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★カーター長官の考える国防技術イノベーションの方向性「旧式装備で新性能を」



 任期が残り少なくなってきたオバマ政権でこの人が国防長官でいることが大きな意義があります。技術を理解できる人物であることが大事なのでしょうね。問題は次期政権の長官人事でせっかくカーター長官が示した道筋がどうなるかですが。長官の考えには分断、個別専門性の追求より全体像として国防目的を意識した発想が垣間見えます。

‘Give Surprising New Capabilities to Old Platforms,’ Carter Tells Engineers


国防長官が海軍のR&D施設で「イノベーション」構想の深みを示し、また技術オタクとしての側面もあらわにした。

MIDDLETON, R.I.— アシュ・カーター国防長官が視線をこらす中、全長20フィートの無人監視用舟艇はナラガンセット湾でマウスクリックで航路を決め、長官の操作で衝突防止警告音が鳴り海軍水中戦研究センター専用ふ頭に一般船舶が近づかないようにした。長官はにっこりと笑った。

  1. 趣味で心電図を読んでいた物理学博士のカーター長官にとって海軍の研究実験現場訪問は技術オタクとして興奮するとともに戦略面でもおおきな満足を感じる場になった。長官は「イノベーション」を合言葉にしたが、優秀で創造性あふれた研究技術職とともに過ごしたこの午前で長官が望む方向性があらためてあきらかになった。
  2. 国防軍事筋は「旧式装備に驚異的な新性能を与える」のを目標とすべきだとカーター長官はこの訪問時に訓示した。試作製造で発想が実験研究段階と調達業務が乖離する「死の谷」を超越すべきだ。特殊装備は少数配備で十分だと認識する必要がある。また「接続領域」つまりバラバラだった作業を統合して空陸海さらに宇宙やサイバー、海中で大きな成果を発揮する方法を模索すべきだ。
NUWC-4無人舟艇をカーター長官はナラガンセット湾内で操作した。(Bradley Peniston / Defense One)


  1. 国防長官は研究施設の視察中に方針の実現例となるプロジェクト数例に目を向けた。無人舟艇がそのひとつで、第五艦隊が中東ですでに機雷対策で投入中だと海軍水中塩研究センター関係者が説明した。
  2. 「ここで進行中の研究の本質は発想を実用化に変えることといってよい」とカーター長官は述べ、「ここから生まれる装備はたとえ少数配備であっても決定的に大きな違いを与えるものだ」
  3. 長官がさらに夢中になったのがブラックウィングで、これは全長18インチの無人機で潜水艦から発進し、周囲の偵察や通信用途に使うものだ。長官は同機を試験所内で飛行させたとNUWCが述べている。
カーター長官はブラックウィングUASの操作を自ら体験し、海軍水中戦研究センターの施設内を飛行させた。(DoD / Senior Master Sgt. Adrian Cadiz)



  1. 「かつて水中戦とはそれ自体で完結する場だったが、海軍は水上艦艇とつなぎ、さらに陸上部隊や空軍とも接続し、統合領域として海中、水上を一体のものとしているのが重要な点だ」と長官は述べた。だがなぜこれが重要なのか。
  2. 「わが潜水艦部隊は敵に探知されず対抗する敵がいない点で水上艦艇や航空機にない強みがある。これをどう優位に活用できるか。ここに10年前に来ていたら研究対象は水中領域だけだっただろう。だが今や水中戦が他領域での戦闘に貢献することが増えている」
  3. 「これは新しい展開で、戦略的に有意義な構想であり、実行に向け努力している中で、これまで個別に投入してきた投資をまとめて大きな効果を実現する。旧式装備で新しい性能を実現する、あるいはこれまで長期間稼働させてきた装備でも新しい性能が実現するのだ」
  4. そこで長官は施設を称賛した。正式名称は海軍海洋本部の海軍水中戦研究センターのニューポート支部で、国防技術開発の模範だとする。「国防総省にとって当施設の革新性と戦略的な意義は大きな意義がある」
  5. だが視察は楽しいものだったのか。「その通り」と長官は微笑みながら答えた。「トップとしての面倒な仕事を代行させて今日は技術を視察に来ました」
当日は長官から自然な微笑が数回となく見られた。長官は無人水上艇の実証を見ている。(DoD / Senior Master Sgt. Adrian Cadiz)


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Bradley Peniston is deputy editor of Defense One. A national-security journalist for almost 20 years, he helped launch Military.com, served as managing editor of Defense News, and was editor of Armed Forces Journal. He has written two books about the U.S. Navy, including No Higher Honor: Saving the ... Full Bio


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