難民流入に困るヨーロッパの対策は漁船の破壊か




Europe Weighs Bombing Migrant Boats

By Tom Kington5:10 p.m. EDT May 2, 2015

635660006467741120-470973252(Photo: Dan Kitwood/Getty)
ROME —ヨーロッパ指導層の間で異例の軍事作戦を実施すべきか慎重な検討が続いている。不法移民が乗り込む前に小舟艇を攻撃する案だ。.
検討はリビアの密輸業者が700名もの移民を地中海で溺死させたことがきっかけだ。
4月18日に発生したこの悲劇で密輸業者取締りの機運がヨーロッパ各国で高まった。昨年だけで17万人がリビアからイタリアに送られ、戦争と貧困を逃れヨーロッパを新天地にしようと押し寄せている。
漁船が過積載で転覆する事件は多発しており、ゴムボートも海上で空気が抜けることがある。今年だけで溺死した犠牲者は1,600名にのぼりっており、昨年の死亡3,400名を超えるのは必至だ。
世論に押されたEUは海上捜索救難活動の強化策を打ち出し、「違法業者が使用する舟艇の捕獲・破壊活動を体系的に行う」としている。
EU首脳部は4月23日緊急会合を開き、密輸業者排除の方法を検討する点で合意した。あるいは英国のデイビッド・キャメロン首相がいうように、「ギャング壊滅」に向かうかもしれないが、イタリアのマテオ・レンツィ首相は「小舟艇の捕獲・破壊」を述べている。
イタリア国防相ロベルタ・ピノッティ Roberta Pinotti は「密輸業者がどこにボートを置いているか把握しているし、集結地点もわかっている」とし、「そこに軍事作戦を展開すべきだ」
イタリア国防筋によればイタリアは無人機でリビアで人身密輸業者を監視しており、活動状況を把握しているという。リビアではNATO空爆でカダフィが2011年に権力を失って以降無政府状態になっている。
英仏両国は国連安全保障委員会決議をもってリビア領海内で行動を開始したいとするが、EU外相フェデリカ・モゲニ Federica Mogherini が4月28日に国連本部を訪問して打診している。
外部筋によれば小舟艇攻撃のタイミングがリスキーだという。業者が地元漁船を調達し、移民を乗せるまでに実施する必要があるのだ。
国連事務総長潘 基文 Ban Ki-moon が早速異議を唱えた。攻撃案は「妥当性を欠く」というのだ。「漁業収入はリビアに重要だ」とし、「漁船を攻撃すれば同国民の経済に広範な影響が出る」
ただ総長もリビア内戦終結の政治的解決策に「ほかに選択肢がなく」密輸業者を一掃する方法がないことを認める。
ただイタリア空軍トップをつとめたレオナルド・トリカリコ退役大将は軍事攻撃作戦を強く支持しており、UAVから発射する兵器で小舟艇を攻撃するのは「簡単」だという。「イタリアにはリビア情報は豊富にある」
イタリアのリビア国内情報源は石油と貿易上のつながりによるもの。
イタリアが運用するUAVは偵察用だけだが、トリカリコによればイタリア空軍は武装無人機の運用訓練を行っており、作戦実施の場合は米国から借り上げればよいという。
付随的被害を回避するため、精密誘導不活性弾薬の使用を同大将は提言する。これだとボートに正確に穴をあけても爆発させることはない。

ただしこれに対して別の意見を表明するイタリア軍の退役司令官もいる。密輸業者からボートを取り上げるのは実効性がないというのだ。
「どこまで事前に作戦を立ててもあくまでも外国領土内で軍事力を使うことになるのです」とヴィンチェンツォ・カンポリーニ退役大将 retired Gen. Vincenzo Camporini (前参謀本部長、現在はIAI副社長)は言う。
「さらに精密誘導兵器を民間に向けて使用するには地上で誰かが誘導しないといけませんが、実施は考えにくいですね。人間の盾の問題もあります。さらに米国がUAVを貸与してくれるとは思えません」
カンポリーニによれば唯一の解決策はリビア政府の実効支配の回復だという。「ただし部族レベルで分裂している現状からこれは考えにくく、リビアが第二のソマリアになるかもしれない」という。
「軍事的には効果があるとはいえ、空爆は政治上は全くの愚策」だという。■


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