シリア空爆が続くにつれISRの重要性が注目される、という趣旨ですが、シリアとなっていることがポイントでしょうか。F-22が今後どんな活躍をするのかが関心事でしょうね。シリア、イラクの空爆は一種の非対称戦になるはずですから、この場にF-35がいなくてもどうということはないのですが、第四世代機都のインターフェイスがうまく作動するかも見ていく必要があるでしょう。
Experts: As Operation Continues, ISR Demand To Grow in Syria
Sep. 27, 2014 - 05:19PM |
By AARON MEHTA | Comments
シリア空爆に向かうF-22ラプターが中東某基地から離陸。9月23日撮影 (Tech. Sgt. Russ Scalf/ / US Air Force)
WASHINGTON — シリア空爆で最初の数日間は容易だ。1,000ポンド爆弾を投下すれば見ごたえのある映像が手に入る。
- たが数週目になれば、長期戦の様相を示し、小型精密攻撃に切り替わり情報収集監視偵察(ISR)が重要度を増すはずだ。
- 「航空戦のISRとは絶え間なく実施する終わりのないサイクルです」とジェイムズ・ポスJames Poss(米空軍退役中将、ISR作戦副部長)は言う。
- 第一波攻撃後の9月23日記者会見ではウィリアム・メイヴィル陸軍中将Army Lt. Gen. William Mayville (統合参謀本部付作戦部長)からイスラム国家が民間人に紛れ込み空爆に対応している「証拠」があると発言している。
- イラクでの経験から対応方法はわかっているとポスは言い、ISR機材を十分に投入し、無人機、有人機いずれも必要だ、という。「対抗策はわかっています。ISRを強化し、小型兵器を投入すべきです」とポスは言う。「イラクでは標的が多数あり、多くが付随的損害の発生が避けられない地域にありましたが、結局はISRの集中投入で望む効果を得られました」
- ただ目標が判明したら、全力攻撃をためらってはいけないとポスは言う。「航空力が効果を上げるのは戦略に基づいて投入したときだけです」とポスは言う。「小規模の結果実現に専念すべきで、やりすぎはよくないのです。目標に応じた効果をめざすべきです」
- 同じく退役中将のデイビッド・デプチュラDavid Deptulaはアフガニスタンとイラクでの空軍作戦の立案経験を持ち、バラク・オバマ大統領含む政府首脳が警告するように長期戦に巻き込まれないことが必要と主張。「長期戦は受け入れがたい。集中攻撃でイスラム国の実効支配を奪うべきです」
- 現時点で米軍のシリア空爆を支える湾岸5カ国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、ヨルダン、バーレーンに米国を入れた6か国の合同指揮命令系統は複雑となるが、NATOのような長期連盟関係がこれまでなかったことを勘案すべきだ。
- ただし、共同訓練を重点的に実施したのが効果をあげていると国防総省は認める。「毎回の訓練で教訓が得られ、各国間の協調が相互運用につながっています」とペンタゴン関係者は語る。「訓練レベルや相互運用で効果が表れて、各国部隊が同じ状況にどう対応するか理解できるようになりました」
- デプチュラもシリア作戦で同盟国を結集できたことはオバマ政権の「大きな華々しい成果」とみるものの、短期間に多くを期待しないようくぎを刺す。「各国は経験が足りません。実戦投入は初めて、と言う各国です」
- 「各国にすべてを任せてもうまくいきません。統括的な指揮命令系統、ISRと攻撃の統合、あるいは米軍と同等の技量がありませんからね」と言う。「ただ各国も確実に学習し、継続すればゆくゆくは任せることも可能でしょう」
- 合衆国のISR技術ははるかに高度で、機材とセンサー両面で同盟各国を上回る。さらにF-22ラプターが空爆デビューで精密誘導爆弾をシリア国内のイスラム国司令所に投下した。同機がステルス戦闘機と思われていたため少なからず驚きを読んだ。
- 記者会見でペンタゴンがF-22を投入した理由を尋ねられたメイヴィル将軍は戦略的ニーズからの決定と説明している。「攻撃目標のリストから求める効果を優先し、その効果を達成できる機材を選んだ」
- その効果とは何か。F-22をよく知る人はISRを忘れてはいけないという。「同機は素晴らしいISR機材です」とポスは言う。「重要なのは搭載システムによるデータ融合です」
- ある国防総省関係者はF-22はISR機とし、同機でしか提供できない「優れた能力」が戦闘に活用されるという。「エイビオニクスが統合され各センサーが情報収集に活用され、高速機であり、ISR機そのもの」と同関係者は言う。「同機により戦況を正しく理解し、同時に他機に情報提供が可能です。進行中の状況に明確に対応できます」
- 「F-22とF-35は戦闘機ではありません」とデプチュラは言う。「ともに空飛ぶセンサー兼発射台で各種能力をそろえた存在です。シリアに同機を投入したことで「F-22の機能と活用可能性を実証し、ゲイツ(前長官)は世界最高性能の機材の生産を終結する(決定をした)のを後悔するでしょうね。」
- F-35はシリア空爆参加中の各国にも訴求力があるが、合衆国政府は湾岸諸国向け販売はイスラエルが同機を戦力化する2018年以前には認めないといわれる。
- それまで各国はF-22が集める情報の共有で我慢するしかない。第五世代機が集めた情報を第四世代機が活用すること自体が課題だが、上記国防総省関係者は情報共有が確実に行われていると確信している。
- 「軍用機が帰還するたびに、おびただしいミッション後分析があり、戦闘を振り返っています」と同関係者は明かす。「情報は共有され次回出撃に活用されています」■
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