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★アルゼンチンがフォークランド再侵攻を試みる可能性---日本には何が参考になるでしょうか



1982年のフォークランド戦争は途上国対先進国の軍事衝突、かつ西側陣営内の紛争となりました。アルゼンチンが同様の作戦を実施する可能性は低いようですが、そもそもフォークランド侵攻は国内世論の不満をそらそうと当時の軍事政権が無謀にも実施したものであることをわすれてはいけません。中国、韓国とも領土を巡る対立を抱える日本にも他山の石取すべき事例であり、国内の矛盾を対外戦争で見えないようにするのは為政者の選択肢だということを忘れてはなりませんね。

Argentina Has Three Years to Retake the Falklands

It’s too late for Buenos Aires to rebuild its shattered air force before the U.K.’s new carriers arrive

by ROBERT BECKHUSEN
アルゼンチンは空軍再建を目指しイスラエルからクフィール戦闘機ブロック60の12機ないし14機導入を2017年中に狙う。旧式だが実力のある機材でブロック60はElta製2032AESAレーダー含む近代化もしている。
  1. 英国には現時点では作戦投入可能な空母はないが、一隻だけ匹敵する機能を果たせる艦がある。HMSオーシャンでヘリコプター空母だ。大型空母二隻を建造中だが、一号艦HMSクィーン・エリザベスが戦力化するのは2020年まで待つ必要がある。
  2. だが2020年時点で英軍用のF-35Bで実戦投入できる機材はごく少数だろう。2023年に24機で飛行隊が2つそろうとアルゼンチンには面倒な存在になる。
  3. アルゼンチンはなぜイスラエルから戦闘機調達を急ぐのか。当然自国領空の防衛のためだが、フォークランド諸島の支配をめぐり英国に再度挑戦する意向もあるのだろう。前回の侵攻作戦は1982年でアルゼンチンは敗退させられた。
  4. そうなるとアルゼンチンがフォークランド諸島奪還に使える時間は三年程度となる。クィーン・エリザベスの戦闘飛行隊が整備されるまでだ。
  5. とはいうものの再侵攻の可能性はきわめて低い。紛争後、英軍は大幅に戦力を縮小したが、アルゼンチン国軍はもっと惨憺たる状況だ。クフィールを導入しても再奪還の条件は整わないだろう。
  6. フォークランド戦争でアルゼンチン空軍は三分の一と機材多数を失い、紛争後も未だに戦力は回復していない。それでも現在のアルゼンチン空軍はラテンアメリカで最新鋭の戦力だが機材は三十年間放置され1990年代の経済崩壊で空軍は機材調達機能を喪失した。
  7. 再度侵攻はしないとの姿勢を示すマウリシオ・マクリ大統領は英国と関係回復を模索しているがアルゼンチンは今でもフォークランドを自国領と主張し、マクリ政権でもその主張に変わりはないが、軍事衝突の可能性は一層減ってきた。
英空軍のトーネード戦闘爆撃機。フォークランド諸島内のマウント・プレザント英空軍基地。撮影2007年、英国防省写真。
  1. アルゼンチン空軍の主力機はシュペール・エタンダールと亜音速のスカイホークと旧型機が飛行できない状態になっている。ミラージュIIIの最後の一機は2015に退役している。
  2. このためアルゼンチン防空の主役は30機あるプカラ対地攻撃機や少数のトゥカーノ、パンパ多用途練習機各型しかない。紛争の可能性に備えてアルゼンチンは高性能ジェット戦闘機と訓練済みパイロットが必要だ。
  3. 英国がフォークランドのマウント・プレザント基地に常駐させるのはユーロファイター・タイフーン2機ないし4機しかないが、地上には対空ミサイル陣地があり、英本土にはタイフーンが100機、トーネード多用途戦闘機が76機控えている。
  4. アルゼンチン陸軍には装備品が不足するとともに銃、弾薬、対戦車ミサイルが堂々と盗まれ闇市場に流れる問題もある。
  5. アルゼンチン空軍が再建されフォークランドの英空軍基地が侵攻部隊により無力化される事態を恐れて英国はクィーン・エリザベス級正規空母で航空優勢を確保しようとすれば、1982年のHMSハーミーズ及びインヴィンシブルで行った作戦を繰り返すことになる。
  6. ただしアルゼンチンの「兵力投射能力はきわめて限定的」と国際戦略研究所は2016年版報告書でまとめており、クフィールが10機ほど加わったところで状況は変わらない。空中給油なしではフォークランド上空に数分間しか残れない。アルゼンチンの空中給油機はハーキュリーズ改装型が二機あるが能力不足だ。
  7. イスラエルがアルゼンチン向けクフィールに希望通りの兵装を加えて提供する保証もない。アルゼンチンは海面すれすれを飛ぶゲイブリエルIII対艦ミサイルによる英海軍攻撃を希望している。またクフィール売却には米国の承認も必要だ。同機が米国製J-79エンジンを搭載しているためだ。だが決して不可能ではなく、米国もこれまでアルゼンチンに装備売却の実績がある。
  8. そうなるとアルゼンチンが同戦闘機を導入しても35年前の戦力水準には程遠い。アルゼンチンの機材が揃い、パイロット養成も順調に進んでも英空母群が艦載機とともに姿を表わすことになる。
  9. それに英軍の守備体制はも当時はわずかばかりの歩兵しかなかったのと比べれば小部隊といえども大きく変化している。増援部隊を受け入れる空軍基地も構築した。
  10. アルゼンチンの軍用輸送船は1982年当時の水準を大きく下回りフォークランドへ部隊を十分輸送できない。
  11. それでもアルゼンチンは知恵を絞れば英艦船の攻撃は可能だ。2016年2月にはエグゾセ対艦ミサイルの改良型を試射して、標的艦を破壊している。中国に習う戦略も可能だ。中国は南シナ海に着々とプレゼンスを築いている。
  12. とはいえフォークランド諸島の占拠、英艦艇に脅威を与えることの2つは同国には困難なままだ。■


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