シリアでの状況が大きく変わりそうですね。米国が支援する「穏健な」反乱勢力がどこまで有効なのか試されますが。地上では現地部隊に戦わせ、米軍は航空支援を行い、もって米地上部隊の派兵を回避するというのが現政権の考え方ですが、有効であることを祈るばかりです。
U.S. expands potential targets in Syria
By Andrew Tilghman, Staff writer4:49 p.m. EDT August 3, 2015
米軍はシリア国内の爆撃を拡大し、アルカイダと連携するアル・ヌスラほか アサド政権支持派も攻撃対象に含めるとペンタゴンが発表した。
- 拡大は米国公約の穏健派シリア反乱勢力支援の一環で、米国は穏健派に訓練、機材供与を行っており、訓練を受けた穏健派がシリアの戦闘区域に復帰している。
- 「これらの一派は米国と共同し、米国の訓練を受けており、米国は防御的支援を提供する」とペンタゴン報道官ジェフ・デイヴィス大佐が3日明らかにした。
- シリア空爆を米国が開始して一年、米軍は初めて地上に友軍を得た。新シリア軍New Syrian Forces の名称でおよそ60名がIS戦闘分子との戦いに入ると期待されている。米軍は近接空中支援で新シリア軍の攻勢を助ける。
- シリア内戦は複雑な様相を示し、アメリカの支援を受けた反乱分子が他集団の攻撃を受ける可能性は高い。とくに アル・ヌスラあるいはアサド政権が危惧される。もしこの事態が発生すれば、米軍は「防御的火力支援」を提供すると約束しているとデイヴィスは言う。
- 「防御的目的に限り、米軍は対象を他の脅威から守ります」とし、「集団間の抗争状態は承知しており、必要な手段で該当部隊が目的を実行できるよう手配します」
- 新方針が先週金曜日に早速試された。新シリア軍がアルヌスラ戦線と思われる集団から攻撃を浴びたのだ。NSFは米軍への連絡手段で空爆を要請した。承認され、実施されたとデイヴィスは言う。
- 空爆は何ヶ月も米国がシリア反乱勢力に必要な火力で支援できるのかあいまいな形で終わっていた。ペンタゴントップからは反乱勢力の支援に前向きな姿勢が出ていたが、実施方法や近接航空支援の可否は明白にしていなかった。
- 新方針で米軍、有志連合軍はシリア大統領バシャ・アル・アサドに近い軍事勢力への対決が可能となる。米国はアサド政権に対し米軍の同盟勢力を攻撃した場合は爆撃を辞さないと警告している。
- ただし米軍指導層はアサド政権と直接対立は避けたいと考えている。なぜならシリア政府は有効な防空システムを維持しており、米軍機にも脅威となるためだ。
- 「アサド政権と交戦しているわけではありません。またアサド側に戦いを挑発するものでもない」(デイヴィス大佐)
- ホワイトハウスもアサド政権が邪魔しないことを希望するが、シリア政府と正式な合意がないこととも明らかにした。「合意とは考えていません」とホワイトハウス報道官ジョシュ・アーネストが記者団に3日語っている。「昨年秋にアサド政権にこちらの対ISIL作戦を邪魔しないよう警告してある」
- 「平行してISIL戦に訓練し装備を与えた反乱戦闘員にも警告した」とアーネスト報道官は説明。「今のところアサド政権は米国の警告に従っており、今後もそうさせる」
- シリア反乱軍に航空支援を提供するというミッションの拡大は米国・有志連合が隣接するトルコで作戦を拡大するのと軌を一つにしている。トルコは7月にインジルリク空軍基地から有人、無人軍用機の運用を認めた。これにより米軍機はシリア領空にこれまで早く、簡単に侵入できる。
- 新シリア軍はまだ規模が小さいが、米軍関係者はトルコ、ヨルダン、サウジアラビア、カタールの施設を活用して5,000名以上の養成を目指す。.
- ペンタゴンは既存反乱勢力のうち、数千名がこの訓練・供与事業の対象になると見ているが、そのうち多くは過激派集団との関係があったことで対象にならなかった背景がある。■
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