スウェーデンで怪しい潜水艦(潜水艇)が見つかり大騒動になっています。ロシアがまたもや関与していれば大変なことになりますね。まずUSNIから。
Swedes Could be Searching for Covert Russian Midget Sub
ソ連時代のプロジェクト865 ピラニア級小型潜水艦 撮影日付不詳
ストックホルム近くのスウェーデン領海で金曜日に見つかった謎の潜水艦はソ連時代の小型潜航艇でバルト海の母艦から運航されているもので大型ロシア海軍の潜水艦ではない模様だ。
- 先週金曜日に「外国水中艦が活動中」との報告を受けたスウェーデン海軍は大規模捜索活動を行っており、パトロール艇多数とヴィスビュVisby型海防艦を動員中。
- 捜索範囲は二倍に広げられ、「潜水艦あるいは小型潜水艇で、ダイバーがモペッドのような水中移動手段を使っているか、我が国領海に関係のないダイバーかもしれない」とスウェーデン海軍アンダース・グレンシュタッド少将Rear Adm. Anders Grenstad は話していた。
- ロシアは関係を否定しているが、ロシア船籍の貨物船コンコルドConcordがバルト海で怪しい動きをしていること、ロシア緊急チャンネルで暗号通信がロシア海軍のカリニングラード基地宛に送信されたことでロシア小型潜航艇の活動が疑われている
- 「スウェーデンが探知したのが小型潜航艇ということは大いに可能性がある。小型潜航艇は大型船舶の船体から気づかれずに発進可能」と21日付のJane’s Defence Weeklyは解説している。
- コンコルドはスウェーデン領海でジグザグ航行しているのを目撃されており、回収地点をさがしているようだとJane’sは報道している。「事件が明るみに出るとコンコルドは方位を変え、北東方向、ロシア領海に向けて進んだ」
- 同船はエストニア沖合にあり、サンクトペテルブルグ方向に21日午後に向かっているのがMarine Traffic.comで確認できた。
- 容疑対象はソ連時代の小型潜航艇で特殊部隊を送り込むために使われるもので、ロシアは輸出しようとしている。
- 「ロシアが小型潜航艇に再び関心を寄せており、プロジェクト865ピラニア級Piranha-class(NATO名ロソスLosos)は2隻がバルト海沿岸に配備されていた。同級は非常に静粛で探知されにくく、発信音が低いのが特徴」とJane’s.は書いている。
なるほど、Defense Newsは次のように伝えています。
Swedish Navy Widens Search for Mystery Submarine
Oct. 20, 2014 - 02:28PM |
By AGENCE FRANCE-PRESSE | Comments
スウェーデンの海防艦HMSストックホルムがストックホルム島しょ部をパトロール中、10月20日 (Anders Wiklund / AFP)
STOCKHOLM —スウェーデン海軍が怪しい外国潜水艦の捜索活動を増強しているが、冷戦時代に逆行するようにロシアを名指しで疑っている。
- 捜索範囲は首都ストックホルムの南東方面で近年では最大規模。国民には安全のため接近を禁じ、初の飛行制限も発表。
- 9月にはロシアのSu-24戦闘爆撃機が二機でスウェーデン領空を侵犯し、カール・ビルト外相が「ロシアによる深刻な領空侵犯」とこの十年ほどではじめて非難している。
- バルト海では冷戦期間を通じて両陣営が海軍部隊を運用していたが、スウェーデンはとくにソ連海軍の動きに注視していた。
- よく知られているのは1981年にはカールスクロナ海軍基地付近でソ連潜水艦が座礁した事件だ。
- ソ連崩壊後もスウェーデンは外国潜水艦の動きに注意を払っている。
- 20日には軍が捜索範囲を広げたため今回探知された艦の所在を巡り観測が高まった。だ。
- 捜索範囲の拡大に合わせ軍からは作戦海域から10キロメートル以内への立ち入りを警告するとともに同海域上空の不要不急の飛行を禁止している。
- 「人工物」の手がかりが先週金曜日に探知されてから、大規模な探索活動が展開されていた。
- 捜索活動が月曜日に入ると、問題の艦がロシアのものとの観測が広がった。
- ロシアはは逆に艦はオランダ所属だと主張。
- オランダ政府は直ちにこれを否定、自国潜水艦はスウェーデンとの海軍演習終了後に海域を去っていると発表。
- スウェーデン国防大学のトーマス・リースTomas Riesは艦がロシア製だとほぼ確信している。
- 「ロシアのものだと示す証拠は多いです。その他の国がスウェーデンに小型潜航艇を派遣するとは考えにくいです」
- 19日日曜日にスウェーデン軍が写真を発表し、同日にストックホルム東50キロメートル地点で撮影された「外国船」だという。
- リースは今回の事件は領空侵犯とは異なる性格だとする。ロシア機の領空侵犯はむしろ外交活動の一環だとする。
- 「相手方が秘密のままにしておきたいのは秘密工作活動をスウェーデン領海で行っていたことを示しています」
- ウクライナ危機のさなかでヨーロッパ安全保障への影響も危惧される中、スウェーデン事件はバルト海で緊張を増やす。
- ラトヴィア外相エドガルス・リンケヴィッチ Edgars Rinkevics はスウェーデン領海で進行中の事態を注視している。
- 「バルト海全体の安全保障の構図を塗る変える事態に発展するかもしれない」
スウェーデン国防省が報道陣に18日土曜日に公開した「外国潜水活動」の写真
- 可能性のあるロシアのピラニア級は潜水時390トンで乗員9名で6名の戦闘員を運ぶと米海軍協会の艦艇年鑑は述べている。ディーゼルエレクトリック推進で10日間の航海が可能という
- ソ連時代に作られたピラニア級は1980年代に完成し、ロシア艦隊から1997年に除籍されたが、一隻が海外向け販売用に改修されているという。
- 別の専門家からはプロジェクト908トリトンIIダイバー運搬艇(LSDV)ではとの声もある。6トンで戦闘ダイバー6名を60カイリ運ぶことができる。
- だが捜索が続く中トリトンの可能性は消えつつある。12時間も先行したままだからだ。■
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