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★トランプの外交政策で国際秩序はこう変わる



現時点でトランプ候補はあと数名で勝利、クリントン候補は結果を受け入れられず敗北宣言を拒んでいます。米国民が下した審判は明らかです。民主国家として結果を受け入れた上で新しい思考の指導者を迎え入れ、21世紀型の国際秩序を作り上げるべきなのです。既得権に目を奪われた層は悲惨な目にあうでしょうが、未来を創るという観点で新しい歴史が始まります。

Trump’s Foreign Policy Could Change the Entire International System

NOVEMBER 7, 2016

先週のことだが、ブルッキングス研究所で米外交政策を専門とするトーマス・ライトがツイッターで米大統領選挙で大胆な書き込みをした。「ドイツの1932年国政選挙に次ぐ重要な選挙になる」とし、アドルフ・ヒトラーの台頭を許したドイツ事例に言及している。「この選挙ほど国際秩序を崩す結果を産んだ選挙はかつてなかった。世界経済や地政学でも同じだ」

選挙戦ではドナルド・トランプの外交政策観を一貫性がない、知見がないとの批判が相次いだが、ライトはこの点を真剣にとらえイデオロギーと歴史の観点から考察している。ライトはトランプの誇張気味の発言(「オバマがISISを生んだ)とトランプの固有の信念は分けて考えている。トランプの公的発言で国際関係に関するものを1980年代から眺めたライトはトランプは一貫した世界観を有しておりアメリカが超大国になってからの主要政党の大統領選挙候補の中では他に匹敵する対象がない存在と結論づけた。

トランプの孤立主義には3つの構成部分があるとライトは結論づけた。1)米主導同盟関係への疑念 2)自由貿易への反対姿勢 3)権威主義 だという。ライトの見方ではこの3つをトランプ政権が政策に反映すれば、リベラルな国際秩序として第二次大戦後に米国が作り上げた秩序が崩れる。これに対してヒラリー・クリントンの方が従来通りの大統領候補路線であり、秩序維持を掲げている。では本選挙前日になりライトはなぜ1930年代と比較するのか。

だがそこまで深刻な結果になるのだろうか。Googleの検索結果から「生涯最大に重要な選挙」は四年ごとにやってくるのはがわかる。クリントン支持派がトランプ当選で終末の日が来るとまで行っているのと比べるとトランプ指示派はクリントンが当選した場合について遥かに穏健な言い回しをしている。選挙の「重要性」とは政治上の力の行使だ。さらに「米主導の国際秩序」とは具体的には何を意味するのだろうか。なぜそれを温存することに価値があるのか。こういった疑問をライトにぶつけてみたところ、トランプの世界観についてこれ以上のものはないという説明を聞くことができた。またトランプ政権で世界がどう変わるかも理解できた。以下ライトとの対話から一部編集した上で再録する。


ツイッターで世界にとって1932年のドイツ総選挙に次ぐ重要な選挙としたが、理由は。

ライト:まずトランプをナチ・ドイツと同じとは言っていない。だが過去のドイツ選挙結果は世界大国の行動に大きな影響を与えた。今回の大統領選挙で特徴的なのはトランプには米外交政策で従来とは違う見方があることで、世界でのアメリカの役割でも同様で、米外交政策が劇的に変わる可能性がある。世界はアメリカの国力と意向を中心に編成されているので、大きな混乱が発生するだろう。そこで歴史を遡り現状維持の動きをひっくり返した選挙を見てみた。明らかに当時のほうが深刻な結果を産んでいる。

20世紀にはアメリカでも重要な大統領選挙があった。フランクリン・ローズベルトやハリー・トルーマン、ドワイト・アイゼンハワーが今日の国際関係を形成してきたのではないか。またソ連崩壊後に初めてロシアが1991年に実施した自由選挙があった。2000年の大統領選挙ではジョージ・W・ブッシュが当選し、イラク戦争に踏み切っている。米ロ二大大国だけでもこういう事例があるが。

ロシアの例はさておき、米国のこれまでの大統領選挙ではすべて米戦略、米外交政策の枠組みの中に留まっている。二大政党が合意した範囲内だった。たしかにトルーマン以降は米国のグローバルな役割、同盟関係、秩序を守るための制度、冷戦時はソ連封じ込めで合意形成されていた。実施面では差異があったが中核的な原則では合意されていた。

今回の大統領選挙は想定がなかった可能性を選択する機会で、一方が従来通りの戦略と秩序を引き続き堅持すると主張し、他方がすべてをひっくり返し、ぜんぜん違う可能性を実施すると言っている。第2次大戦前にもどれば当時の大統領候補はトランプと同じ主張を外交政策で主張していた。つまり孤立主義だ。

