スキップしてメイン コンテンツに移動

USAF:グローバル打撃軍団が作戦実施可能状態に



USAF Global Strike Command Announces IOC
aviationweek.com 8月10日

米空軍が公式に空軍グローバル打撃軍団(AFGSC)を立ち上げたことで核戦力の展開が再強化されると空軍長官マイケル・ドンレイと空軍参謀長ノートン・シュワルツ大将が発言。空軍上層部により同軍団の概要が発表され、司令部はフランク・クロッツ中将の指揮の下、「アメリカの持つ大陸間弾道弾、核任務遂行可能爆撃機の編成、訓練、装備を進め、重要な任務に熱意と職業意識を持って遂行できるようにする」(シュワルツ大将)のが目的なのだと言う。

同軍団は初期作戦能力を獲得したが、完全に機能するには今後数ヶ月かかる。ミサイル部隊の移管は12月初旬に完了し、爆撃機部隊は来年2月に移管されるとドンレイ長官が明らかにした。さらに、第20空軍も12月までにAFGSCに移管され、その後第8空軍が2月までに編入されるとドンレイ長官が発表している。

AFGSCは監査長を持ち、部隊監査を「より厳しく、内部に踏み込んで、より要求水準を上げて」(シュワルツ大将)実施する。この監査には国防脅威削減庁も全日程に参加する。

同軍団は2009年1月のシュレジンジャー報告の産物。同報告書では国防総省が核抑止力の心理的・政治的重要性への理解が不足と批判し、核装備管理の大幅な刷新を提言していた。

AFGSCの管轄に入るのは空軍の戦略核ICBMおよび有人爆撃機。司令部はバークスデイル空軍基地(ルイジアナ州)で、今回の再編により5年間で750百万ドルの支出が見込まれる。

AFGSCはミノー空軍基地(ノースダコタ州)とバークスデイルに各2飛行隊という現在のB-52部隊編成に加え5番目の飛行隊をミノーに編成する。

米空軍の運用する爆撃機3機種のうち、B-1は核任務機体ではないので、引き続き航空戦闘軍団に所属する。残るB-52とB-2は両用任務が可能な機体としてグローバル打撃軍団に移管する。この根拠はグローバル打撃軍団には核攻撃ミッションに専念させ、B-2およびB-52部隊は「通常兵器ミッションにも転用できるように編成、訓練、装備していく」ことを確実にすることだ。とくに協調されたのが、B-2には新型の地下深くの強化施設を目標とする設計の大型貫通型爆弾を搭載可能なことだ。

通常戦は統合部隊司令部(JFC)が担当し、空軍からは航空戦闘軍団がその中に参加している。米国戦略司令部が核作戦を担当し、グローバル打撃軍団が参画する。通常兵力による攻撃の必要性が認められるとJFCは傘下の航空機を前線司令部に移管し、運用される。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