スキップしてメイン コンテンツに移動

★ISIS空爆が想定を超える規模で世界各地から爆弾をかき集める米軍





The US is Raiding its Global Bomb Stockpiles to Fight ISIS

MAY 26, 2016 BY MARCUS WEISGERBER

反ISIS連合は爆弾41,500発以上を投下し、ペンタゴンは他地域の備蓄弾薬を使い始めている

  1. 米軍はスマート爆弾の備蓄を世界各地から確保して二年目に入ったISIS空爆に投入しているとペンタゴン関係者が明らかにした。
  2. 空爆作戦を統括するチャールズ・ブラウン空軍少将は「他地域でどんなリスクが生まれるかを注視していきます」とカタールのアルウデイド空軍基地からビデオ会議で述べている。「どこかから爆弾を引き出した場合、緊急事態が発生したらどう対応できるかが問題です」
  3. 連合軍の空爆は2014年8月から延べ12,453回を数えている。このうちイラクで8,500回、シリアが4,000回近くで米軍が9,495回を実施している。投下爆弾数は合計41,697発で米軍は同盟各国へ爆弾を提供している。
  4. このため爆弾不足が生まれているがペンタゴンの方針でクラスター爆弾の処理が必要となっていることで状況がさらに深刻になっている。
  5. 米軍は弾薬備蓄をヨーロッパ、中東、アジア太平洋で維持しているが、旧型弾薬が多くなっているとシンクタンク指摘がある。本当は新型爆弾に切り替えたいが予算管理法により思うに任せないのが現実だ。
  6. アシュ・カーター国防長官は二月にペンタゴンは議会に18億ドル超で新規製造爆弾45,000発の調達を要求した。米国内弾薬メーカーはこの要望に応えるべく増産体制を整えている。
  7. 爆弾不足になったのは需要をあらかじめ予想していなかったためだ。当時はイラクに米軍は駐留しておらず軍はアフガニスタンからも撤退しようとしていた。だがこれは実現せず、アフガニスタンには米軍は数千名が駐留中で、さらにイラクに数千名が戻り現地軍の訓練助言にあたっている。ブラウン少将は同盟軍が投下する爆弾の大部分は米国製誘導スマート爆弾と指摘する。「空軍が次年度予算で調達を増やす動きに出ていますが、実際に使用可能になるのはあと2年後でしょう」
  8. 爆弾不足は米中央軍以外にも広がっている。太平洋軍司令官ハリー・ハリス海軍大将は議会に対して爆弾備蓄を食いつぶす事態を憂慮していると発言。
  9. ハリス大将は2月23日の上院軍事委員会公聴会で「重要弾薬の不足が最重要事項であり懸念材料」との声明文を準備した。「米太平洋軍USPACOMは今後も着実に予算を付け、追加調達し、性能向上につながる弾薬技術を開発して侵略を抑止し、撃退するよう進言する」
  10. ハリス大将はまたPACOMは「弾薬技術の改良、生産増強、事前配備を求めるが財政圧力がリスク要因」とも指摘している。
  11. 3月10日付下院軍事委員会マック・ソーンベリー委員長(共、テキサス)宛書簡でハリス大将は弾薬追加調達を優先事項上位3項目の一つとし、AIM-9X、AIM-120D空対空ミサイル、SM-6対空ミサイル、MK-48魚雷を列挙したがすべてレイセオンが製造している。
  12. 3月22日の下院軍事委員会公聴会ではジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長から「全方面での即応体制が完成し、消耗分の重要精密兵器の補充が完了するまで数年かかる」との見解が出た。
  13. 2月にはカーティス・スカパロッティ大将(当時在韓米軍司令官)からクラスター爆弾がなくなり太平洋における米軍の備蓄が消耗されるとの警告が出ている。
  14. 同大将は「重要弾薬は適度の備蓄を維持し朝鮮半島での開戦初頭で優位性を確保すべきだ」と下院軍医委員会公聴会で陳述している。
  15. また「問題を複雑化しているのは『備蓄分期限切れと使用禁止によりクラスター爆弾が使えなくなっていることだ」とも述べている。
  16. 2008年に当時の国防長官ロバート・ゲイツがクラスター爆弾の備蓄と使用双方で制限を加えたが、米国はクラスター爆弾制限条約を批准していない。
  17. ゲイツ長官の方針は2019年まで有効で、「クラスター爆弾は今後の装備から外し、使用しない」としている。スカパロッティ大将は2月23日の上院軍事委員会公聴会で「クラスター爆弾には多大な作戦効果をを期待しており、半島で危機状態が発生した場合に使用したい」「クラスター爆弾に替わる装備がないこと、同様の効果を生む通常弾が存在しないことを懸念している」と語っている。
  18. 上院による2017年度国防予算認可法案では国防総省に対して国防長官からクラスター兵器取り扱い方針を議会に説明あるまではクラスター爆弾の処分を禁じている。この文言を追加したのはトム・コットン議員(共、アーカンソー)だった。
  19. 同法案では同時にペンタゴンに別途10億ドル勘定を設定し「同盟各国軍が将来の緊急作戦で使用し米国支援に当てる精密誘導弾薬類の予見できる消費量」の調達備蓄を求めている。コットン議員は上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長(共、アリゾナ)と協議しこの文言を盛り込んだ。

AUTHOR

Marcus Weisgerber is the global business editor for Defense One, where he writes about the intersection of business and national security. He has been covering defense and national security issues for nearly a decade, previously as Pentagon correspondent for Defense News and chief editor of Inside ... Full Bio



コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…