トランプ外交を一言で言うとどうなるか。また従来と異なるのはなぜか。

トランプがまだ観点を固めていない分野がたくさんあるし、一部矛盾もあるが、中核は本人のこれまでの経験に基づく理屈抜きの信念でその点ではぶれはない。まずトランプは米国が構築してきた同盟関係に反対している。次に自由貿易に反対し、むしろ重商主義国際経済の仕組みを支持する。三番目に、本人は権威に基づく秩序が大好きで、特にロシアに親近感を覚えている。この3つは1980年代から本人が主張し続けており、政治面で代償を払いながらも一貫して主張している。

問題は当選後に主張を緩和するのか放棄するのかだ。70歳という本人の年齢を考えると30年間ずっと同じ信念を抱いていながら、いきなり別方向に変わる可能性はないだろう。

今触れた3つの信念についてもう少し説明願う。まず米主導の同盟関係への反対だ。根拠は何か。
1987年に本人が掲載したニューヨーク・タイムズ、ボストン・グローブ、ワシントン・ポスト三大紙の全面広告がある。米外交政策、国防政策で意見を述べている。日本、サウジアラビア他への不満が表明し、米国には各国防衛の義務があるのに各国は米国を利用して自国防衛の費用負担を軽減しているというものだった。同じ事を何度も取材で答えており、今回の選挙戦でも前面に出ている。

だがトランプが各国に負担増を求めるのか、同盟そのものを廃棄するつもりなのかが問題だ。私自身は全面廃棄に傾くと見る。理由はいくつかある。まず本人は米国にはアジアへの軍事的関与に戦略的な権益はないと主張している。NATOの当初の役割は陳腐化したとも発言している。そうなると米軍の前方配備にも意味がないと言いかねない。また他国が支払えば米国も対応すると言っている。支払いを口にすると他国もGDP2パーセント相当まで負担増すべきと言っているのかと思いがちだが、実はトランプが費用というときは米軍プレゼンス維持の費用を言っているのだ。太平洋軍司令部を維持する費用であり、第7艦隊を日本や韓国に配備する費用であり、米陸軍を欧州に駐留させる費用だ。また各同盟関係維持のために米国が負担する費用を数兆ドルと講演で述べている。数兆ドルというと数千億ドル規模を何年も続ける規模だ。

ドイツや日本へ行って年間数千億ドルの負担を要求すれば、各国の財政負担を超えるし、従うこともできないだろう。そうなれば米国の安全保障を一方的に凍結するか各国支援はできないと口実になる。1980年代から米国がクウェートを防衛するのなら同国の石油利益の25%を米国に支払うべきと発言している。米国の庇護があって初めて存続できるのがクウェートだとまで言っている。これは米帝国主義の論理だ。オバマ政権の費用共有発言とこれを混同していなならない。この2つは質的に全く異なる。

では二番目の重商主義敵経済制度とはどういう意味なのか。

本人は自由貿易に反対していないと言っているが、米国の貿易協定内容を本人が支持したとの記録はない。「どんな大統領になるのか」と聞かれて本人はレーガンとは異なると答えているのは、貿易政策が理由で、19世紀末や20世紀初頭のように経済を考えているようだ。貿易協定に反対した実績があり、関税等制裁措置を口にしている。メキシコ系住民からの本国送金を止めるとか、経済的な圧力を加えるといっている。貿易協定には反対と言いつつ、アメリカに有利な内容なら「公平」に対応すると言っている。これが重商主義の定義だ。

三番目の権威主義への傾きとは。その根拠があるのか。

1990年から本人はロシアへ数回旅行し、当時のゴルバチョフに失望し、弱い指導者との印象を持った。ゴルバチョフが中国の天安門事件と同様の行動を取れるかとの質問に、強い力を見せつけるのが肝要と答えているその後、本人は専制主義指導者をたたえている、今年の選挙戦では金正恩やサダム・フセインを口にしている。民主主義の重要性や海外でのイベラル主義の意味については全く口にしていない。

プーチンの資質についても同様だ。世界政治の舞台ではロシアについてなんでも批判的に発言するのが一番無難だ。だが本人はプーチンの人格について批判的な発言もしておらず、ロシアの現体制やロシアの外交政策でも同様だ。ロシアを批判しないことで政治的な代償も払い、自身の信念を示している。自身を強い男性だと信じ同様に強い相手とやりあうことを望んでいるようだ。世界を仕切ることであり、米国の立ち位置を確保することだろう。国際秩序の悲惨さや民主主義の脆弱さよりもそちらを優先する。

