ISISとの戦闘が長期化することを見越し、特殊作戦軍団もAC-130の拡充に動き始めました。レーザーや電磁ガンまで搭載したらどんな威力になるのでしょうか。それにしても105ミリ榴弾砲をそのまま機内に持ち込むという発想がすごいですね。地上からはさぞかし恐れられるでしょう。
Ghostrider’s Big Gun: AC-130J Gets 105 ASAP; Laser Later
AC-130スペクターの夜間射撃の様子はしたをクリックシてください。
WASHINGTON: スマート爆弾がスマートな選択にならない場合、空中から強力な火力支援が必要だ。地上部隊は老朽化進むAC-130ガンシップが搭載する105mm砲に期待する。そこで空軍特殊作戦軍団司令官ブラドレイ・ヘイソルド中将 Lt. Gen. Bradley Heithold は新型AC-130Jゴーストライダー Ghostdiers にも105ミリ砲を搭載する。中将はAC-130旧k型機の退役を遅らせている。
「退役と決まっていた2機を16年度に買い戻す」と中将は語り、さらに3機を復帰させるという。ただし、作戦用機材ではなく予備機材Backup Aircraft Inventory (BAI)になる。その場合でも整備が必要だが15年度予算で計上していない。「議会に交渉しなくてはいけないな」 中将は全米国防産業協会の総会で発言。
「AC130で37機体制は維持できないが、退役を遅らせ当面26機を維持したい。14機がAC-130U、12機がAC-130Wで、まだ在籍中のベトナム時代のAC-130Hスペクターは姿を消す」
U型は「スプーキー」の名称で古典的なガンシップ仕様だ。105 mmも含む火砲を多数搭載する。W型は「ストリンガーII」として知られ、アフガニスタン仕様で特殊改造されており、グリフィンミサイルや小口径爆弾を搭載するが、火砲は30mmしか搭載していない。J型を原型にするゴーストライダーは当初はストリンガー同様の仕様を想定していたが、エンジン出力と機内に余裕があるので105 mm砲の搭載も可能だ。そこで中将は砲の搭載を先に実施することで第一線投入が遅れても構わないと判断した。。
古参の105ミリ砲はスマート兵器よりも精密攻撃が可能だといえなくもない。砲弾に積まれた火薬が小口径爆弾よりも少ないからだと中将は説明する。また砲弾はミサイルや爆弾より小さく、機内に大量に持ち込むことができる。さらに単価はスマート兵器よりはるかに安い。105mm砲の砲弾単価約400ドルに対し低価格ミサイルでも12万5千ドルする。
「AC-130は精密攻撃手段だ。30(ミリ砲)と105で正確に弾丸をお見舞いできる。さらに安く実施できる」と述べた。
AC-130U型W型の退役はアフガニスタン戦が終了すれば需要が減るはずという前提だったのだが、実際にはテロリストの活動が活発化しているため旧型機の退役を遅らせJ型を就役させて時間を稼ぐことにしたのだという。
J型でも最初の二機には105 mm砲が搭載されず後日搭載となる。3号機から搭載する、と中将は説明。空軍特殊作戦軍団で退役機材から砲を取り外し、J型に積みこむだけだという。また、J型最終7機にはレーザー兵器を搭載するという。
ゴーストライダーでは大口径砲だけでなく、旧型機で自機防衛装備も一新する。チャフ、フレア、レーザーで熱追尾ミサイルを無効にする大型機赤外線対抗装置Large Aircraft Infra-Red Counter Measures (LAIRCM) である。ただしレーダー誘導式ミサイルへの対応装備はない。J型で特殊作戦群団は電磁対策の要求を出している。
中将は『螺旋状開発』を三段階想定するが、第三段階は実現しないかもしれない。完成ずみテスト用の2機はJ型「ブロック10」で乗員7名で105は搭載していない。初期作戦能力(IOC)の想定はブロック20機材で105を搭載し乗員2名追加する。一名がセンサー操作にあたり残りは火砲を扱う。究極のゴーストライダーはブロック40で指向性エネルギー兵器を搭載する構想だが、製造機数はゼロになるか最高でも7機となる。
「高出力レーザーや電磁砲の威力を検討中で、なんとか予算を確保したい。各技術が成熟化しつつある」と中将は述べた。■
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