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★★海上自衛隊>大胆な戦略方針転換の理由は中国



日本国内ではなかなか聞こえてこない海上自衛隊のトップの発言を米国経由で聞くというのは倒錯していると言わざるを得ません。内容自体はごく健全なものですが、このまま日本で(日本語で)発言すると問題が起こるのでしょうか。とすれば国内の言論空間にゆがみがあるということですね。日本の国益をどう捉えるかという問題ですが、思考がどこまで広がっているのかというもんだなのでしょうね。

Japan Looks South: China’s Rise Drives New Strategy

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on August 03, 2015 at 2:41 PM

WASHINGTON: 海上自衛隊トップが講演すれば話題は日本防衛についてだろうと予測するのが普通だろう。だが武居智久海上幕僚長が10ヶ月で三度目の訪米となった今回のワシントン講演で日本が戦略的視野を広げていることを示したのには、いささか驚かされた。日本がインド洋までを視野に入れ、南シナ海に特に関心を示す背景にはもちろん中国の存在がある。
  1. 日本を先に訪問していたアンドリュー・クレピネヴィックの発言を引用すると「脅威の高まりと米国への信頼のゆらぎがあいまって、また憲法第9条の再解釈により日本では安全保障への考え方が広がり、戦略的になった」のだ。
  2. 日本の新思考で特筆すべきことは何か。カーネギー平和財団の講演で武居海上幕僚長は北朝鮮、尖閣諸島、ロシアについて言及していない。幕僚長は「太平洋」とも言わず、より広範な「インド・太平洋」の語句を使っている。
  3. 東北アジアについて論じるかわりに、幕僚長はソマリアであいかわらず混乱が続いていること、イエメンの不安地度から依然アデン湾での海賊活動に現象の兆しがないこと、海上自衛隊が護衛艦艇と哨戒機を派遣していることを紹介した。また「ある国」が「不安と不信」を南シナ海で発生させていると、日本人らしからぬ強い語調で中国について話している。
  4. 「中国はスプラトリー諸島のサンゴ礁を急速に埋め立てており、各国の反対を無視している」と武居幕僚長は述べ、人工島が軍事基地として供用されるとの見解で「南シナ海全体が中国の軍事影響下に置かれる」とした。
  5. 「南シナ海はインド太平洋の経済の重心だ。シーレーンが各所に伸びており、『開かれて自由な航行』にとって南シナ海は死活的に重要な存在」と述べた。
  6. 島嶼国家である日本で戦略的に事実を認識するのは大きな一歩だ。これまで日本は憲法第9条を厳格に解釈し、戦争を放棄してきた。前の大戦の惨禍、とくに原子爆弾二発による破壊を受けて、日本の自衛隊はもっとも狭義の自国防衛に徹してきた。とくに北海道の防衛に主眼をおいたのはソ連侵攻を恐れての事だった。しかし、現在の総理大臣安倍晋三は第9条の解釈を改め「集団的安全保障」に道を開く法改正を物議を醸し出しつつ推進中だ。その狙いは日本が他国と共同して域内の脅威に対抗することにある。
  7. 「集団的自衛権が政治問題になっています。国内議論は集団的安全保障を巡って大きく意見がわかれています。民主党中心の野党は安倍を止めないと日本が戦争に巻き込まれる、果ては徴兵制につながると主張しています」と語るのは戦略国際研究所で日本専門家のニコラス・スゼチェイル Nicholas Szecheiyl だ。「ただしこれは情報がどれだけ共有されているかの問題だと見ています」とし、新法は日本をこれまで以上に他国と共同作戦できるようにするもの、単に米軍だけが想定ではない、とし、日米と東南アジア各国で「共通作戦構造」を中国の南シナ海進出に対抗するために発足させると見ている。
  8. これまでも日本艦艇を南シナ海で巡視させる案が出ているが、米第7艦隊司令官ロバート・トーマス中将自らが海上自衛隊が地域内の「安定化勢力」になると公言している。
  9. しかし中国は日本のいかなる行動に反対している。「中国は数カ月前に米海軍のプレゼンスが南シナ海にあっても共存できるが、日本は同地域に関係がないと表明している」とヘリテージ財団の中国専門家ディーン・チェンが解説している。
  10. 日本は南シナ海およびインド洋で防衛関係を構築中で、これは民主党時代からの継続。オーストラリアとは2007年に防衛協力協定を正式に締結しており、インドとも同様に2008年にしている。(チェンはこの協定にほとんど関心が集まっていないと指摘) 両国と日本は軍事演習を実施している。武居海将は西太平洋海軍シンポジウムをインド洋海軍シンポジウムと連携する提案を正式に表明している。
  11. 武居幕僚長は武器輸出が解禁され新しい協力の可能性が生まれたと強調している。フィリピンとベトナムに日本は巡視艇を供与しているが、両国とも中国と領有権をめぐり対立する最前線の国
  12. では日本自身の防衛装備はどうするのか。「今日の自衛隊は相当の実力をもっています」とチェンは見る。とくに海上自衛隊について「英海軍より規模、実力ともに大きく、例外は弾道ミサイル潜水艦だけだ」という。(英国は核兵器を保有しているが、日本は理解出来る理由のため整備していない)
  13. さらに武居海将は力強く発言している。「今や海自は質量ともに米海軍につぐ存在だ」
  14. だからといって日本が米国抜きで仕事ができるわけではない。「米軍のプレゼンスは現在も今後もインド太平洋地区での平和と安定のため必要だ」と海将は発言。どのようなプレゼンスをどうやって維持するかは米国が真剣に議論すべきことだ。■


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