スキップしてメイン コンテンツに移動

★★2017年は米空軍につらい年になりそう



本来ならトランプ政権で海軍と空軍は別格扱いとなり、実際に海軍は追い風を感じているようですが、空軍はビジネスマンのトランプから見ればあまりにもコストパフォーマンスが悪い実績しか目につかないのか当初から厳しい向かい風に直面しているようです。

2017 Forecast: Air Force Faces Intense Trump Scrutiny

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on January 06, 2017 at 11:18 AM

Air Force photo
空軍長官デボラ・リー・ジェイムズがマイノット空軍基地へICBM要員を訪ねた
ARLINGTON: 米空軍が大統領に就任前のドナルド・トランプから激しく非難されている。2017年は空軍創立70周年だが、大統領に振り回される年になりそうだ。
退任が近づく空軍長官デボラ・リー・ジェイムズはロッキードF-35共用打撃戦闘機やボーイングのエアフォースワン案件へのトランプの介入に平静を装っているが、明らかに懸念している。
「気になるのは次期大統領が納税者のお金に焦点を合わせていることです」とジェイムズは任期中最後となる空軍協会講演で話している。「それ自体は大事なことだと思う。私自身も三年間同じ思いでやってきました」と長官就任後の姿勢を表現。空軍は「入隊隊員のA1C一等空兵」にさえコスト意識を植え付けようとしているという。
さらにジェイムズ長官は続けた。「普通と違う対応で事業を仕切ることができるのか確信がもてません。でもきっかけは費用面の管理であり、効率性であり、政府決定層の注意をひきつけることになるのでしょう」
長官が論じているのは空軍が費用削減と事業管理の両面で進展を示していることだ。司令部経費を一年で20%も削った事例もあり、通常なら5年もかかって当然の成果だ。また事業運営でも安定効果が現れている例としてトランプが目の敵にするF-35がある。
「費用管理で効率をあげていただくのはとても素晴らしいことですが、誰もが同じ思いなのです」とジェイムズ長官は続けた。「でもF-35の性能に関する限り、私自身が発言しているように素晴らしい性能の機体であり、パイロットなら夢中になる機体であり、必要な機材であり、どうしても欲しい機材です」
ではトランプがボーイングに「価格総合検討」を依頼してF-35の代替機材に期待するF/A-18E/Fスーパーホーネットはどうなのか。「優秀な機体ですが種類が違います。要求内容は全部満足できない機体です。優秀な第四世代機です。これに対しF-35は見事な第五世代戦闘機に仕上がっています」と発言。違いにはステルス性能がないことがあり、これは設計で実現する性能なので後付することができないのだ。
スーパーホーネットとF-35を比較して長官は「りんごとオレンジのようなものです。決定には大きな変革に配慮すべきです。性能検討の最高責任者に相談するとなると空軍参謀総長こそその人でしょうね」
ジェイムズもF-35の事業執行が優れているわけではないと認めた。ボーイングはKC-46A空中給油機の納入を今年後半に控えている。空軍は2016年にB-21レイダーステルス爆撃機調達の契約をノースロップ・グラマンと締結しており、シコルスキー(現ロッキード・マーティン)とはHH-60W戦闘救難ヘリコプター契約を結んでいる。業界には提案要求がJSTARS指揮統制機の後継機種、T-X練習機の二案件で新年直前に出ている。核兵器近代化では地上配備戦略抑止力(GBSD)となるICBMと長距離スタンドオフ(LRSO)の巡航ミサイルがある。新GPS地上局網を構築するOCXもトラブルが続いているが10月にやっとペンタゴンが事業推進を承認した。
OCX復活にこぎつけた裏には国防デジタルサービスDDSによるソフトウェア改善も一因で、アシュトン・カーター国防長官の肝いりで民間ハッカー集団やIT専門家を政府に短期雇用で迎え困難な問題点を潰していったのが大きい。ジェイムズも空軍独自のDDSを立ち上げたところで本人言うところの「おたくサイバーswatチーム」は正式名称を空軍デジタルサービシズチームという。ソフトウェアが連邦調達事業の多くで悩みのタネになっており、OCXしかりF-35でも同様である。F-35は各軍との共同事業なので空軍は自らのおたく軍団を事業管理に投入しないだろう。
ジェイムズ長官が口にしなかったが国防デジタルサービスの関連部門の国防イノベーション組織(実験)と戦略能力整備室があり、ともにカーター長官が注力して生まれた組織だ。巨額予算を投じてきた大型事業と違いこうしたパイロットプロジェクト実施部門には組織内基盤がなく、次期政権が一旦関心を失えばすぐに消滅してしまう。
他には人事面の改良も効果を上げそうだ。トランプは四軍すべての規模拡大を希望しており、最近採択された2017年度国防予算認可法でもジェイムズ長官の人員面での優先順位は、以下順番に
  • まず、無人機パイロットを増員し、新設の「遠隔操縦航空機」部門で過労気味の無人機部隊の負担軽減を図る
  • 老朽化が進む機材の整備部門を増員する。B-52ではエンジンが飛行中に脱落する事件が発生したばかりだ(原因調査は現在進行中とジェイムズ長官は述べた)
  • サイバー専門職として3,000名を州空軍に追加する
  • そして最後に核兵器要員がある。ジェイムズは講演直前に雪に覆われたマイノット空軍基地(ノースダコタ州)を訪問しており、トランプも核兵器更新へ支持をツィッターで表明している
空軍の先端技術も人員があってこそ正しく作動することにかわりはなく、ジェイムズ長官はこれまでもこれからも人材が「最重要要素」だと語っている。■



