気候変動戦略と言うには中身が貧弱な気がしますが、軍も対応を迫られるのは必至ということなのでしょうか。温度上昇で一番影響が出るのが極地に出現する作戦水域だと思うのですが。BRACは基地に経済を依存する地方には死活的な話題で時あたかも中間選挙の年ですから特に敏感なのでしょうね。
Hagel Debuts DoD Climate-Change Strategy
Rising Sea Levels Could Affect BRAC Decisions
Oct. 13, 2014 - 01:39PM |
By PAUL McLEARY | Comments
http://www.defensenews.com/article/20141013/SHOWSCOUT04/310130024/Hagel-Debuts-DoD-Climate-Change-Strategy
チャック・ヘイゲル国防長官が気候変動への対応策づくりを発表したのは13日に開かれた米州国防相会議(リマ)の席上。(Saul Loeb / AFP)
WASHINGTON —リマで開催された米州国防大臣会合 Conference of the Defense Ministers of the Americasで米国防長官チャック・ヘイゲルが気候変動へのペンタゴン対応戦略案を明らかにした。
関連してペンタゴンが「国防総省版気候変動対応ロードマップ」 “DoD Climate Change Adaptation Roadmap.”を発表し、海面水位の上昇、気候パターンの変化、食糧・飲料水の欠乏等が発生する中で同省が企画立案を今後どう進めるかを示している。
編集に関与した関係者からはヘイゲル長官が就任直後から「気候変動の安全保障への影響に高い優先順位」を付けて、「広範な安全保障の各段階で優先順位を高くすべき」と位置づけたという。
文書では気候変動を「軍活動に大きく影響し、軍が民間各局の支援に回る機会が増える、人道援助・災害援助への出動が自然災害の発生増に応じて増えるだろう」としている。
注目すべきは米海軍の沿岸部基地施設が「海面上昇の前に無力で浸水の危険があり、干ばつ、自然発火、気温の極端な変化が訓練活動そのものを困難にする。補給網も影響を受け、現在以上に過酷な気候条件でも重要な補給を維持する工夫が必要となる。従来から軍事活動は天候条件に左右されてきたが、気候変動により軍事作戦の実施方法を変更・縮小する必要が出るかもしれない」
ただしペンタゴン関係者からは同報告書はすべての沿海部基地施設が基地再編 BRAC 検討で閉鎖されるのではなく、海面上昇による洪水の可能性を考慮すべきと主張したにすぎないと追加説明があった。
「気候変動は注目するトレンドの一つで今後の作戦環境を決定する要素となる」とペンタゴン関係者はまとめる。
同関係者からはペンタゴンの作戦立案者は「将来の作戦の実施場所を想定し、実施条件の変化を考える」ため戦略に盛り込む必要があると説明する。
CNA研究所 CNA Corp の相談役で軍事諮問委員会のシェリー・グッドマン Sherri Goodmanによれば「国防総省版気候変動適応ロードマップで最高位の優先順位がつくのは作戦遂行上不可欠な基地施設へのリスクを減らすことで、大幅な海面水位上昇、大規模な暴風雨、洪水から守ると同時に北極での緊急事態に対応し、気候変動で猛威を増すはずの自然災害への人道援助、緊急対応の実務想定と関連能力整備です」としている。■
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