戦争の在り方を根本的に変える可能性を秘めた高エネルギー兵器の開発が予算削減されていいのでしょうか。まさかミサイル防衛の既存契約企業が望ましく思っていない?いやいやそんなことはないでしょう。中国やロシアは開発が遅れれば喜ぶと思いますが。こういう分野こそ日本も開発に協力していくべきでは。しかし予算強制削減策などの一連の対策も議会が設定したものですよね。
Directed Energy Projects Losing in Fight for Research Funding: Officials
米議会とペンタゴンで指向性高エネルギービームによる敵撃破手段の開発が関心を集めていた。道路わきの爆発物をフライにするとか弾道ミサイルを上昇段階で攻撃するとか。
- レーザーや高出力電磁波手段の推進派が熱心に説くのと反対に軍、議会ともに予算が足りないため必要な研究とテストが思うように進んでいないとし、原因を2011年度予算管理法に求める。
- 研究は「資金が維持できなくなっている」とウィリアム・E・ゴートニー海軍大将(米北方軍司令官兼北米防空司令部司令官)が4月13日に上院軍事委員会戦略軍小委員会の弾道ミサイル防衛公聴会で語っている。
- 同じころペンタゴン中庭では業界と軍研究部門が開発中装備の模型や図面を展示していた。ボーイングの戦略レーザーシステムズはミサイル防衛用で、レイドスの高出力高周波(HPM)は地上で爆発物を無力化すること特に道路わきに置いた即席爆発物(IED)の処理を念頭に置いている。
- このうちレイドスの装備は開発が空軍研究所の指向性エネルギー局でメガワット級発電タービンを大型トラックに搭載し同社によれば「爆発危険物を未然に無力化する初の手段」で輸送隊に安全を確保し「地上部隊を爆風と破片飛散から守る」のだという。
- レイドスで爆発危険物無力化装置を担当するトミー・カヴァゾスによれば指向性エネルギービームで信管を溶かし不発にする、または地上兵員が近づく前に連鎖爆殺させるという。
- カヴァゾスによれば試作品価格は約30百万ドルで、量産に入れば「おそらく6から7百万ドル」に下がり、「百万ドルにするのが目標」だという。
- 上院小委員会公聴会では指向性エネルギーやレーザーのシステム構成価格と研究費の不足を制約理由に挙げていたが、アンガス・キング議員(無所属、メイン)は予算不足が指向性エネルギー開発費用の足かせになっていることを憂慮し、開発できれば「命中必殺」の弾道ミサイル迎撃手段より安上がりになるはずとの指摘が出た。
- 「予算不足で開発が遅れれば誠に遺憾で、予算を節約しても愚かな結果になるだけだ」とキング議員は発言し、「指向性エネルギーは毎回ロケットを発射するよりずっと経済的だ」とジェイムズ・D・シリング海軍中将(ミサイル防衛庁長官)へ述べた。
- これに対しシリング中将は「指向性エネルギー装備開発はこれまで数年度にわたり予算要求で増額していただいているが今年こそご支援をいただきたい。これこそ次世代の技術につながり、はるかに経済的かつ大きな効果を実現する手段」だと強く訴えた。
- 今月初めにはジム・インホフェ議員(共、オクラホマ)、マーティン・ハインリック議員(民、ニューメキシコ)が両名で指向性エネルギー兵器の開発配備を加速させる法案を提出している。
- 「指向性エネルギーこそ米国が技術優位性を依然として発揮できる分野であり戦場の様相を決定的に変える存在だ」とインホフェ議員は語る。
- 「指向性エネルギーによりわが軍部隊は敵性勢力に対し本質的な優位性を確保できるので将来の装備体系の重要な要素だ。法案では変革のスピードアップを狙う」とハインリック議員は述べる。同議員の出身州には空軍研究所があり、高エネルギーレーザー共同技術開発部門、ホワイトサンズミサイル試射場もある。■
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