スキップしてメイン コンテンツに移動

主張: 核運用爆撃機は抑止力維持で今後も有効 近代化を進めるべき


LRS-Bへの風当たりが強く、空軍関係者から以下の寄稿があったようです。抑止力のおおきな構造要素としての爆撃機の運用能力の維持向上が必要との主張です。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Why Bombers Are Key to Nuke Modernization; Think Russia, North Korea, China

By ADAM LOWTHER and CHRIS WINKLEPLECK on March 09, 2016 at 3:15 PM

B-2 with B-61 other weapons
B-2 with B-61 and other weapons
核兵器の改修事業に反対する向きは大統領選挙の行方に気をもんでいる。長距離スタンドオフ巡航ミサイル (LRSO) や核爆弾B61Mod12の耐用年数延長はじめ拡充事業を阻止する望みが消えつつあるためだ。核兵器の廃絶や段階的縮小を願う向きには残念だがオバマ大統領は核兵器改修を推進しており、2010年の新START条約の成立で共和党の支持を取り付けた際の約束を守っている。ロシア、中国、北朝鮮が一層活発な動きを示しておりオバマ政権は核兵器の近代化改修を継続している。
  1. ここに予算を投じることは税金の無駄使いではない。逆に核抑止力の維持で中心的な役割を果たす。爆撃機部隊がLRSOや B-61 Mod 12を搭載すれば、核兵器改修が目に見える効果を上げるのが一番よくわかるだろう。
  2. ここ三年で二回も米国は北朝鮮の危機エスカレーションに対してB-2やB-52による示威活動で対抗している。2012年12月に北朝鮮が長距離ロケット発射をした際、2013年2月12日に核実験を行った際だ。
  3. 当時、米韓合同演習の実施が迫り、北朝鮮は演習を核戦争準備ととらえ威嚇しつつ、1953年休戦協定は無効とまで言い切った。緊張が高まる中、B-2ステルス爆撃機2機が米本土から発進し韓国上空を飛行し、演習用爆弾を韓国内演習地に投下した。韓国空軍戦闘機の護衛つきで爆撃機は演習に参加し、緊張は緩和したが、一時的にすぎなかった。
  4. 金正恩生誕の二日前に北朝鮮が水爆実験した際には太平洋軍 (PACOM) がB-52一機を韓国に派遣した。
  5. 抑止効果は一回で完了するものではなく、正しい手段で事態がエスカレートし開戦にならないように日常から維持すべきものだ。このため、空軍がB-52やB-2を韓国へ派遣したのであり、各機が最新型の核巡航ミサイルや高精度の核爆弾を搭載していると敵側に知らせる必要がある。
  6. これが理解できなければ抑止ミッションは成功しない。PACOM司令官ハリー・ハリス大将がいみじくも言っている。「米側同盟国の韓国、日本へのコミットメントで米国に不動の決意があると示すとともに米本土防衛でも妥協の余地なしと伝えることだ」
  7. もっと大きな外交メッセージとしては米国が有するいかなる脅威にも対応する能力、意思を伝えている。北朝鮮と米国の関係が極めて複雑なため、何にもまして北朝鮮には米国が核兵器の行使を真剣に考えており、韓国防衛に責務を有していると理解させる必要がある。
  8. 核兵器の近代化とともに核運用可能な爆撃機の投入は北朝鮮に対してこちら側の能力・意思を伝えるだけでなく、その他国に対しても米国の言葉の重みを感じさせることにつながる。
  9. 爆撃機による核兵器ミッションというと都市破壊や大量殺戮の印象が強いが、このイメージがあるからこそ米国は間違いのない抑止力を確実に確保できるのだ。爆撃機は核の三本柱のひとつであり、敵対勢力にアメリカの意図を明瞭に伝えるがICBMや潜水艦発射ミサイルでは期待できない効果だ。近代化改修があってこそ大きな威力を発揮できるのであり、米国の発出するメッセージに重みがつく。
  10. 核兵器近代化や爆撃機部隊の存続に反対する向きは核運用爆撃機や兵器の近代化あるいは新型導入は不要と主張するが、厳然たる事実はかわらない。三本柱でアメリカの意思をこれだけ目に見える形で伝えられる手段は他にはない。北朝鮮がこちらの意思を試すことに執念を燃やす現状で爆撃機部隊に高性能核兵器を搭載しないでおけるだろうか。
著者クリス・ウィンクルプレック少佐は第608航空作戦センター勤務。またアダム・ロウサーは空軍工科大学高度核抑止力研究校の理事。著者の見解は米空軍、米国防総省、米国政府の公式見解や方針を必ずしも反映するものではない。


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…