2016年11月28日月曜日

主張 トランプ新政権の南シナ海問題への取り組みに期待


アジア太平洋特に対中国問題でオバマ政権が8年という時間を空費してしまった以上次期政権にはいきなり期待が高まります。米国には中国の意図を正確に理解できる人材もありますので、政治トップの価値観が今後重要になります。その意味で徐々に出てきた新政権人事を見守りましょう。

The National Interest


Donald Trump's South China Sea Challenge: 4 Ways America Can Push Back Against China

November 25, 2016


次期大統領がホワイトハウスで仕事を始める初日から世界中の問題が肩にのしかかってくる。イスラム国、ロシアとの緊張、シリア内戦で新政権は直ちに手を打つ必要がある。それだけではない。上記課題より他年度に渡るジレンマは世界規模の難題、中華人民共和国による挑戦だ。
最大の課題
米中関係の緊張要因は色々あるが、重要なのは一つだけ、中国政府が米国の様子をうかがうことは不要と判断しアジア太平洋におけるアメリカ主導の国際秩序を拒否していることだ。中国の意図はアメリカをアジアから徐々に追い出すことにあり,代わって世界で一番経済成長が著しい地帯を支配することなのは明らかだ。
中国関連の諸問題にはトランプには経済軍事課題とともに日本へ東シナ海問題で圧力をかける事、台湾との緊張など多々あるが、新政権の外交手腕・戦略観が試されるのは何と言っても南シナ海だ。
南シナ海の重要性
南シナ海を「アジアの煮えたぎる大釜」と呼ぶのは理由がある。5兆ドル超の交易が同海域を通過し、うち1.2兆ドルは米国製品である。経済大国の日本、韓国、中国に必要な資源の航路もある。南シナ海の支配者がアジアを支配する。中国が人工島、軍事施設を建設し、領有権を既存事実にしようとする理由は将来の支配権を一発も銃弾を撃たずに実現することだ。
ではなぜ現政権は中国の南シナ海進出に反対しなかったのだろうか。アジア重視を2011年に打ち出したオバマ政権は出だしから問題に直面していた。国内の財政問題に加えて多発する世界各地の問題に貴重な資源を費やし重視は口ばかりになっていた。
現状維持につながる行動とは
トランプ新政権は振り出しに戻って南シナ海では自由にさせないと中国に悟らせるチャンスが生まれる。
以下南シナ海戦略で4つの課題を提起したい。新政権は各課題を容易に実施し、中国が同海域を支配するのを防げるはずだ。
その一 勇気をもって事実を認識すべき 
新政権は中国が既成事実を捻じ曲げようとしている事実を認め、これを白日の下にさらすべきだ。トランプ政権は中国が乱暴な動きをはじめれば公然と挑戦するだけでなく中国が米国に公然と歯向かう大国であると認定すべきだ。
上記は当たり前のことだが、オバマ政権はお上品に振る舞おうとして口をつぐんだことで逆に弱みを露呈している。中国に「悪の帝国」のレッテルを貼る必要はないが、北京が南シナ海でどんな意図をもっているのかは正確に把握しこれを認識するべきだ。
その二 最高の人材をそろえろ
トランプが政権にどんな人材を抜擢するかでアジア内の米同盟諸国や協力国は米国の真剣度やアジア太平洋の外交面での位置づけを理解する。
言われるようなランディ・フォーブスの海軍長官人事は良い出だしになる。もっと重要な職位での人選も必要だ。ジム・タレント元上院議員が登用されれば中国問題に通暁しており優れた選択になる。ミット・ロムニーが選択されればトランプは政敵とも一緒に働けることを示すことになり、特にアジアでは本人の性格と政務は別だと印象づけるだろう。
その三 できない約束はするな 
オバマ大統領はアジア各国の指導層に動揺を与えたのは、シリアで化学兵器が投入されれば「赤い線」を超えると警告しながら、実際に使用されても何もしなかったためだ。またアジア各国はアサドが自国民を化学兵器で攻撃しても怒りを表明せず、国際法違反だとも騒がなかった。実はアジア各国はアメリカがいざというときに救援に駆けつけてくれないのではと恐怖を覚えたのだ。例えば中国が台湾を攻撃するとか、東シナ海で兵員を上陸させる事態を想定している。台湾外交官がいみじくも昨年こう筆者に話しかけてきた。「トランプには守れない約束はしてもらいたくない」
その四 長期戦を覚悟せよ
中国の野望は南シナ海だけでなくアジア全部の支配であり、単独政権の任期を超えた長期にわたる課題となる。中国の学識経験者、政府関係者、現役軍関係者と話すと、この数年間いつも同じ考え方が垣間見えてくる。アメリカには中国に対抗する意思も忍耐力も戦略的な観点も全部欠如していると見られている。習近平主席率いる一派は米国の退場を待てば良いと見ているようで、中国に有利な状況だ。新政権は戦略面で成功を目指すなら、これは一年二年で解決するような課題ではないと覚悟すべきだ。トランプ政権の任期全部さらにその先までかかる規模の話だ。■
Harry J. Kazianis (@grecianformula) is director of defense studies at the Center for the National Interest, founded by former U.S. President Richard M. Nixon.


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