中国に行くと思うのですが、技術や製品の国産化に情熱のない国ですね。使えればいい、金を出すのだから自分のものと考える傾向があるのか、消費財でも日本製の日常品が普通に売られています。航空宇宙業界では技術の盗用はさほど珍しいことではないのですが、中国はロシア製装備でさえ勝手にコピーするなど好き放題で、これだけのことされておいて、今回の司法案件を契機に米側も何らかの制裁に踏み出すのでは。次期政権の課題でしょう。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Chinese Man Pleads Guilty to Stealing US Military Aircraft Data
中国人男性が「長年にわたる」米国ネットワーク侵入で重要情報を窃盗してきたと認めた。不正に得た情報にはC-17輸送機の他ジェット戦闘機数種があると米司法省が23日公表した。
- 問題の男性は Su Bin 別名スティーブン・スーあるいはスティーブン・スービンという中華人民共和国国籍の50歳で、米国連邦地裁カリフォーニア州中央支部法廷で犯行を認めたと司法省が発表した。
- 同被告は中国に本拠を置くビジネスマンで航空宇宙分野に従事し、「軍事技術情報の窃盗という犯罪共謀行為でC-17大型輸送機およびジェット戦闘機数種関連のデータ入手」で一定の役割を果たしたと司法省発表資料は述べている。
- 資料は戦闘機の機種を明示していないが、米関係者は以前から中国機の形状が米側機体と類似しているのは米技術情報を窃盗したためだと指摘していた。
- 昨年秋の議会公聴会においてジョー・マンチン上院議員(民・ウェストヴァージニア)は成都J-20双発ステルス戦闘機がロッキード・マーティンF-22ラプターと、瀋陽J-31双発多用途戦闘機がF-35共用打撃戦闘機(単発)とそれぞれ類似していることを取り上げていた。「J-20がF-22とうりふたつであることはあきらか」とマンチンは述べ、「J-31がF-35そっくりだということもわかっている。米納税者への負担となっているのに対し強硬な対策が打てていないのはどういうことなのか。金融財政面で報復措置を取っていないのは納得がいかない」
- これに対して国防副長官ボブ・ワークは中国が「わが方の国防事業企業から情報を盗み取ったことが装備開発に役立った」のを認めたものの、「後に情報保護対策を強化した」と述べていた。
- スーは2008年10月から2014年3月にかけて中国人二名とともにカリフォーニア州オレンジ郡のボーイング社施設でコンピュータ侵入を実行し極秘軍事情報を盗み取り、中国へ送付したことを司法取引で認めている、と司法省報道発表が述べている。以下は同発表の引用。
「共同謀議としてスーは電子メールで対象とする個人、企業、技術内容を共犯者に指示してコンピュータ侵入を図った。共犯者の一名は米企業所有のコンピューター内の情報に到達し、スーにディレクトリーファイルのリストおよびフォルダー各種を電子メールで送付し、入手できるデータの種類を示した。同共犯者がデータ窃盗に成功し、ハッキング対象のコンピュータで逆探知を逃れる手法を使うと、スーが内容を中国語に翻訳した。さらにスーおよび共犯者はそれぞれハッキングで得た情報や技術内容について解説、編集の上で電子メールでハッキング活動を命じた最終受取人に送付している」
- スーはカナダで2014年7月に逮捕され、本年2月に米国移送に同意したと司法省資料は述べている。最大5年の実刑判決および罰金25万ドルまたは犯行被害額の二倍相当額のうち金額が大きいほうの罰金刑となると司法省は述べている。判決は7月13日に言い渡される予定。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。