ロシア寄り、プーチン寄りの姿勢は本人が好む専制主義的傾向が理由なのか。

ある程度まで本人の価値観は専制主義にあるが、同時に米国がNATO構成国としてヨーロッパに駐留する理由はないと見ており、ヨーロッパはロシアからの防衛を自分ですべきと見ている。背景に同盟各国を良く思っていないことがあるのだろう。プーチンはこのことを口にしており、「ロシアができるのになぜこちらがしなくてはいけないのか」というようなものだ。

本人の世界観は一貫していると思う。一度もこの点で疑念を呈していないからだ。各戦略や韓国、その他で技術的な疑問をもっているが本人には方向性は認識されている。

この点を過小評価している。本人は三十年間一貫した発言をしている。トランプは勉強不足との批判があるが、たしかにそうだ。だが厳密に言うと自分の信念を重視するあまりおかしな発言をして笑いものになることがあるが、真意は自分なりに深く長い間考えた結果であり、自分自身で実証済みの考えだと思っている。

同盟関係の軽視、重商主義的経済観、専制主義好みの三点から見ると第二次大戦後の大統領候補で類似の例はあっただろうか。

思いつかない。一番近いのは1992年のパット・ブキャナンだが、候補指名を受けていない。1940年代末のロバート・タフトは戦前の継続の色彩が強いものの、もっと均衡のとれた考え方をしていた。専制主義とはいえず、重商主義でもなかった。同盟関係には反対していたが、政治的には主流派だった。比較なら1940年代のチャールズ・リンドバーグではないか。

ただし同じような主張は長い間残ってきた。今回は政界がこういう主張を封じていないことだ。いかに過激と思われても一定の限度内での話だった。トランプは初めてその制約を乗り越えている。また政界の主流派なら望ましくない・無責任と言われたくないため選択を躊躇するのにトランプは寝た子を覚ましてしまった。

今年の選挙では「米主導の国際秩序」の言葉がよく聞かれる。「ドナルド・トランプも第二次大戦後の米主導国際秩序で国際平和と繁栄が続いた事実を受け入れるのでは」との期待があり、筆者もそう書いたが、よく考えると理解しにくい用語でもある。この言葉の意味をどう捉えているか。

その意味として一般には1940年代末に創設された制度で米国の加わる同盟関係であり、世界各地の前方配備軍事基地であり、開かれた西側経済であり、いまや開かれた世界経済であり、各種取り決めの仕組みで不完全ながら国家の動きを統制するものだ。総合すれば、1991年までは西側で機能していたが、その後グローバル規模に拡大され、まだ完全にグローバルではないが、今日の世界政治を構成する原則だ。またこの秩序はアメリカの国力と外交政策が基礎であり、各国がこうあって欲しいと願うものだが、米国が脱退すれば維持継続は困難となる。米国が抜けたNATOが今のまま続けられるか極めて疑問だ。

トランプはこの秩序の中心部分を解体して事態を危機に陥らせるだろう。ヨーロッパやアジアの安全保障体制は変更となる。グローバル経済も変化する。トランプが主張を退けて共和党主流派の外交プロを閣僚に迎えれば、そうはならない。だが本人の言葉通りなら実現の可能性はある。

そこで1930年代との類似性が出てくる。現在の秩序は1940年代末前には存在せず、1930年代から40年代にかけては大戦争の時代だった。秩序が崩壊したのが1930年代であり、東側の秩序はひと足早く1989年から1991年に崩壊している。

米大統領が一方的に義務を放棄する事態は考えられるのか。議会には超党派コンセンサスに執着する議員が多数いるはずだが。

残念ながら可能性はある。理由はいろいろある。まず大統領制について回る抑制と均衡は国内政策に適用される。外交政策ではさほど効力がない。一部あるが、宣戦布告など限定的なもので近年は減衰している。一般的に大統領の外交面での選択肢の幅は広い。トランプは国内政策で行き詰まり、外交政策に目を転じる可能性がある。なぜならそここそ本人が留意する分野であり、行動の自由も大きいからだ。

二番目に公約で何かをする代わりに実行しないとしている。同盟各国が支払いに応じなければ同盟関係を反故にするとまで言っている。議会は条約解消をさせないように動けるが、議会から自身ガイジの価値がない同盟の維持を求められるおぼえはないし、バルト沿海諸国がロシアの攻撃を受けた場合でも米国が開戦に追いやられることはなく、あるいはバルト沿海諸国を訪問することもなく、NATOの第五条で各国が防衛されているということもないとする。なにもしないことで逆に達成できることがあるのだ。

