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中国の核兵力拡充に注意が必要


百万単位のアメリカ市民の生命を奪うとの下の中国記事はどこか正常さを欠いていますが、50年以上もアメリカの核抑止力の下で重圧を受けてきた中国としてはこれでお返しだ、との気持ちもあるのでしょうか。まるで50年代の冷戦時を思わせるレトリックですが、核抑止力の下での平和と言う構図はなかなか変わりそうもありませんね。中国が想定しているのは飽和攻撃で、地球環境の破壊など全く意に介していないようなので、日米が進めるBMDは北朝鮮には有効でも中国ミサイルに対応できるでしょうか。大きな疑問です。

US Report: China's Nukes Getting Bigger and Better

Nov. 19, 2014 - 03:45AM   |  
By WENDELL MINNICK   |   Comments

A Chinese media depiction of the potential destructive effect of a MIRV-capable ICBM on Los Angeles.
中国メディアでMIRV搭載ICBMでロサンジェルスを攻撃した際の被害想定が掲載されている。

TAIPEI, TAIWAN — 議会による調査報告書で中国の核兵器とミサイル近代化の進展で暗い予測が出てきた。

  1. 報告書は11月19日に中国経済安全保障検討委員会により公表されたもので、その中で中国は合衆国が西太平洋に展開する全部隊、軍事施設をすべて攻撃する能力を今後10年で獲得するとしている。
  2. また中国は合衆国が運用する国家安全保障関連衛星の攻撃を各種方法で実施するようになる。運動エネルギー、レーザー、電子ジャミングおよび捕獲の各手段。報告書では今後5年から10年以内に合衆国の衛星がことごとく脅威にさらされるという。中国がねらうのは武力衝突時に合衆国の情報優位性を否定し、必要なら衛星を破壊する能力だという。
  3. 中国は宇宙戦実施能力の整備で戦略的抑止力を高め、合衆国・同盟国に「中国に軍事干渉をできなく」する効果も期待しているのだという。
  4. 報告書では中国の核兵器運用能力の増大が不気味だとする。今後5年間で中国の核兵力は急増し、近代化され、中国の軍事・外交政策で選択肢を広げる効果としてあらわれるとし、「合衆国の抑止力そのものを弱体化させる可能性があり、特に日本関連でこれが予想される」
  5. 次の3から5年で中国の核兵器はさらに威力をまし、生存性をたかめた道路移動式各ミサイルを追加配備するだろうとする。原子力弾道ミサイル潜水艦5隻は各12発の水中発射式大陸間弾道ミサイルを搭載し、各ミサイルには多弾頭独自目標設定可能ミサイル (MIRV)を装着可能だ。
  6. ペンタゴンからは中国核兵力はわずか50発ないし75発のICBMしかなく、今後15年で合衆国まで到達可能なミサイルが100発になるとの予測が2013年に出ていた。しかし今回の報告では中国の核兵器整備はもっと大規模で貯蔵量も予想より大きい可能性があるとの専門家評価を紹介している。
  7. 中国の海洋配備型核抑止力の配備は2007年に3隻の晋級 Jin-class 弾道ミサイル原潜の就役ではじまった。さらに2020年までに2隻が追加されるとみられる。
  8. 晋級の搭載するJL-2ミサイルは初期作戦能力を獲得したようで、「中国が初めて実用的な海軍用核抑止力を入手した」。JL-2の射程は4,598 マイルで「中国近海からアラスカを攻撃可能、日本南方の海域から発射すればアラスカ、ハワイを攻撃可能で、ハワイ西方から米本土西海岸を攻撃できる。ハワイ東方からなら米本土各州を攻撃射程範囲に収める」という。
  9. また道路移動式各弾道ミサイルの増加にも注意が必要だ。このうちDF-31が2006年に実用化している。2007年にはさらに性能を上げたDF-31Aが投入された。道路移動式のため発射時間は短縮され、位置を探知が一層困難で攻撃できない。「DF-31の射程距離は少なくとも6,959マイルあり、米本土の大部分を攻撃可能」。
  10. さらに新型の道路移動型ICBMがDF-41だ。配備は2015年の予測だが、MIRV10発を搭載し、射程は7,456マイルと見られ、「米本土各地を攻撃可能」。中国はDF-5とDF-31AをMIRV対応に改造し、「合衆国の弾道ミサイル防衛網を突破して主要都市、軍事施設をMIRVで攻撃するだろう」。
  11. 報告書では中国国内メディアが掲載したMIRV対応ICBMでロサンジェルスを攻撃した際の破壊予測を引用している。原典は環球時報2013年10月13日号で「中国が合衆国に対する水中戦略核抑止力を初めて獲得」と題の記事だった。
  12. 記事ではロサンジェルスの地図を載せ、JL-2による核攻撃を想定している。「20発の核弾頭による放射能が風で拡散され、数千キロメートルの汚染地帯を生み出す」としていた。
  13. 記事では半径746マイルから870マイル内で屋外にいる住民が全員死亡するとしている。「中国の百万トンTNT換算小型核弾頭技術を搭載した12発のJL-2核ミサイルが一隻の晋級原潜から発射されれば、5百万人から12百万人の生命が奪われ、抑止効果は明白だ」としていた。
  14. また中西部の人口密度が低いことから、最大の破壊効果を期待するには西海岸の大都市シアトル、ロサンジェルス、サンフランシスコ、サンディエゴを目標とするのが最適としている。 ■

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