中国はJ-20に搭載し、米軍支援機材を超長距離から狙う構想でしょうか。記事にあるように正確な識別・標的ができなければ意味がないのですが。
New Chinese Air-to-Air Missile Could Hit U.S. Jets Before They Can Shoot Back
This is one fearsome rocket
by DAVID AXE
中国軍が新型超長距離空対空ミサイルを試射したようだ。報道どおりなら米軍ミサイルの有効射程の二倍の距離から米軍機を狙い、米側は反撃できなくなる。
- この新型ミサイルが中国空軍J-16戦闘機主翼下に搭載された写真が11月に出回った。このJ-16が試射し飛行標的に命中したとされる。
- 中国が空対空ミサイル開発を急いでいることは知られているが今回の超長距離空対空ミサイル(VLRAAM)は唐突に登場してきた。その呼称さえ不詳だ。
- 同ミサイルの技術詳細はなかなか出ないだろうが、中国情報で外寸だけは推定できるし、性能も推定可能だ。写真ではVLRAAMはJ-16全長のほぼ三分の一に匹敵しており、全長20フィート、直径1フィートと推定できる。
- いずれにせよ、同兵器は米軍で最長の有効射程を誇るAIM-120高性能中距離空対空ミサイルを上回る規模だ。AMRRAMは12フィート長で直径7インチにすぎない。最新型のAIM-120Dでも最大有効射程は90マイルといわれる。
- この中国製新型ミサイルに匹敵するのがロシアのK-100ミサイルだが開発はほぼ25年間凍結のままで、理論上は200マイル先の標的を狙うという。
- これだけの長射程を実現するため中国製VLRAAMには強力なロケットモーターが搭載され、「極超音速」となるマッハ6で飛翔すると伝えられている。これはAIM-120Dの1.5倍の速度だ。
- 高度50千フィートを飛ぶ戦闘機から発射し同ミサイルは100千フィートまで達し、薄い大気を100マイル以上滑空移動し、目標へ降下するはずだ。
- さらにVLRAAMにはアクティブ電子スキャンアレイ方式のシーカーともに予備として光学方式の衛星誘導装置がついているという。とすれば空対空ミサイルとして高度技術製品となる。AIM-120Dは旧式で効果が劣る機械駆動式レーダーを搭載している。
- 超長距離ミサイルは正確な標的捕捉がなければ無用の長物だ。空域に敵味方織り交ぜて飛行しているとすれば正確に敵機だけを識別する必要がある。
- この識別問題のため米海軍はAIM-54フェニックス長距離空対空ミサイルを実戦で投入することをためらった。海軍は同ミサイルを2004年に撤去し、かわりに安価なAMRAAMを導入した。
- 中国軍はこの識別問題に取り組んでいる様子でDivine Eagle神雕無人機を高高度飛行させ標的識別ネットワークを構築しているといわれる。この無人機から標的情報がVLRAAMを搭載した戦闘機に伝わり,おそらくデータリンクを介しミサイル本体にも情報が入るのだろう。
- 概念上は中国のセンサー・シューターネットワークは米海軍の海軍統合火器管制対空ネットワークNIFC-CAと類似しており、センサー搭載機材と戦闘機、戦闘艦船をつなぎ、AMRAAMや艦上防空ミサイルを運用する構想だ。NIFC-CAは空母戦闘群に2015年に導入済みだ。
- 米軍は空中発射兵器では遅れをとっており、ペンタゴンはAIM-120D以後の新型長距離空対空ミサイルの開発は未着手のままだ。
- 米側はセンサー・シューターネットワークの稼働開始で先行しているが、今回の中国の試射が示すように中国が長距離運用可能な兵器を先に実用化すればネットワークの利点で有利になってしまう。■
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