コメント

このブログの人気の投稿

★★★F-35とF-105の意外な類似性、戦闘爆撃機でドッグファイトは不得手

THE BUZZ America's F-105 Thunderchief Fighter-Bomber: The F-35 of the Vietnam War?
David Axe July 3, 2016 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/americas-f-105-thunderchief-fighter-the-f-35-the-vietnam-war-16839
War Is BoringによればF-35はF-16との模擬空戦で旋回速度が遅すぎて勝てなかったとテストパイロットが語っている。
これからの米空軍で最多の戦闘機材になるF-35が数で優勢なロシアや中国の機体と戦って残存できるのだろうか。 答えは歴史の中にある。50年前にも米空軍は同じ予測をしている。攻撃の主力F-105サンダーチーフは重量級ハイテク地上攻撃機で敵戦闘機も同時に撃退できるはず、とF-35と同様だった。 だが事実はF-105も旋回速度が遅くロシア製MiG-21に太刀打ちできず、空軍はF-105の損失を防ぐ特別な戦法を編み出した。同様の措置はF-35でも必要だろう。 F-35とF-105は驚くほど似ている。「F-105とJSFは大型、単座機、単発の戦闘攻撃機で、その時点で最強力なエンジンを搭載、空虚重量は27千ポンド級で翼幅もほぼ同じ35フィートだ」とオーストラリア航空宇宙専門家カーロ・コップが2004年に指摘していた。 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html © 2005, 2007 Carlo Kopp

「両機種とも機内兵装庫があり機外パイロンで燃料と兵装を運べる」とコップは指摘し、「ともに戦闘半径400カイリクラスを目指し推力重量比、高機動操縦性能で制空戦闘機や迎撃機より劣っていた」 http://www.ausairpower.net/Analysis-JSF-Thud-2004.html

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…

★★★F-3事業に参画意欲を見せるボーイング、ロッキード・マーティン

Boeing, Lockheed Martin emerge as early rivals for Japan's fighter contest
Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly 19 July 2016 http://www.janes.com/article/62368/boeing-lockheed-martin-emerge-as-early-rivals-for-japan-s-fighter-contest Japan's Mitsubishi F-2 multirole fighter aircraft. Source: Japanese Air Self-Defense Force
航空自衛隊JASDFがめざすF-2多用途戦闘機の後継機種をめぐり、ボーイングとロッキード・マーティンがともに参画の意向を表明した。 IHS Jane’sが両社へ7月19日照会したところ、ともに日本での実績をもとに同事業参入を目指していることがわかった。事業規模は200億ドルといわれる。 防衛省は情報提供要求RfIを発出済みで、2018年4月までに「次期戦闘機」の決断を下すとみられる。 F-2は2000年代に三菱重工業MHIとロッキード・マーティンの共同事業で製造され、2027年ごろまでに全機退役する。 ボーイング広報によれば同社はF-2後継機の要求内容を検討中だという。「日本で当社の存在意義を大きくする方策は常に考えており、日本での安全保障ニーズに応えたい」 ロッキード・マーティン広報は「日本から各社に情報の要求が出ているが、当社もこれまでの日本との関係をさらに強化する今回の機会を活用したい」とし、「F-35事業とF-2でMHIと実績が成果を生んでいることは誇り」とする。 RfIは6月に出ており、各国の戦闘航空機メーカー宛に送付されている。RfIは7月はじめに締め切られており、米二社に加えユーロファイターSaabもプレゼンを8月末に行う見込みだ。 RfIは既存機種での検討の一助にするほか、各社の事業参加への意欲をさぐることのがねらいだ。MoDはF-2後継機を純国産あるいは共同開発ですすめるかの決断を下すが、後者の場合は既存機種を原型にするとみられる。■