スキップしてメイン コンテンツに移動

F-15サイレント・イーグル


hit counter


web counter


cheap ultram


Aviationweek.com 3月17日

ボーイングがF-15ストライクイーグルの派生型試作機を3月17日に発表。ステルス塗料と構造を取り入れてアジア及び中東のマーケットを狙う。同社は190機程度の受注を期待し、現在受注残が韓国とシンガポール向け合計38機にまで縮小している同機の生産を延長したい考え。共用打撃戦闘機でロッキード・マーティンに敗れた同社のセントルイス生産施設の将来は未確定。F-15の販売と、F/A-18E/FおよびEA-18Gの追加発注が当面は同施設にとっての業務。

「サイレント・イーグル」の主要な設計変更は既存コンフォーマル燃料タンク内の格納ベイに空対空ならびに空対地兵装が格納できること。各タンクで空対空ミサイルが二基(AIM-9、AIM-120あるいは両者混合)を収納する。空対地ミッションには1000ポンドと500ポンドの共用直接攻撃弾(JDAM)あるいは250ポンドの小口径爆弾を4発ずつタンクに装着できる。兵装はAIM-120とJDAMの組み合わせも可能で多用途ミッションに対応。

サイレントイーグルの外観上の相違点として15度の角度で外側に向いたV字型の尾翼があり、従来型が垂直になっていたのをレーダー断面積の小型化を目指して採用された。ストライクイーグルの最大速度マッハ2.5はそのままで、航続距離が180から200海里に減少するのはコンフォーマルタンクの燃料搭載量が減少するため。また、新装備にはデジタル電子戦システム(DEWS)があり、BAEシステム製の同装置はレイセオン製のアクティブ電子スキャンアレイレーダーと同時に作動できる。

ステルス表面塗料は試作機にはまだ使われていないが、後日上塗りすることが可能だ。ボーイングによるとロッキードF-35と同等の前面ステルス性が確保できるという。

F-15のステルス型はすでに10年近く米空軍がF-22の代替選択肢として検討してきたものの、実現はしていない。「当社はF-22やF-35のマーケットをねらっているわけではありません」(ボーイング社F-15発展計画担当責任者ブラッド・ジョーンズ) 

どの程度のステルス性を海外市場向け供給に許可できるかは米国政府の決定するべきことだとジョーンズは言う。米空軍関係者はサイレント・イーグルについて説明を一応受けているものの、ステルス機としての輸出可能性についての協議はまだ行っていない。F/A-18E/Fで搭載したエンジン空気取り入れ口のレーダーブロッカーもどこまでレーダー断面積を減らす必要を顧客が求めるか、また米国政府が認めるかによっては装着可能という。ジョーンズによるとサイレント・イーグルの単価は新造機の場合で約1億ドル(予備部品含む)となる見込みという。既存機の改修キットにはコンフォーマルタンク、DEWSおよびステルス塗料があり、ストライクイーグルを対象とするもの。

市場として有望と見られるのが韓国、シンガポール、日本、イスラエル、サウジアラビア。まず成約しそうなのが韓国で、同国は新型戦闘機二機種としてF-XフェーズIII計画で60機、およびF-15クラスを検討している。韓国国防開発庁は国産のKFX計画を提唱しており、ステルス性のある120機の国内開発をめざす。ジョーンズによるとステルス素材の共同開発は米国政府の検討結果となるだろうという。日本とサウジアラビアもF-15クラスの後継機種を模索しており、もしサイレンとイーグルがサウジ向けに販売されると、イスラエルも同型機の購入により中東の勢力均衡を目指す動きに出るのは大いにありうる。ボーイングは相手国製の装備品特に電子戦装備をサイレントイーグルに搭載することには寛大な姿勢を示しており、これが特にイスラエルには有望なオプションとなるだろう。同国の航空産業界はF-35の共同開発の中で外国製電子戦闘装備の採用には難色を示す米国関係者により拒絶をうけたばかり。

兵装を搭載する燃料タンクは機体にボルト二本で取り付けられており、2.5時間で取り外しが可能。従来型のタンクを取り付けるとステルス性のない機体性能に戻るが、兵装量は大きくなり、対艦ミサイルの搭載も可能となる。サイレント・イーグル原型機はフライトテスト用の機体F-15E1を元に製作した。デモ用に同機にはコンフォーマルタンクと傾斜つき尾翼が装着されて入るものの、構造内部は完成していない。傾斜つき尾翼は顧客の要望で後付けも可能だが、ステルス塗装とエンジン空気取り入れ口ノブロッカーは不可能。兵装搭載したコンフォーマルタンクを試作機につけた状態でフライトテストを来年第一四半期に開始したいというのがボーイングの希望。F-15既存運用者からのフィードバックに答える形ではじまったサイレント・イーグル構想の設計作業は昨年9月に開始されている。

コメント: ボーイングが破れかぶれの策に出ているように見えます。一方、新興国にとって安価なステルス機が手に入るチャンスになるかもしれません。日本にとっても悪くない選択ですが、どこまでのステルス性を米空軍が海外向けに認めるかが鍵ですね。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