ボーイングに参考価格を算定させてロッキードに値下げを迫るというビジネス上の戦術だと思いますが、ボーイングも当て馬にさせられるだけではたまりません。トランプとは大統領専用機問題もあり、トップ同士で何らかの取引が生まれつつあるのでしょう。ロッキードには心外な事態展開となりショックも大きいのでしょう。当たり前と思っていたことが当たり前に進まなくなるのですから当然ですが。費用を下げれば必ずしわ寄せが何処かに発生し、もともとF-35共同開発国のステータスが無い日本には一番大きな影響が生まれそうです。
Trump Tells Twitter He Wants A Super Hornet With F-35 Capabilities
By: Valerie Insinna, December 22, 2016 http://www.defensenews.com/articles/trump-tells-twitter-he-wants-a-super-hornet-with-f-35-capabilities
WASHINGTON —ドナルド・トランプ次期大統領がツィッター上でF-35の価格問題を再び取り上げ、ボーイング第四世代戦闘機を代替対象として検討するよう主張したが、専門家筋は可能性はないと見ている。
- 「とてつもない費用規模と予算超過がをロッキード・マーティンF-35で発生していることからボーイングに対し比較検証のためF-18スーパーホーネットの価格検討を依頼したぞ」(12月22日東部標準時5:26 p.m.)
- ロッキード・マーティン株価は終値$252.80だったが東部標準時午後7時に$247.75へ2パーセント下落。ボーイング株は1.49パーセント上昇し $158.95につけた。
- 今回のトランプ発言でロッキード・マーティン、ボーイング両社にどんな長期的影響が出るか不明だ。F-35が費用超過や技術問題に悩まされているのは周知の事実だが、F/A-18E/Fスーパーホーネットは第四世代機で第五世代機の性能の多くは搭載されていない。例えばステルスであり、データ融合機能だ。スーパーホーネットを再設計してF-35同様の要求性能を実現しようとすれば開発期間は数年におよび、技術開発で数十億ドルの予算が必要となる。
- 「次期大統領及び政権とともに最良の性能を確実に納入しながら妥当な価格を当社製実績を元に実現し、安全保障ニーズに答えたい」とボーイング広報は伝えてきた。
- これに先立ちボーイング・ディフェンスのトップ、リアン・キャレットはF/A-18は「2020年代中頃を過ぎても十分その先まで供用可能で...現状からさらに進むことは確実」とDefense Newsに述べていた。これに対しロッキード・マーティン広報はトランプのツィッターへの論評を避けた。エンジンメーカーのプラット&ホイットニーも同様。
- Teal Groupの航空宇宙アナリスト、リチャード・アブラフィアはトランプのツィッターは「興味を引く議論」であるものの今初めてではないと指摘。「米海軍に取っては悪い提案にはならないでしょう」とし、海軍がF-35C導入をしつつスーパーホーネット追加調達を継続していること、同機の電子戦版E/A-18Gグラウラーも調達していることに言及していた。
- だが「現政権の任期終了間際で海軍はC型へ軸足を移さざるを得なくなる」とも指摘。アブラフィアはF/A-18を第五世代戦闘機に回収することの難しさを認めた。「スーパーホーネットは艦載攻撃機であり空母運用で威力を発揮するが、ステルス機になるわけではない」
- 今週はじめにクリストファー・ボグデン中将(F-35開発室長)から2011年に事業がナン=マカーディ法に違反し再構築を迫られて移行は順調だとの見解が示されている。中将によれいばF-35の予算執行はほぼ予定通りの日程で予算内におさまっているものの開発段階の飛行テスト日程が7ヶ月程度遅れる見通しと発表。また開発段階の完了には532百万ドルの追加支出が必要だ。
- 「2011年時点で130億ドル規模の事業再整備があと数億ドル数ヶ月で完了すると言われれば、『乗った』と明言していたでしょう」「事業は『制御不能』ではありません」とトランプが先にツイッターで示した発言に反論している。
- ボグデン中将は21日水曜日にトランプと会い、F-35事業を説明している。ボーイング、ロッキードのトップ、デニス・ミュレンバーグとマリリン・ヒューソンもそれぞれトランプと会見した。
- ミュレンバーグからは会見は好意的かつ「非常に前向き」で「肯定的で率直な話し合い」に「力づけられ」たとのコメントが共同取材上で出ている。ヒューソンは会見後コメントを発表していないが、トランプ側は「今回は手始めにすぎない。これはダンスと同じ。だが費用は削減していく。しかも優雅な形で実現していく」と述べている。■ Aaron Mehta contributed to this report.
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