UAV運用の制約:空域と操縦適性



Debate Soars Over UAVs in Civil Airspace
aviationweek.com 8月18日

英国防省はMQ-9Aリーパーの導入を断念する発表をした。経済情勢を理由としているが、実は英空軍は無人機の自国領空内での運用に自信が持てないのだ。米空軍は小型のMQ-1Lプレデターから大型のリーパーに総入れ替えする方向にある。これによりホロマン空軍基地(ニューメキシコ州)に第二の訓練基地を準備しているところ。またリーパーの運用に当たり、24時間監視体制の維持には州軍航空部隊の人員も利用する意向だが、24時間飛行体制が平時に必要なのか、確信が持てない状態だ。戦場の上空で無人機を飛行させるのは民間航空の行き来する空域よりもはるかに容易。米空軍高官がある会議の席上で民間空域内で無人機を飛行させる可能性を聞かれたことがあった。「連邦航空局(FAA)の方はここにおられますか。いない? よかった」と前置きして同高官は航空領域を管轄する民間航空当局への不満を表明した。「何年間にわたりFAAに対して無人機運用をいつどれだけできるのかとたずねてきたが」 戦闘地帯ではプレデター・リーパー部隊は3次元の空域ブロックをGPSで定義した中で飛行し、その空域内には他の航空機は飛行を禁止され、各地上局は軍事航空管制システムに接続される。しかし米国内では「小型民間機で敵味方識別装置や警告装置のないものがたくさん飛んでいる」のが現状。

空中衝突や突然の降下の回避が大切。その際に空軍、陸軍あるいは税関・国境パトロール(CBP)が運用する無人機の区別は出来ない。特にCBPのMQ-9リーパーが誤ってアリゾナ州ノガレス近郊の地上に激突している事例がある。当初、CBPは同機の機体構造に故障が発生したと説明していたが、実は同機は完全に作動しており、遠隔操作の誤りでエンジンを停止してしまったと判明した。陸軍が長距離長時間飛行のUAV運用を開始するに当たり、空軍が支援をしている。陸軍の計画はMQ-1Cウォーリヤーを多数配備するもの。「陸軍が自前の空軍を作る決定をした際に当方との間で考え方の相違があることが判明しました。」と米空軍リメイ政策開発教育センター所属のデイブ・ハイデマン中佐は語る。「陸軍の考えは一等兵ならみんなパイロットになれると言うもので、猿にもバナナをたくさん与えれば空を飛べるようになるというものだった」

陸軍・空軍で共同実施した訓練内容のベータテストで「バナナをたくさん与えてもだめな人もいるとわかった」(ハイデマン中佐)。ビデオゲームが上手な志願者からオペレーターを選抜する試みは、うまくいかなかった。ゲーム好きは現実世界の複雑さに直面するまではうまく操作できた。複雑な事態に直面すると他の任務がおろそかになった。

イスラエルは今年1月のガザ侵攻作戦(Operation Cast Lead キャストレッド作戦)でそれとは別の課題に直面した。部隊は接近戦を展開中で、人口稠密の都市部での戦闘であった。近接航空支援がなければ死傷者とともに付随的損害が増える一方であった。そこでイスラエルは複雑な航空作戦をガザ上空で展開し、12機以上のUAVが同時に狭い空域に展開し、その他ヘリコプター、攻撃機、観測機等と同時に飛行した。同空域の管制は空中と地上を一体化させ、友軍による誤射(砲弾、ロケット弾、誘導弾が同空域を通過)を防止するとともに敵軍による潜在的な脅威の所在を発見した。この区域内管制のシステムは近い将来ロケット攻撃に対抗するするアイアンドームに統合される予定。イスラエルがその際に使用したUAVにはエルビットシステムのエルビットシステムズのハーミーズ450とIAIのヘロンIが同作戦に投入されたほか、低空飛行のスカイラークIドローンも使われた。大型UAVは空軍が管制し、地区内管制センターがその動きを把握。しかし、そのペイロードの決定は地上部隊でビデオ端末を持ち、ペイロード操作装置からによるもの。一方、低空を飛ぶスカイラーク(ミニUAV)は地上部隊で個別に操作された。

低空での航空攻撃機との空中衝突を防止するため、各オペレーターはミッション前の計画立案、侵入・退出ルートの検討を手順どおりに厳格に行った。これはすべて同戦闘区域の状況把握を完全にしている航空管制官の監督下で実施。同作戦の三週間の期間中に航空機同士の事故は一回も発生していない。

イスラエルが応用したのは狭い空域であり、敵軍の状況は把握できていた。これとは逆に平時のUAV運用が直面する難易度はもっと高い。米空軍関係者は「プレデターでもグローバルホークでも初めて週末の小型機が飛行する空域に入れば、FAAは当方のUAV全機の飛行を停止させ、地上待機が長く続くだろう」と言っている。

コメント:なるほど、FAAでさえそうであれば、日本でUAVの活用をするには相当の調整が必要ということですね。それもあって目に見える形でUAV導入の話が進展していないのでしょうか。

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