古い機材とはいえまだまだ使えるのなら、ということで今回の話になったと思いますが、突破口になるのは確かですね。今後は別の案件も出てくるでしょうが、相手国の運用能力を総合的に確保するための支援も可能でしょうね。いわゆるキャパシティビルディングですが、ODAでは武器三原則のような解釈がまだできていないので、今後問題に浮上するかもしれませんね。今回は有償貸与ということで簿価以下の処分を禁じた国有財産のルールをうまく回避したようです。
Japan to Provide Military Aircraft to Philippines
Agence France-Presse1:20 p.m. EDT May 3, 2016
TC-90 海上自衛隊ホームページより
TOKYO — 日本がフィリピンに軍用機を貸与し、二国間安全保障関係を深化させ中国の影響力に対抗しようとしている。
- 中谷元防衛相とフィリピンのヴォルテール・ガズミン国防相の電話会談で合意が形成されたと防衛省が5月2日に発表した。
- 世界の原油の三分の一が通過する南シナ海での緊張は中国がサンゴ礁を人工島に変換し軍事利用に道を開いたことで高まっている。
- 合意内容では日本は上限5機のTC-90練習機を貸し出し、フィリピンはパイロット・整備要員を養成する。各機は監視用に使えると現地報道が伝えている。
- 自衛隊機材の外国貸与は初で、武器輸出制限の緩和で可能となった。
- 「南シナ海の平和と安定を維持する意味で関係各国との協力関係強化は重要との共通認識がある」と中谷防衛相は報道陣に語っている。「フィリピンの防衛能力向上は域内の安定確保につながる」
- TC-90の航続距離は1,900キロで、フィリピン海軍の現有機材のほぼ二倍と共同通信は伝えている。
- フィリピンはかねてから日本と連携強化を模索してきたが、南シナ海のほぼ全域を自国領土と主張する中国に対し各国の装備は大幅に劣っているのが現状だ。
- 先月は海上自衛隊艦船がフィリピンへ寄港し、二月には日本政府はフィリピン向けに対潜哨戒機やレーダーなど防衛装備の供与を決めていた。■
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