ベトナム経済は堅調ですし、地政学的にも中国の南方で海洋アクセスを抑える重要な位置にありますので、単に中古機材を押し付ける相手ではなさそうですね。今回の米越接近は日本にとっても考えさせられるニュースではないでしょうか。
New Vietnam Ruling Could Open Door To Further Exports
Oct. 4, 2014 - 03:30PM |
By AARON MEHTA | Comments
P-3オライオン哨戒機はベトナムが導入を希望する機種のひとつ。米国が武器輸出の規制を緩和した事が大きい。(MC2 Jillian Lotti/ / US Navy)
WASHINGTON — ベトナム向け武器輸出の解禁が決定されたが地域バランスと米国産業界双方に影響が出そうだ。
- ベトナム向け武器輸出がベトナム戦終結後はじめて可能となるが、ときあたかも中国が南シナ海で敵対的な姿勢を強めている。
- ただし販売は海洋防衛に限定し、合衆国政府は事案ごとにベトナム軍への売却の可否を検討する。
- ベトナムの海上防衛力の強化を人権侵害を発生させずに実現するのが目標と国務省関係者が説明している。
- 国務省は今回の決定はベトナム関係の改善を背景とし、中国をけん制するものではないと説明している。
- 米越関係はこの数年間で好転し、とくに2010年にヒラリー・クリントン国務長官(当時)のハノイ訪問以降に顕著だ。国務省は人権面で一定の進展がベトナムに見られたと指摘する。
- だが中国の好戦的な態度が大きくなっていることは否定出来ない。この夏には中国軍がベトナムが領有を主張する海面で石油掘削施設を完成させ、両国の海軍部隊が緊張する場面があったばかりだ。
- 中国は同施設を撤収したが、この事件でベトナムは北の隣国の「向こう側を見通す」必要性を痛感した。
- 中国としては南の隣国への武器引き渡しを歓迎できないところだ。
- 「中国を意識した事前集積で、中国としては不快だ。が、過剰反応はしない。中国とベトナムの間に危機的状態があるわけでないから。だがオバマ大統領がAPEC会合で北京へ来たらこの話題は避けられないだろう」(上海交通大学のZhuang Jianzhong of Shanghai Jiao Tong University )
- 国務省の解釈では海上防衛手段は航空機を含む。これは予算削減が続く米産業界にとって海外販路を拡大し利益を計上する好機となる。ベトナムは金鉱になるかもしれないとTeal Groupのリチャード・アブラフィアは言う。「いつの日にかベトナムは米国製装備の重要市場になるかもしれません」
- 中でも米海軍の余剰P-3の売却が可能性が高いとアブラフィアは見る。米海軍はP-8導入でP-3の退役を進めている。
- また中古C-130輸送機も海上救難捜索任務に最適だ。沿岸警備隊のC-130Hが候補で、C-130J導入で余剰になっている。.
- そこで注目すべきはジョン・ケリー国務長官が2013年末に発表したベトナム向け高速非武装パトロール艇5隻供与の案件だ。前出の国務省関係者によればベトナムからは当初想定の5隻への関心は示されておらず、武装カッターの発注に関心を示しているという。
- ベトナムヘ米企業が強気の期待を寄せるが、米政府も同様だ。
- 国務省は残る武器輸出解禁の予定はないとしながら、将来に含みを残す。「関係の変化あるいは人権面で進展が見られれば、次の段階に進める可能性が高くなる。したがって進展があるかぎり解禁がないとはいえない」■
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