China Developing Capability To Kill Satellites, Experts Say
Aug. 4, 2014 - 03:11PM |
By WENDELL MINNICK |
TAIPEI —米国防関係者と国務省は中国が7月23日に成功した「対ミサイルテスト」の実態は衛星攻撃テスト anti-satellite test (ASAT) とみている。運動エネルギーによるASAT実施はこれで3度目で、米国では情報収集・航法・通信各衛星を防御しきれないのではと警戒を強めている。
- 今回の衛星迎撃テストは人民解放軍(PLA)が中国上空を通過する他国衛星を破壊する能力を有しているのを示すものとプロジェクト2049研究所 Project 2049 Institute の中国ミサイル専門家マーク・ストークス Mark Stokes は見る。
- SC-19(DF-21弾道ミサイルとほぼ同形)に運動性破壊機を装着した。宇宙空間上の目標破壊に成功したのは2007年テストだった。2010年と今回のテストでは弾道ミサイル迎撃に成功している。
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- 前回の気象衛星破壊はデブリ帯を作り他国の宇宙機の運航を危険にしたと国際非難を招いた。このため中国は弾道ミサイルの迎撃に切り替えたとみられる。
- 今回の実験はストークスによれ宇宙迎撃専用に作られた新型固体燃料ロケットのテストだった可能性もあるとし、名称はHongqi-26 (HQ-26)であるという。
- 国際評価戦略センターの中国軍事専門家リチャード・フィッシャー Richard Fisher, a China military specialist with the International Assessment and Strategy Center は2007年の初回テスト後に人民解放軍は衛星攻撃手段を隠蔽し低高度の対ミサイル迎撃実験と称することにしたのではないかという。「SC-19テストはASATとABM(対弾道ミサイル)能力の両面をねらったものだったのかもしれない」
- 中国がABM能力獲得に真剣になっていると信じる向きは少ないが、アメリカ科学者連盟 Federation of American Scientists の核情報プロジェクトを主宰するハンス・クリステンセン Hans Kristensen はその一人だ。
- 「なぜ中国がABMシステム構築に多大な努力を払うのか、米ソが長年にわたり構築しようとしたが部分的な成功しか収めていないのに」と言い、中国がABMの実用化に一夜にして成功するのはありそうもないという。
- また中国が米国のミサイル防衛に反対する一方で自前のABM開発を進めるのは矛盾しているとクリステンセンは見ており、中国のシステムが高性能な米ロの核ミサイルに有効な能力を有しているとは思えないが、インドなら話は別だとみる。
- 「インドが中国のABMで自国の小規模な核抑止力の実効性が危うくなると判断すれば、中国を狙う長距離ミサイルを増強する動きに出る、あるいはMIRV(多弾頭独立攻撃型再突入部分)を装備しようとし、結果として中国は自国の安全を守るのではなくむしろ危うくしてしまう」
- フィッシャーは中国は衛星攻撃とABMの双方を同時に開発中とする。SC-19にASATとABM能力が両方備わっている可能性もあるという。新型HQ-19とHQ-26の想定性能は米国の最終段階高高度地域防衛システム(THAAD)と同程度とフィッシャーは見ている。また中国がロシア製S-400低高度ABMの調達を狙っているとの報道もあるという。
- クリステンセンも中国は多様なプロジェクトを同時実施する潤沢な予算があるとし、「中国がABM技術で自国防衛を図ろうとしているのか潜在敵国のミサイル防衛を無効にしようとしているのか興味深い点」としている。
- フィッシャーもより大きな観点は中国があれだけc米ミサイル防衛を「長々と批判演説」をほぼ30年にわたり繰り広げてきたあげく、実は自前の弾道ミサイル防衛システムを開発していた点だとする。「中国の第二次ABM、ASAT開発が実は1990年代初頭にはじまっていたと判明しています。戦略核兵器に関する中国の発言の信ぴょう性が傷つく以上に、米国は2020年代に高性能核ミサイルに加え有効なミサイル防衛能力を持つ中国に直面する現実を今から覚悟しなければなりません」■
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