スキップしてメイン コンテンツに移動

軍用輸送機でアメリカ製独占は終わったのか。欧州勢がんばる

Europe Leaving U.S. In Military Transport Dust

European airframers gain ground as airlifter market shifts to newer models
Jul 14, 2014Tony Osborne | Aviation Week & Space Technology
Sales Swing
.
ヨーロッパの軍用輸送機メーカー各社の輸出が好調で世界シェアも上がってきた。
  1. このうちエアバス・ディフェンスアンドスペース Airbus Defense and Space によると2014年上半期の中型輸送機市場で受注の大部分は同社が獲得したという。ロッキード・マーティンC-130Jハーキュリーズ含む既存機種の受注が失速しているのは各国政府がA400Mに関心を示しているためとし、マレーシア(2005年)以降成約がない同機の輸出に期待している。
  2. そこで同社は輸出仕様を開発しており、「ITAR(武器国際取引規則)に準拠」とし、通信機材から暗号化機能を取り外し、同様に精密な軍用GPS航法も省いている。
  3. エアバスはA400M生産のピッチを上げており、今年は11機引き渡す予定だ。
  4. エアバスはC295受注も2014年だけで20機確定しており、新型C295W(ウィングレット付き)の型式証明確保に向け作業中だ。W型は航続距離が9%伸び、4トン搭載で2,500 nmになり燃料消費も6.5%改善される。 
  5. 中型輸送機の需要がのびる背景に各国が多用途能力を求める動きがあり、オマーンはC295の海洋監視型を発注し、ヨルダンではC295をガンシップに改装する案がある。イタリアではC-27JをMC-27J情報収集監視偵察機材に改装する。またガンシップ改装案もある。
  6. 今年はC-27Jにまだ受注がないが、メーカーのアレニア・アエルマッキAlenia Aermacchi  はペルー、オーストラリア向けに生産をしており、今年は米特殊作戦軍団と沿岸警備隊向けに各納入する。.
  7. ロッキード・マーティンのC-130J受注が伸び悩んでいる。韓国やイスラエル向けの引き渡しがあったものの、新規受注は低調だが、同社は悠然としている。一定のシェアがあり、受注残も相当残っている。
  8. ただし同社は民間向けの機体改造で型式証明を狙い、LM-100JとしてL-100を導入済みの買い替え需要に期待している。
  9. ボーイングはC-17グローブマスターの生産を終了させようとしている。うち12機は買い取り先が未定だが、インドが発注済み10機の上乗せとして6機を、サウジアラビアも買い増しを表明している。10機のC-17 にFAA機体登録をしており、今後の販売をにらんでいる。
  10. エンブラエルはKC-390試作機を組み立て中で、ブラジル軍から28機受注をうけたところだ。同機は 旧型C-130の後継機種となる。KC-390の初飛行は2015年末の予定で、ブラジル空軍での供用開始は2016年となる。エンブラエルには合計32機のの導入意思表示がアルゼンチン、チリ、コロンビア、チェコ共和国、ボルトガルから寄せられている。■
.コメント なるほど米国製の大型機よりも小型機を各用途に合わせ改装し運用するのは国防予算が厳しい各国の事情があるのでしょうね。その中でC-2の開発にてこずる日本は特異な存在なのでしょうか。C-1に政治的な制約から性能をあえて犠牲にした反動がC-2なのでしょうが、開発がここまで手こずるとは想定外なのでしょうね。C-1の後継機でSTOLかつ省燃費の機体があったら意外に各国の関心を呼んでいたのでは。ところで、米海軍のC-2と自衛隊のC-2は今後どう区別していくのでしょうか。興味深いところですね。

コメント

このブログの人気の投稿

★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。

Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…