サンダース候補はおいておいてもトランプ候補は大統領に当選する可能性があります。トランプさんの場合は既存の考え方の枠にはまらない人なので、記事が取材した日本のエスタブリシュメント層もとまどっているのでしょう。しかし、見ててください。政策の選択の幅はそんなにないはずですし、本人に各方面がご進講していき(すでに情報機関によるブリーフィングが始まっています)、党大会が終わり11月の選挙にむけて時間が進むとトランプ候補の発言も微妙に変わると思いますし、演説に見られる彼の顔とまったくちがう一面がると証言する向きもあります。米国内に既存の政治家に対する不信感が高まっているからこれまでにない候補者が出てきたのでしょうか。
Japan defends U.S. alliance amid worries stoked by Trump, Sanders
(Photo: Justin Sullivan/Getty Images)
常識破りの候補者二名、ドナルド・トランプとバーニー・サンダースが日本へも衝撃波を送っている米国が日本を撤退するのかとの懸念が生まれているのだ、中国が軍事力を拡大しているさなかに。
- 日本側の関係者は現役以前の担当者含め予備選での議論から米有権者がグローバルなリーダーシップから身を引こうとしていると解釈している。共和党候補に選出される公算の大きいドナルド・トランプが日本は安全保障では十分に費用負担していないと発言したことに日本側は反発している。
- 「米有権者の考え方に構造変化があるのではないか」と防衛相を務めた森本敏は語っている。「トランプ候補の支持者は米国だけが負担させられる世界の警察官の役目はもうごめんだと思っているのではないか」
- 森本元防衛相は日米の安全保障取り決めが不公平だとする考え方は否定する。日本は国内駐留の米軍隊員一人当たりでは4万ドルちかく、年間で17億ドルを分担しているという。ただサンダース候補、トランプ候補の支持者の間に懐疑論が出てていることは真剣に受け止めており同盟各国は分担増を迫られるかもしれないと指摘した。
- 「米国だけですべて完結できないのです。そのため同盟各国の対応能力を引き上げる必要があります。米国にはリーダーシップを期待しつつこちらは協力していく必要があります。国際法に基づく価値観を堅持し分担して守ってくべきです」
- 2015年末にトランプから日米同盟の価値、公平感で疑問が呈された。米国は日本防衛を約束し、日本は米軍に基地を提供するが、在日米軍基地は海賊問題から北朝鮮に至る地域大の脅威に対応する作戦補給両面の拠点になっている。
- 「日本が攻撃されれば即座に日本へ行き第三次世界大戦を始めるというわけですね。でもこちらが攻撃されても日本には米国を助ける義務はない」とトランプは述べ、「どうみてもこれは公平ではない」
- 同盟各国ではサンダース候補が大統領になればもっと内向きのアメリカになり国内問題が焦点になるが、アジア太平洋やヨーロッパでは米リーダーシップの維持がおろそかになるのではとの懸念が広がっている。
- 在米日本大使館でも大使がこの考えで米国に孤立主義の回避を求めている。佐々江賢一郎大使は「孤立主義の傾向が強い候補者がいますが、米国には孤立主義にはなってもらいたくありません。米国はグローバルで強い存在であってもらいたいものです」
- 石破茂大臣は日本の農業振興とともに安全保障も担当し、両国は同盟関係の内容をもっと明確に理解すべきと主張する。
- 「候補者の一人は同盟関係自体の変更を主張しており、これは日本としても看過できない発言だ」「米国市民には大統領を選ぶ権利があり、当方があれこれいうことではないが、だれが大統領になっても同盟関係の理解を正しくすれば政策も正しく実施されるのではないか」
- 森本元防衛相も同意見で、両国が意義を理解することが重要と見る。「日米安全保障条約は決して不公平な内容でなく、両国ともに恩恵を受けているのです。日本が公平な分担をしていないからと言って米軍が日本から撤退すると発言しても米国には良い結果をもたらしません。条約で米国がどれだけ経済面の支援を受けているかがわかってもらっていないようです」■
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