同盟関係のよりどころは抑止力だ。攻撃を受ければ軍事支援に駆けつける公約は効果がある。これを定めたのがNATOの第五条規定だが、内容はあいまいだ。第五条ではいかなる妥当な方法でも攻撃を受けた加盟国を助けに行くとしている。だが次代大統領が「これを侵略国を強く譴責することと解釈する」と言い出す可能性がある。トランプはバルト海諸国防衛のため対ロシア戦を始める義務はないと見ている。一度この点を疑問にすれば、抑止力の意味が全体として変容してしまう。

国際秩序が変わることでアメリカの日常生活も同時に変わるだろうか。

現在の前提を可能としてきた仕組みを解体すれば世界各地で悪影響が発生し、一部は終焉を迎えるだろう。だが確証はない。同盟関係が明日解体されても、ロシアがすぐにバルト海諸国になだれ込むと断言できないだろう。確かに歴史事例からこう考えることは可能だろうし、他国の意図を評価する必要はある。

だが今後10年を超える期間に渡り、世界が一層危険な場所になりそうで、国家間紛争が発生する可能性が増えるだろう。また修正主義も台頭するだろう。既存国境線を変える動きや自国の利益だけを考えた保護主義も発生するだろう。安全保障面では競合が増えて、米国も脚を引っ張られる可能性がある。仮に米国がヨーロッパを支援しない、アジアから手を引くといえば、20世紀初頭の歴史のようにものごとの収拾がつかなくなり米国も悪影響を受ける。

またグローバル経済も急降下するだろう。深刻な不況が発生する。なぜなら米国がグローバル経済の開放度を裏書きしなくなるからだ。トランプの立場では米経済を好況にするために他国を悪化させることになる。だが戦後70余年の経験から見れば反対だ。米国並びに各国の経済を好況にするためにこそ、グローバル経済がうまく運営されなければならない。

米国が主導しないと国際秩序は本当に崩壊するだろうか。NATO、国連、世界貿易機関等々が米国不在で機能を失うだろうか。

誰かが重荷を担わないといけないとしても手を挙げるものがいるだろうか。1990年代や2000年代中頃にはヨーロッパが重荷を負担する、中国がもっと開放的な国家になり秩序を維持するとのもっともらしく聞こえる話をしていた。だがこの五年ほどでヨーロッパの分断は進行し弱体化し、世界問題に関わる余裕がなくなり、一方で中国は一層専制国家になった。米国の関与以外に他の選択肢はないし、しなkれば米国以外の国が手を上げてくるだろう。米国が関与を深めれば、他国もパートナーとして一層の負担をしてくれるだろう。

他国の義務を論じることで注意がそらされそうだが、大事な点は我々は他国に何を期待しているのか、という点だ。ヨーロッパはもっと負担が必要だと言うのは良いがあくまでも現実的にだ。米軍がヨーロッパから完全撤退したら例えばフランスはどうなるか。フランスが今以上に国際的に関与する国、リベラルな国になる可能性もあるが、右よりになり国民戦線のマリーヌ・ルペンが大統領に当選する可能性の方が高い。するとフランスに国粋主義の政権が誕生してしまう。もし米国が抜ければ、国内事情が悪化する国が多数あり、各国は警戒し保護主義に傾き、もっと国家主義に走るだろう。

この秩序体制を米国は主導していけるのだろうか。

最重要なのが同盟関係だ。安全保障の仕組みを通常兵器や核の傘で支え、北東アジアやヨーロッパで一定の確実性を提供し、地政学上の事実を作り上げることだ。また軍事的に現状維持を変更することを困難にしておくことだ。経済面では海上交通路を開かれた形にし、開かれたグローバル経済体制を資本の自由移動、一定の規則の下で運用することだ。貿易面ではWTO他多数の多国間関係は米国が一方的に手を引けば運用不可能となるだろう。

価値面では米国、ヨーロッパ、アジア一部民主国家がそれぞれ民主体制を支持し人権含む基準を維持すれば大きな効果が生まれる。

現状で秩序はどこまで有効だろうか。フィリピンやトルコとの米同盟関係はここにきて弱体化している。ニューヨーク・タイムズは自由貿易を支持する機運の中で世界貿易は減少傾向と指摘している。ヨーロッパの連帯は英国のEU脱退投票結果で揺らいでいる。秩序は米国の主導下でも空中分解しているのではないか。

課題はあるが、制御可能だと思う。歴史の観点では米国や同盟国、さらに同様の目標を共有できる国と一緒に対応できる範囲にある。金融危機を経て経済環境が悪化している中でナショナリズムが強くなっているが、最悪の場合と比較すればこれでもまだ穏やかな方だと思う。■



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