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★★ロシアがF-22撃墜は可能と公言、ステルス機はどこまで有効なのか



シリア情勢が混沌としてきましたが、無慈悲な空爆を続けるシリア政権=ロシア側に西側勢力がこのまま黙っているとは思えません。そうなると好むと好まざるを問わず、米ステルス機が有効性を実証する(あるいは限界を露呈する)機会が早晩発生するのではと思えます。現状のロシア製ハードウェアではまだ米ステルス機に有効な対策は打てないと思えるものの、どうなりますやら。

War Is BoringWe go to war so you don’t have to
The F-22 Raptor. Airwolfhound photo via Flickr

Could Russia Shoot Down an F-22 Stealth Fighter Over Syria?

The Kremlin deploys advanced anti-aircraft missiles

by DAVE MAJUMDAR
  1. 米ロ間で緊張が高まる中、ロシア軍にシリアでステルス機に標的を合わせる能力があると米国へ警告してきた。アルマースアンチェイ製S-400に加えS-300V4対空ミサイルの追加配備が完了している。
  2. 西側防衛専門家にもF-22とF-35はロシア製装備に対抗できる設計になっていないと見る向きがある。
  3. 「ロシアのS-300、S-400防空ミサイルがシリアのフメイミム、タルトゥス両基地に配備されており、飛行目標をどこでも捕捉できる有効射程がある」とロシア国防省報道官イゴール・コナシェンコフ少将がロシア国営報道機関スプートニクで話している。
  4. 「ロシア製防空装備の運用要員には空爆を実施中の機体の所属を確認する時間余裕はなく、直ちに対応する。『見えない』などど妄想があるようだが現実は落胆を生むだけだ」
  5. S-400およびS-300V4がステルスに対抗できるとロシアが堂々と語る一方、ロシア製低周波探査照準レーダーが戦術戦闘機の大きさでも探知できても、火器管制レーダーはC、X、Kuの各帯域で運用すればF-22やF-35は極めて近距離でないと探知できないはずだ。
  6. ステルスとは全く見えなくなるわけではなく、探知が大幅に遅れたままで戦闘機ないし爆撃機が目標に到達し、敵の対応の前に現場を立ち去るのが基本だ。
B-2 Spirit bombers at Andersen Air Force Base, Guam. U.S. Air Force photo
  1. 戦術戦闘機の機体サイズはC、X、Kuの高周波帯域に対抗できるように最適化している。単純な物理法則だ。ただし低周波では対応できず特定の閾値で共鳴現象が発生する。
  2. 共鳴現象が発生するのは機体の一部が特定の周波数波長の8倍の大きさを下回るときだ。
  3. 戦闘機サイズの戦術航空機には機体表面のレーダー吸収剤の厚みを2フィート以上にする余裕がないので、特定周波数に最適化する妥協策が施されている。
  4. つまり低周波レーダーのSやLバンドを運用すればステルス機でも探知追跡できるということだ。
  5. 突き止めれば低周波レーダー対抗策には大型のフライングウィング型機材のノースロップ・グラマンB-2や今後登場するB-21レイダーが必要だ。共鳴現象を引き起こす要因がないためだ。
  6. だがUHF、VHF帯域の波長では設計者がいくら頑張っても機体を隠すことができない。反対に技術陣はレーダー断面積を低周波レーダーのノイズにまぎれこませようとする。
  7. 低周波レーダーで火器管制レーダーに「合図」を送ることは可能だ。米国の敵対勢力は低周波照準レーダー開発に乗り出している。だが低周波火器管制レーダーはまだ理論でしか存在せず配備は相当先だろう。
  8. 「ステルスとは探知を遅らせる効果があるが遅延は縮まってきている。レーダー周波数が低周波帯に移っており米ステルス機の有効性が減ってくる」とマーク・ギャモン(ボーイング、F/A-18E/F ・EA-18G主管)が語ってくれた。「早期警戒レーダーはVHF帯域でステルス性能が低下する。このレーダーをSAMレーダーとネットワーク接続すればSAMレーダーが照準を得ようとする」
  9. しかし、低周波レーダーでは「実戦レベル」の追尾はできず、ミサイル誘導が不可能だ。そこで低周波レーダーをこの用途に使う案が出ているが、今のところ実用化のめどはない。
  10. 米空軍大佐マイケル・ピエトルチャがこの解決策を記者がAviation Week & Space Technologyで数年前に執筆した記事で述べていた。だが空軍関係者は同技術に無関心だ。
  11. 「技術的に可能といって戦術的に投入可能とは言えない」とステルス機の経験豊かな空軍関係者が説明している。
  12. 一方で現役のラプターのパイロットから記者は「SAM対抗戦術の詳細は極秘情報」と聞いているが、F-22は現行のロシア製地対空ミサイル装備には十分対抗できる。
  13. シリア上空の実戦でラプターが効果を証明する機会が生まれないよう望むばかりだ。紛争が急速に手におえないほど拡大するのは歴史が証明ずみだ。■


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