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★F-35>イタリア生産一号機の初飛行近づく。日本生産の先行事例として参考になるか



Defense Newsの記事をご紹介します。FACO施設を先行して開所したイタリアの事例は参考になります。記事からわかるのは①一部工程は米国が他国立ち入りを認めず行い、②施設内の装備等は米国が保有する形で ③JPO(JSF推進室)が監督指揮する 、といことですね。JPOは開発段階のみならずF-35のライフサイクル全体にわたり存在する部門だとわかります。機体番号のALは多分イタリアのLを意識していると思いますので、日本で生産する機体はAJと呼称されるのではないでしょうか。

Italy Plans First F-35 Flight in October

By Tom Kington 6:45 p.m. EDT June 19, 2015
635696261521953263-DFN-Italy-jsf(Photo: Larry Bramblett/lockheed Martin)
ROME — 米国外で生産される初のF-35が10月に初飛行する見込み。イタリアの最終生産ラインからロールオフするとロッキード・マーティンが発表した。
  1. 初号機AL-1はイタリア空軍に引き渡された後、2016年第一四半期に英国、アイスランド経由で大西洋を横断しルーク空軍基地(アリゾナ州)へ飛ぶ。同基地でイタリアのパイロット訓練に投入される。イタリア関連のじF-35事業を率いるロッキードのデブラ・パーマーDebra Palmer が述べた。
  2. この飛行経路は昨年夏にファーンボロ航空ショー展示のため派遣する際の飛行計画と同じだ。ただし出展は同型機が地上でエンジン火災を起こし取りやめとなった。
  3. フライトの詳細まで浮上してきたのはイタリアの最終組み立てラインでの生産活動が加速化してきたためだ。ラインは北部カメリ基地内に置かれ、イタリア国防省の資産としてフィンメカニカ傘下のアレニア・アエルマッキとロッキード・マーティンが操業している。
  4. 同施設は今のところ米国外に設置された唯一のもので生産とともに保守整備拠点として欧州、地中海地区のJSF重整備、改修の中心となる。
  5. イタリアで生産する予定の90機の初号機が3月にロールオフし、今月はエンジンを始動している。
  6. 「エンジンが最高出力に到達するのに通常は二三日かかるんですが、今回は一日で完了しました。現地のプラットアンドホイットニー技術陣も今まででもっとも順調な運転だったと言っています」(パーマー)
  7. AL-1は現在小規模な改修工事中でその後最終塗装を施し、6週間の最終工程に入る。初号機のみアレニア・アエルマッキがロッキードから技術指導を受けて行うとパーマーは述べた
  8. 「非常に複雑な作業内容だけに不良が発生しないようにしなければなりません。そのため当社は作業を監督する発注をイタリア国防省から受けたわけです」
  9. 8月20日ごろに同機は検収テスト施設に移り、米関係者がステルス塗装の品質をレーダーを用いて検査する。この検査は2週間の予定でその間米関係者以外は施設内立ち入りができない。
  10. 9月からソフトウェアの組み込みが始まり、10月第二週に初飛行するとパーマーは言う。
  11. 発注者による受領フライトもカメリ基地で実施する。最初のイタリア人パイロット二名はともにテストパイロットで米国内で訓練を受け帰国する。
  12. テスト飛行が終了するとAL-1は最終的な調整を11月末にしてから12月に公式に引き渡しとなる。
  13. 「当社は米国政府と契約をしており、機体はまず米国政府に引き渡し、直後にイタリア政府が受領します」(パーマー)
  14. AL-1、AL-2がそろうと両機は大西洋を渡り2016年早々に米国に移動する。合計11機のイタリア生産機材が米国でイタリア空軍・海軍のパイロット養成に使われる。空軍パイロットはルーク基地で通常離着陸型の習熟にあたり、空軍と海軍のパイロットはボーフォート基地(サウスカロライナ州)で短距離陸垂直着陸型機の訓練を行う。
  15. イタリアは今のところF-35Aを8機発注済みで2020年までに38機を発注する。だがイタリアの発注が削減されており、カメリ施設は当初想定の年間24機の生産能力を発揮できない状況が続くが、それでも修理点検拠点として存在意義が残るという。
  16. 「イタリアはカメリに10億ユーロを投入しているのでF-35のライフサイクル全体で活用しないと理由がたちません」というのはミケレ・ノネMichele Nones(イタリアのシンクタンク国際問題研究所Istituto Affari Internazionaliで安全保障国防部長)だ。「カメリの戦略的な位置も大きい。オランダから機材を受け入れるほか、将来的にはヨーロッパのF-35は700機から800機になるはずだ」.
  17. カメリ施設は初のオランダ向け機材を2019年に生産し、2020年に生産する13機のうち8機がオランダに引き渡される」
  18. 一方でイタリアはカメリを将来の点検修理・重整備・機体維持(MRO&U) の中心施設と想定する。
  19. 「イタリアはJSF推進室(JPO)及び当社と協力しカメリ施設をヨーロッパ内の機材維持の需要にこたえる拠点にしようとしています」(パーマー).
  20. イタリア国内の施設だがMRO&U活動はJPOが直接監督するとパーマーは述べた。
  21. 「資源を世界全体で共有する必要があり、一部装備が緊急にヨーロッパ内の別の場所で必要になる際にはJPOが装備を所有していれば必要な場所に送ることができます。JPOはJSF事業に参加するすべての国のサポートをする権限を持っているからです」■


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