強硬な中国の姿勢で各国が反発して、中国の武器輸出に逆効果になる、という皮肉な内容です。面子を重視する中国としては武器輸出のために領有権の妥協は考えられないでしょうね
For Military Aviation, China Not Yet Rising
By Aaron Mehta11:34 a.m. EDT June 14, 2015
WASHINGTON — 中国の次世代航空機技術を憂慮する向きが米国内にあるが、中国は世界の軍用航空機市場に一定の地位を占めるまでには至っていないと専門家は見る。
- 中国の狙いは冷戦時代にソ連が供給していた需要であるのは明らか。ロシア製軍用装備の訴求力は低価格だった。
- Avascentのアナリスト、ダグ・ベレンソンDoug Berenson はロシア産業界は従来の得意客を奪われる可能性を覚悟すべきだと指摘する。
- 「自分がロシア人なら動向に注意するでしょうね。中国各社は一定程度まで拡大し、ロシアが中国の輸出攻勢を食い止められると考えているのなら愚かとしかいいようがありません」
- しかし中国の輸出市場は限定されるのが現状だ。南シナ海でのなりふりかまわぬ領土主張で周辺国は中国へ態度を硬化した。中にはロシア製品の購入実績国もあり、本来なら中国製装備に惹かれる市場だ。
- アシュ・カーター国防長官は5月27日に太平洋で孤立化を招くと中国に対し警告を発した。念頭には延べ2,000エーカー(約8百平方メートル)の土地造成で領有を主張する中国の姿がある。米国は同盟国とともに中国の主張を認めていない。
- 「中国の動きは域内各国の団結を招き、各国から米国へアジア太平洋での役割増大を求める声が大きくなっている。期待に答えていきたい」(カーター長官)
- Teal Group のアナリスト、リチャード・アブラフィア Richard Aboulafia は軍事装備の購入には政治が大きな役割を果たすと指摘。「装備調達は政治関係を反映し、中国製品をあえて購入する向きは極めて少ない」と指摘。
- モスクワの戦略技術研究センターの中国専門家ワシリー・カシン Vasiliy Kashin も同じ意見だ。「ロシアの得意客には中国に対立する国もあるのでロシアと中国の間に軍事製品の競争は存在しない」
- その例がベトナムでペンタゴンは同国は軍事装備の9割をロシアから購入していると見る。
- わずか数年前まではベトナムは中国製装備の導入に積極的と見られていた。だが、2014年ベトナム水域内で中国が石油掘削を開始したことからベトナムは急速に米国との軍事産業のつながりを強化していった。.
- それでも中国にはまだ輸出先が残っているとカシンは指摘し、数は少ないが輸出成約もあるが「ロシアにとって重要とはいえない仕向け先」だと、ミャンマーがFC-1戦闘機(パキスタンと共同開発したJF-17戦闘機と同型)の導入の意向を示したことを例示している。
- また中国はJF-17をブルガリアへMiG-21代替機として売り込もうとしており、成約すればロシアの独壇場だった市場に殴りこみをかけることになる。
- ただ中国にとってもう一つ障害になるのは自国の航空宇宙産業の特性だとアブラフィアは指摘する。
- 「中国の航空宇宙産業では中国経済全体との比較で大きな違いが目立ちます。経済全体では改革が進みましたが、航空宇宙産業は国営企業の旧態依然とした体質が残っています」
- この点で中国にインドと共通する。インドもロシアの伝統的な顧客で中国製装備の購入はないとみられる。
- ただしアブラフィアによればインドは改革に乗り出しており、悪名高いほど対応が遅いヒンドゥスタン・エアロノーティクスを使わずに対応ができる可能性が出てきたという。「中国も同様で、国政企業の改革は長期に渡るプロセスになるでしょう」
- カシンからは中国の技術課題として高性能国産エンジン問題が指摘された。一定の進歩があるものの、国産エンジンで十分な競争力を有するものはまだないという。
- 「このことからロシアは重要な仕向地を守ることが可能だということです。ただし、ロシアが中国の輸出を妨害することはありません。なぜなら両国関係の悪化につながるからです」(カシン)■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。