CASやISR「機材として価格破壊を起こしそうなテキストロン・エアランド(本社テキサス州)のスコーピオンに前々から関心を示している国があるとは漏れ伝わっていましたが、英国だとは思いもしませんでした。謳い文句どおりのパフォーマンスであれば同機はこれまでの常識を破ることになりますがテキサスは大ぼらでも有名ですからね。
Textron’s Scorpion Heads To UK For RAF, Royal Navy Trials
PARIS AIR SHOW: When テキストロンがスコーピオンを発表した際は正直言って需要があるのか、どこの国がこの機体を買うのか、なぜ自社資金を投入してまでこの機体を作ったのか、解せなかった。
- 疑問がひとつずつ氷解していった。まずホーク・カーライル空軍大将(航空戦闘軍団司令官)から報道陣にスコーピオンは超低価格版のCOIN(対ゲリラ戦)およびCAS(近接航空支援)用機材として最適だとの発言があった。。
- だが単価20百万ドルの同機に真剣な関心を示しているのは英海軍と英空軍だ。パリ航空ショーが終わると、展示機は英国に向かい、一週間にわたる飛行展示を英国の要望に答えて実施する。実施するのは空対空模擬戦(英空軍向け)と海上監視活動(英海軍向け)だ。テキストロン・エアランド社長ビル・アンダーソンと話す機会ができた。
- 「スコーピオン発表して英海軍が強い関心を示してきたことに一番驚いた」
- 英国の他に「中央ヨーロッパ三カ国へスコーピオンを派遣する」というが、国名は明かさなかった。
- 海外からの関心が強いことについてアンダーソンは同機の初期費用及び飛行時間あたり費用が低いことが理由だという。またロイター時間が長いが瞬発速度は高いこと、また新型センサーや兵装の搭載切替が簡単に可能なことも理由に上げた。
- 例としてアンダーソンは新型アイ・マスター地上監視レーダー(タレス製)の搭載が一週間未満で完了した例を上げた。これが可能なのは同機の基本ソフトウェアはミッションモジュールを内蔵しておらず、フライトごとに再設定が不要なためだという。
- アンダーソンは午前中にパイロット訓練用に飛行させ、午後に戦闘ミッションに送ることが可能だと述べた。
- またエンジン始動や飛行準備に専用装備が不要のため運用基地を選ばない。パイロットが乗り込み、ボタンを押せばエンジンは始動する。アンダーソンは「自己完結型」と評する。
- なお、スコーピオンに馴染みのない方向けには同機が複座、双発構造で機内に70立方フィート(約2000リッター相当)の貨物搭載室があり、高解像度電気光学式および赤外線式センサーを搭載し、主翼には兵装取り付けポイントがあり、機体はすべて複合材でできていることをつたえておく。400時間の飛行実績で即応対応率が95%であったとアンダーソンは言う。この実績に相当する既存機種は存在しない。
- これに対して航空アナリストのリチャード・アブラフィアはまだ懐疑的だという。「ルブージェ会場で地上展示だけのスコーピオンに関心を示す向きはごくわずかだ。確かに機体はクールで、会場まで同機を回送してきたのは同社の成果だと認めるはやぶさかではないが」
- 「英国での展示飛行については営業にむすびつくのかわからない。今でもこの機体は理解しにくい。想定するミッションや費用対効果についても理解しがたいものがある」■
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