スキップしてメイン コンテンツに移動

元在韓米軍司令官が冷静な議論を求める:核、ミサイル防衛、安全保障



韓国については感情が表に立った論調が目立ちますが、地政学や安全保障の観点からは冷静な議論が必要なことは言うまでもありません。THAAD配備となれば中国は自国の核ミサイルの威力が削がれるのをおそれているのでしょうが、韓国にとっては中国に慮るのか、自由陣営(最近使われない言葉ですね)の一員として行動するのか厳しい選択に直面しているのでしょう。本当に「無駄な議論」が多くて本質を見逃している気がしますね。地雷の件は良く知っている方からご教示ください。

Former U.S. Commander in Korea: North Korea Could Use More Than Missiles to Deploy Nuclear Weapons

By: John Grady
Published: October 8, 2014 10:23 AM
Updated: October 8, 2014 10:47 AM
2012 North Korean missile test.
2012年の北朝鮮ミサイル発射テスト

北朝鮮の核ミサイル脅威が合衆国、韓国、日本で話題になる中、在韓米軍の元司令官が真の脅威を見過ごしていると警告。「核でソウルを攻撃するなら一番いいのは旧式航空機や無人機、あるいは近隣港湾に船舶を送ること」という。

  1. B.B.ベル退役陸軍大将がヘリテージ財団で発言し、合衆国政府はTHAAD最終段階高高度地域防衛弾道ミサイル防衛システムの韓国配備では拙速を避け、韓国政府に導入が必要な理由を自国民へ説明する時間を与えるべきだと主張。
  2. この問題が韓国で論争の種になっている背景について、同大将は予算、北朝鮮長距離火砲の脅威、中国との関係悪化を恐れる韓国事情、敵視する日本との関係を理由に挙げた。
  3. 同時に合衆国は中国へ圧力をかけ、北朝鮮の核兵力整備の野望を止めさせるべきと発言。「THAADに中国が反対するのは100%確実」ともいう。
  4. ミサイル防衛システムやXバンドレーダー施設は抑止力で防衛手段だとする。ヨーロッパでも提案されイラン核ミサイル対策で期待されたが、現在は先送りになっている。
  5. ベルは北朝鮮が核兵器を恫喝の手段とする以上合衆国は在韓部隊の「統制権」を維持すべきと主張。韓国への統制権移管はジョージ・W・ブッシュ政権中に協議されたが、現実の脅威の前に議論は低調になっている。
  6. 「アメリカが国家統制権を譲ることはありえない」「韓国軍の実力が問題なのではない」とし、北朝鮮の核脅威の現実が問題だという。
  7. なぜ韓国にTHAADや海上配備SM-3が必要なのか。ベルは第一次湾岸戦争でイラクのスカッドミサイルが発射数分でサウジアラビアやイスラエルに着弾した事実をあげる。ミサイルが核、生物、化学だったら、低高度迎撃で地上への影響は甚大と発言。
  8. 「無駄な議論はやめ正しいことをしましょう」と北東アジア内に相互運用可能で統合されたミサイル防衛体制を構築すべきだと主張。仮にミサイルが発射されても直後は、オサン空軍基地か日本かグアムの海軍施設なのか「目標はだれもわからない」。「同盟各国が単独で処理できる問題ではない」
  9. ベルは有事に日韓両国は相互に助け合うとみつつ、相互安全保障取り決めが未締結であると指摘する。
  10. 韓国駐留3万人の米陸軍、空軍のプレゼンスは抑止力であり、早期撤退はありえないと主張。また将来の地雷撤去条約の検討では空中投下型の時限式地雷は削減対象から外せと求めた。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