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★★米海軍>スーパーホーネットにあと10年頼らざるをえない苦しい事情



F-35開発配備の遅れが米海軍航空戦力にもしわ寄せを発生させています。F/A-XXが登場するのは早くて2020年代末と思われますので、当面米海軍はスーパーホーネットに頼らざるを得ないわけですね。前回のハドソン研究所の指摘のように任務特化した機材を本来整備するべきなのでしょうが、予算不足の中そうもいかず虎の子のスーパーホーネットを給油機に使うなど苦しいやりくりが当面続きそうです。

Boeing Offers New, Rebuilt, Upgraded Super Hornets To U.S. Navy

Oct 13, 2015 Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology

ボーイングは米海軍にF/A-18E/Fスーパーホーネットの生産を継続することで予想される戦闘爆撃機の機数不足を補う提案をしている。これは2030年代中頃以降となる新型機の配備までのつなぎ措置だ。
  1. スーパーホーネットの初期機体は2017年にも6千時間の設計寿命に達する。残る機材は年間40機ずつのペースで寿命に到達するが、海軍が導入するF-35Cは毎年20機程度想定でしかも実際の調達機数が予定より少なくなる可能性もある。
  2. このギャップを埋めるべく、ボーイングは供用年数が高いスーパーホーネットに寿命延長プログラム(SLEP)を実施し9,000時間まで上限を広げるべられないか機体点検をしている。だが海軍航空本部長マイク・シューメーカー中将は8月にSLEPだけで戦力を維持するのは「相当の難題」と発言している。新造のF/A-18がないと、再製済みホーネットが2030年までに戦闘爆撃機材の6割にまで上昇すると海軍の文書は解説している。業界筋によればSLEPでは十分ではないという。「確かに助けになるが、解決策ではない」
  3. そこで「全体的かつ統合された」解決策としてSLEP、新規生産、改修を組み合わせるボーイングでF/A-18E/F およびEA-18Gを統括するダン・ギリアン副社長はいう。
  4. ボーイングの構想はF-35Cの調達数が削減されない前提でスーパーホーネット生産を2020年代まで継続することだ。SLEPおよび新規生産で性能改修効果を空母部隊で発揮するチャンスが増える。一方で初期投資の見返り効果が増える。同社はもうAdvanced Super Hornetの名称こそ使っていないが、海軍に「ホーネット性能向上策」を提言しており、各種改修として機体一体型燃料タンク、エンジン改良やコックピットのワイドスクリーン化を提示している。
  5. 同社は生産ペースを減速中で月産2機になっているが現在の機体価格を維持できる。現在の受注分は2017年までラインを維持することが可能だが、議会は2016年度予算でスーパーホーネット12機分の追加予算を認めた。またスーパーホーネットの輸出商談も「順調に進んでいる」とギリアンは言う。別の業界筋によればクウェートと24から30機の商談があり、近くまとまる見込みだという。
  6. この受注でラインは2019年まで維持できるとギリアンは言う。ボーイングはデンマークでの採用を狙い、ベルギー、フィンランドでも入札の予定で、もしカナダが10月19日の国政選挙の結果次第では選定候補として同機に注目するのではと期待を示す。
  7. スーパーホーネットのSEPではボーイングは海軍とともに旧型のF/A-18A-D で遭遇した問題を回避できると期待する。海軍・海兵隊の旧型機の半分近くが「稼働不可能」状態にあり、海軍の機体整備施設(フロリダ州ジャクソンビルとサンディエゴ近郊のノースアイランド)にほぼ同数が保管されている。あるいはSLEPを待つ状態だ。
  8. 施設はSLEPで一時的に満員となるが、もともとSLEP実施は想定していない施設だとボーイングは指摘し、もう一つ大問題である腐食については機体ごとに状況がことなり、SLEPに持ち込んで初めて露呈することも多々あるという。その場合は施設から必要な部品を発注し、その間機体は部品到着を待つことになる。
  9. だがSLEP対象機数が多く、標準作業が1年間かかることを考えると機体寿命をのばすだけでは解決にならないことがわかる。海軍の整備構想では戦闘爆撃機を40飛行隊にし、10隻の空母に各4隊を配置する。だが戦闘機不足は現実の問題で、ボーイングによればこの問題が露呈していないのは空母が当面9隻になるからだ。新造USSジェラルド・R・フォードが次に就航するまではこの体制で、他の空母も通常より大修理保全期間を長く取っている。ただし空母部隊の規模が再び拡大傾向になれば、戦闘機不足は今より深刻になる。スーパーホーネットの追加調達により不足数を補ってきたが、根本的な解決策ではない。
  10. この問題が深刻になった原因がF-35共用打撃戦闘機開発が2010年に遅れ、海軍仕様のF-35Cでも遅延が表面化したためだ。2016年から20年にかけての調達数が16から20機減っている。また調達がピークになるのは2020年だが、12機しか導入しない。
  11. そこでF-35を増やして戦闘機ギャップを埋めるとF/A-18より調達費用が80%増え、運用コストも増加するとボーイングは説明しており、予算拡大ができない状況では政府が考える楽観的な数字は非現実的だとする。F-35Cの年間調達規模も12機が上限となる可能性があるが、想定では20機だ。シューメーカー中将も「予算により調達数が12から20機以内になる可能性がある」と認めている。
  12. 海軍航空戦力は他の海軍調達事業の犠牲になってきたと指摘する企業幹部がいる。海軍長官レイ・メイバスは建艦予算を確保しており、海兵隊もF-35Bおよびベル・ボーイングV-22調達を死守している。2016年度予算案では海兵隊以外の航空機は記録上最低の25機になっていた。議会がこの上乗せを認めている。
  13. これ以外の緩和策も提案されている。たとえば仮想体験含む訓練の多用、マジック・カーペット着艦誘導システムで着艦訓練を削減する等あるが、ボーイングの分析では問題の根本的解決策に直結しないという。■


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