これは費用対効果が高い改修策ですね。レーダーその他を変えるだけでステルス性能を手に入れることができれば大きな効果が生まれるでしょう。台湾での運用が注目されますが、当然対岸の中国が目を光らせるでしょうね。一方、予算が足りなくて改修策を導入できない米空軍は悔しい思いでしょう。(捻出した予算はF-35に回されているようです)
New F-16V ‘Viper’ Makes First Flight
ロッキード・マーティンのF-16最新型が初飛行に成功した。F-16V「ヴァイパー」と呼ぼれる。
- 初飛行は10月16日にテキサス州フォートワースで行い、第四世代機に分類されるF-16は第五世代機のF-22やF-35と同様の高性能レーダーを初めて搭載した
- F-16VはAPG-83アクティブ電子スキャンアレイ方式拡張可能機動ビームレーダー(ノースロップ・グラマン製)を搭載する。またF-22およびF-35が運用するアクティブ電子スキャンアレイレーダーも搭載する。
- 新型レーダーではビームを電子的に操作し機械的な可動部品を使わずに照射地点を変更できる。パッシブ方式レーダーと異なり、新型レーダーでは信号を周波数複数に分散させることにより探知妨害されにくくいので、実質的なステルス性を確保できる。
- APG-83搭載で第五世代機の空対空および空対地レーダー性能で火器管制が可能になったと同社は発表しており、既存F-16の大幅な性能向上が実現するとしている。
- F-16Vのエイビオニクスでは新型コックピット中央ディプレイ、新型ミッションコンピュータ、高性能イーサネットデータバスも採用していると同社は発表。
- ただし改修は米空軍向けを想定していない。空軍は1,000機以上のF-16を運用中だが、そのうち340機対象の改修事業を中止している。予算上の理由からで、捻出した資金を別の事業にまわしている。
- その中で実際にF-16Vを運用するのは台湾が最初となる見込みだ。
- 海外では3,000機超のF-16が供用中だが、機体改修事業をめぐってロッキード・マーティンは英国に本拠を置くBAEシステムズと激しい競争の渦中にある。
- このうち機齢15年超のおよそ1,000機がまず改修の対象になるとみられる。F-16が新型F-22やF-35と同等の性能を有することはないが、性能改修で対応するほうが新型第五世代機を導入するよりはるかに安上がりになる。■
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