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中国の軍改革、戦略戦術の変化は要注意 本質を見抜く目を鍛える必要あり



習近平が陸軍兵力を30万名削減すると公言した裏には人民解放軍がどんどん変革を続けていることがわかります。(芸能兵など存在自体が疑問な兵員もいるのですが) 情報化、宇宙、サイバー含む全領域での優位性確保、さらに各軍統合運用などと米国の姿に近づいていくのがわかりますがその実力はいかに。決して侮ることは許されませんが、鄧小平が始めた軍の近代化が現在も着々とと進んでいることには注意が必要です。

What PRC President Is Really Doing; What The Uniform Means

By DEAN CHENG on May 03, 2016 at 4:01 AM

Xi Jinping in military uniform
習近平が軍服を着用して軍事司令部を訪問した姿が公表され、その説明文で「最高司令官」の表現があったことが中国内外で注目を集めている。
  1. 軍服姿は中国の軍事大国化を反映したものなのか。「最高司令官」という肩書は軍との政治的緊張の反映なのか。残念ながらこういった視点では本質が見えなくなる。
  2. 米国の分析は細部にこだわりすぎる傾向がある。習がどんな服を着ているのか、自らの立場をどんな語句で表現したのか等々だ。一方でもっと大きく根本的な変更が進む状態が検討対象になることは少ない。
  3. まず、習は迷彩軍服で今回の視察に臨んだが、2013年の潜水艦、2014年の別の機会にも軍服で写っているので、今回は先例ではない。
  4. また中国語の表現 “zong zhihui”には全体指揮官という意味があり、状況が異なれば別の人物もこう呼ばれる。たとえば神舟宇宙船の船長で同じ表現が使われている。
  5. 習近平の肩書は中央軍事委員会(CMC)の委員長であり必然的に軍の最高司令官であることを忘れてはいけない。中国の報道では本人を中国共産党中央委員会総書記長、国家主席、中央軍事委員会委員長と表現しており「全体指揮官」に先行していた。肩書が加わったのかは別としても、習が軍を掌握していることに疑問の余地がなく、バラク・オバマ大統領が軍の最高司令官というのと大差はない。
  6. むしろ注目すべきは習が視察した施設で、軍事委員会統合指揮所 (junwei lianzhi zhongxin; 军委联指中心)は人民解放軍PLAが各軍の統合運用を重要視している象徴でありPLAで進行中の大改革も反映している。
CSBA graphicPLA Modernization: Getting Ready to Fight “Informationized Wars”
  1. 第一湾岸戦争の終結後に人民解放軍は統合運用重視に傾き、他国の戦闘事例を観察分析したPLA上層部は将来の戦闘は各軍統合運用で高性能兵器を使って行われると結論付けた。
  2. その一環で1999年は「規程の年」と呼ばれ、戦闘用規則や教本が大幅改定されている。その後にPLAの装備や訓練方法が近代化されている。
  3. NATOによるバルカン地方介入、米軍のアフガニスタン侵攻、サダム・フセイン政権の転覆を横目にPLAは演習を通じ統合運用の経験を積み、将来戦の構想を進歩させてきた。以前は「近代的かつハイテクを投入した局地戦」が以前の定義だったが「情報化を前提の局地戦」に変更し、情報や情報技術で戦闘支援を行うことに加え、情報自体が戦闘における中核要素だと定義されるに至っている。「情報優勢」の確保がこれからの戦場で決定的要素になるとの考えだ。
Chinese DF-21 missile launchersChinese DF-21 missile launchers
  1. そこでPLAを将来戦に対応させるべく組織面で三つの大改革を行っている。まず、戦闘部隊の再編があり、従来の軍区7個は5つの戦区に改編された。重要なのは各戦区に統合作戦本部を置いたことで、CMCの統合作戦センターとつなげ各本部を統括するのだろう。これまで統合作戦司令部はその都度臨時に設けられ恒久的組織ではなかった。
  2. 習の視察での政治的な意味を考えると、PLA全体に統合司令機能による共同作戦実施が定着したと示しているのだろう。習が軍事委員会の統合司令センターに姿をあらわしたことでセンターの最高司令官の役割を果たしてと誇示しPLAの新方式は全体司令官である習自身が推進していると公にしたといえよう。
  3. さらに軍事活動全体を統括する中央軍事委員会(CMC)では四つあった総局を15の部門、事務局、委員会組織に改編した。これは兵力動員の準備態勢、訓練水準を引き上げる狙いがあるとみられる。CMCの組織をいじるのは1999年以来のことであり、1960年代の創設以来最大規模の変更になった。
  4. 組織再編の一環として総参謀部は統合参謀部に再編されている。これもPLAが統合作戦で戦闘を行う想定になっていることのあらわれだ。
  5. 最後に軍の数が増えた。かつては地上軍がPLAで政治的組織的に主流だったがCMCの15部門等で陸軍はもはや中心ではなくなっており、CMCでは陸軍出身が多数だが残りの軍とは平等の立場と位置付けられている。
  6. その一方でPLA第二砲兵隊は従来は特別部隊の位置づけが今回独立軍に昇格しPLAロケット軍となった。同時にPLA戦略支援軍 (PLASSF)があり、今回の軍改革の中で最も特徴のある存在となり宇宙軍、電子戦軍、ネットワーク戦部隊がここに含まれる。
  7. ロシアは空軍を航空宇宙軍に変えたが、中国は情報戦軍を発足させている。情報面での優位を情報化戦闘で確保するべく、PLAは電子、ネットワーク(サイバー)、宇宙の各領域で優位性確保に乗り出した。そのため専門組織を作り新しい教義を作り、訓練を統合して任務にあたるよう期待しているのが明白になった。
Graphic courtesy Sen. Dan SullivanGraphic courtesy Sen. Dan Sullivan
  1. 一つ一つの改革は軍組織の地殻変動的な変化につながる。各方面で進行中の改革はかれこれ30年前からあり、習近平は各実施内容を監督するが各施策の実施は指導部の指示をいかにPLAが真剣に受け止めているかの表れで、指導部は戦闘に備え、次の戦いでは勝利をおさめよ、と強調している。■


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