スキップしてメイン コンテンツに移動

第一線配備に近づくEA-18G


Classified Tests Show Growler Ready for Ops

aviationweek. com 8月6日

EA-18Gグラウラーの本格生産の決定をにはQDR(四年毎の国防体制見直し)で海外展開部隊に26機から30機の空中電子攻撃(AEA)航空機が必要としていることがはずみとなるだろう。米海軍によるデジタル電子攻撃機の運用テスト結果が完了してグラウラー/グリズリー電子攻撃機の生産機数が増えることになろう。ペンタゴン高官が海外展開部隊で機数が不足していることを議会公聴会で明らかにしている。敵のレーダーの存在しない戦闘空域でどんな空中電子攻撃機能が必要なのかを論じることを関係者が躊躇しているが,同機のデジタル方式による位置発信と識別能力が機能リストの上位に来る。敵の指揮命令内容を探知し、ネットワーク構造を解明し、通信内容を傍受できる。また簡易爆発物の駆除にも大きな役目を果たすことが出来る。

ボーイングのF/A-18E/F ならびに EA-18Gの生産ラインは海外展開部隊からの要望で生産増加となりそうだ、とリック・マーティン(ボーイング社EA-18G計画主任)も認めている。これまでのところ海軍に引渡し済みは12機で9月と10月に2機追加されるが、契約全体では34機の製造で、一機あたり価格は65百万ドル。海軍が運用能力を実証したことで今秋に追加54機の完全生産の決断が下る見通しで合計88機の調達計画になる。

EA-18Gは運用効果が高いとのお墨付きを得て、空母部隊への配備が7月に勧告されたもの。

この勧告をしたのは海軍運航テスト評価部門。これでグラウラーは実戦で電子戦実施能力ありとみなされたことになる。

グラウラーはEA-6Bを代替し、グリズリーへの搭載がはじまった新型のデジタルICAPIII電子攻撃システムを搭載することで能力ギャップを埋めるように設計されている。今後は次世代ジャマー計画で改修を受ける。次世代ジャマーはより高度の電子戦、サイバー戦、ネットワークかく乱の分野で大きな飛躍となる能力を発揮する。

同機のシステムの柔軟性が高い例としてマーク・ダラー大佐(F/A-18とEA-18G計画主査)はソフトウェアの問題をあげる。テスト中に発見されたソフトウェア上の欠陥は今年後半にはリリースされる次回のソフトウェアでは更新され解決されるという。

このソフトウェア問題はグラウラーの送受信能力には関係がないが、主翼に搭載の電子攻撃ポッドと機内の電子攻撃装置の調整に関係するものとマーティンは説明している。

コメント: F-XだF-XXだと騒いでいますが、日本が真剣に強化しなければならないのが電子戦の分野でしょう。オーストラリアはEA-18Gの輸入を希望しているようですが、日本も検討する価値は十分あるのではないでしょうか。もっとも電子戦はきわめて攻撃性の高い性質のものですが、それだけに対応度を高く求められることになるでしょう。F-22も対応できることになっていますが、システムの設計が新しいEA-18Gは十分魅力的な選択となるはずです。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