを実施していると防衛省技術研究本部(TRDI)が発表しており、今年中に初飛行し、2016年まで評価テストが続くという。ステルス性能、機体表皮に組み込んだセンサー、フライ・バイ・ライト制御など各種の技術実証で防衛省は次期戦闘機開発への採用を期待する。
  3. 5月8日撮影の公式写真では同機がメーカー三菱重工業の小牧南製作所のエプロン上にあるのがわかる。機体はすでに昨年中に静止試験を受けている。エンジンは推力11,000ポンドのIHI製 XF5-1エンジン二基だ。
  4. 米国の役割はさして大きくない。TRDIの事業報告書(平成25年度)では米空軍の開発支援の記載がある。そのうち114百万円が日本国外でのテスト用、別に760百万円が内容不詳の米空軍による訓練とされている。日本からATD-Xを国外で飛行させる方針は発表されていない。米国は同機へのステルス技術供与を拒んでおり、日本は2005年に同機レーダーモデルをフランスに送り評価を依頼している。
  5. ATD-Xの役目はレーダー目標となりステルス対抗技術開発を進めることなのだろう。2008年時点ではATD-Xを使いFPS-5レーダー、E-767 AWACS、エアボス赤外線タレットでステルス機探知できるかを検証するとしていた。その後6年が経過してこれ以外のセンサーがリストに加わっていても不思議はない。
  6. レーダー吸収塗料と主翼前縁部が特徴的で、レドーム後部の胴体形状、機体前方の下部分、空気取り入れ口ダクトも注目の的だ。特にダクト部分では素材が剥離してエンジン内部に吸い込まれないことが条件だ。
  7. 空気取り入れ口ダクトは曲線がつけられているが、強烈な電波エネルギーの反射を受けるこの部分は一定の角度から視認できるので、機体が探知される可能性が高い。この解決策としてレーダー遮蔽策として放射状の羽で取り入れ口内の電波エネルギーをかく乱しつつ、空気の流れは乱さない工夫がされている。公表されたレーダー波吸収剤の説明ではこの仕組みが取り入れられていることを示している。
  8. ただし後部のレーダー波反射にはさほど注意がされていないようだ。これはXF5-1エンジンンで排気方向可変ノズル開発が重要視されそのステルス化まで手が回らなかったことを示している。
  9. TBS放送によるとATD-X開発は2000年に始まったが、日本政府が製造と飛行を許可したのは2007年のことで、この年に米国がロッキード・マーティンF-22の提供を拒否している。XF5-1の開発は1995年に開始し、低バイパス比の同エンジンは同じ川崎重工業がP-1哨戒機用に開発したXF7ターボファンと類似している。
  10. ATD-Xの総費用は771億円とされ、エンジン開発は147億円が基本設計、可変排気口制御に134億円、システム統合が70億円だという。技術本部は27億円を機体表面の最適化研究に使い、表皮センサー実用化を探った。製造・飛行テストに393億円をあてているが、昨年の実績額が225億円になっていることから実際にはこの予算を超過している可能性がある。
  11. だとしても英国主導で作った機体とエンジンの実証機(のちにユーロファイター・タイフーンになる)の支出規模の半分以下である。
  12. この次に登場する機体は仮称F-3と呼ばれる。開発開始を2016年ないし17年とし、試作機飛行を2024年から25年、量産開始を2027年とAviation Weekでは2年前に報じている。 (AW&ST Oct. 22, 2012, p. 24).その段階でも米国との共同開発の可能性があるとしたのは、米空軍が次世代の戦術航空機を2030年ごろから配備する計画があったためだ。
  13. 小野寺五典防衛相によれば2018年までに次期戦闘機を国産開発か共同開発かを選択するという。ちょうどその年に米空軍も次期戦闘機調達事業を開始するとしている。大臣発言に関連するのがこの4月に日本が武器三原則を変え共同開発国へ販売を解禁したことである。.
  14. ATD-Xに盛り込んだ技術ではF-3向けには十分といえないものがあり、別のプロジェクトi3戦闘機開発が進行中だ。その技術要素には超音速巡航飛行可能な小型化エンジン、電波遮蔽型コックピット。レドームを通過する電波を制御する新素材、ステルス機目標に対処するためのデータ統合、センサー類と兵装類を協調的に僚機と取り扱う技術などがある。このうちIHIエンジンは推力33,000-lbで、純国産戦闘機開発に有益であり、技術研究本部は概念設計を準備中だ。その他技術も米国はじめ同盟各国に共同開発の中核的技術として提供されるだろう。
  15. ただし次世代機が実用化する前に42機のF-35では不十分であり、F-15JおよびF-15DJ合計201機があるが、このうちレーダー改装と三菱電機製AAM-4B空対空ミサイルへ換装されるのは88機しかない。改修対象から外れた機体が2020年代に更新対象となる。.
  16. そこでロッキード・マーティンがF-35追加発注を若干得る可能性がある。小野寺大臣は機体価格が下がれば追加購入に踏み切るとの考えを示している。時事通信は匿名の防衛関係筋の話として機体価格の推移を防衛省は注意深く見ており、F-4退役を補うF-Xとしての追加購入を検討するという。
  17. 小野寺大臣の真意が購入予定の42機の価格が予想を下回ったら確保済み予算を使い切るため追加発注するのか、生産が佳境に入り価格低下したら日本は予算を増額手当するのかいまいち不明。なお日本はF-35を対外有償軍事援助を使って購入するつもりで、米国向けと同額に管理費を上乗せして支払う。
  18. 尖閣諸島をめぐる中国との緊張が戦闘機部隊を拡充したいとする大臣の考えの背景にある。昨年に大臣はF-15改修対象機数を増やす考えに傾いていた。航空戦のシミュレーションをしたところ改修対象を99機以上にする必要が判明したと発言した国会議員に、大臣は「F-35A投入に加え、F-2改修も検討している」と答弁している。
  19. F-2はF-16を大幅改修したMHI製機体で生産は2011年に終了しており、2035年ごろまでに退役とTBS放送は伝えている。同機はすでに高度の改修を受けており、供用中92機のうち76機がこの対象で、今年度は12機が作業に入る。■



コメント

このブログの人気の投稿

★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。

Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…