人民解放軍が党の軍隊であり、極めて閉鎖性の強い組織であることに注意が必要です。またその中でどんな考えが涵養されているのか、その考えが行動に現れていること(例 射撃レーダーを海上自衛隊機に照射)にも注意が必要です。下に紹介されているビデオは今見られるのかわかりませんが、尖閣諸島が出てくるなど不穏な内容であることも明らかで、9月3日の「抗日戦勝利」(日本が降伏文書に調印した日ですが、中国を代表していたのは国民党政府でした)にあわせて公開されたのは間違いないでしょう。たかがPRとはいえ、日本政府は尖閣諸島のシーンの挿入に抗議しないのでしょうか。追記 このビデオをご覧になりたい方は下をクリックしてください。https://www.youtube.com/watch?v=YPZgfKkYID4
Chinese Navy: ‘So Long As It Is Blue, There We Will Be On Guard’
By Colin Clark on August 21, 2015 at 2:39 PM
WASHINGTON: 中国軍部が『地球のいかなる地点であれ、外洋すべてがわが海軍の守備範囲だ』との興味深いが意味の重い宣言をしている。
- これは人民解放軍海軍(PLAN)の入隊勧誘ビデオで紹介されている文言だ。「きれいに作られており、琴線に触れる内容」とディーン・チェン(ヘリテージ財団で著名な中国軍事問題専門家)が語る。「世論形成の戦いでもある」 ビデオを製作したのは人民解放軍の政治総局で、政治忠誠心、心理戦また人員関連すべてを担当する部局だ。
- 「中国(PRC)の外洋海軍がシーレーン防衛だけが目的だろうか。中国防衛も重要任務だと思う」とチェンは見る。中国は伝統的に陸上を重視してきたが、世界各地の海洋パトロールにも乗り出しており、西側の英米が経済政治上の権益を守ってきたのと同じ行動に出ている。「中国の経済重心は沿岸部に移っており、もはや中国本土と世界の間に緩衝地帯は存在しない」
- PRビデオでは尖閣諸島の現在の映像も入っている他50年代らしき戦闘映像もあり、ビデオの副題たる『全ての領土へ一歩たりとも踏み入れさせない』の意味が出てくる。愛国的中国市民向けとともに日本へのメッセージと受け止められる他、周辺各国に対してもPRCが領土と主張する場所で妥協の余地がないと言っているようだ。
- だがこのリクルート広報の真の狙いはPLANにとって望ましい人材の確保にある。その点で興味深い内部事情がある。.
- チェンによれば中国はプロ意識の高い軍の構築をめざしてきたが、実際は徴兵制度に頼っているのが真相だ。「中国は技術志向の軍を整備しようとしている」とチェンは指摘し、これまで30年間一貫した軍の目標だとする。
- その中でゆくゆく下士官となり中国軍を支える人材候補の勧誘が重要だ。今回の広報では士官候補生として、必要な技術を有しているが、軍務を職業とは真剣に考えない層も狙う。
- チェンは現在の徴兵制ではプロ意識の高い軍を構築することは「根本的に困難」と指摘する。「将校が全員共産党員で下士官が非党員なら、下士官は将校と連携できない」
- ビデオにはアメリカの勧誘ビデオさながらの場面もある。水兵が子どもが描いたらしい絵をじっと見つめる場面だ。チェンは「軍務への勧誘」を訴える要素もビデオ中にあると指摘する。『才能を花開かせる機会だ』との説明があり、ハイテク装備が全編で示される。また女性も写っている
- 愛国心に訴える必要もある。『強靭な祖国には強力な海軍が必要だ』とし、ビデオの最後には水兵の一隊が行進する。『海軍は君を必要とする。一緒に栄光ある国家再興の目標を実現しよう』 再興とは習近平主席の提唱する政策目標で、中国をもう一度活力ある強力な国家に復帰させる事を意味する。■
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