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最新の中国軍事力レポート(DoD)からPLANにハイライトするとこうなる。各種艦艇の整備が進み、PLANは世界最大の海軍となった。報告書は中国海兵隊にも注目。中国の視点がグローバル規模に拡大するのに呼応か。

 

DoD報告書ではPLAN艦艇面の整備状況よりも中国版海兵隊の拡充を注目している観があります。



国防総省(DoD)から今年版の中国軍事力並びに安全保障上の進展に関する報告書が公開された。一般には中国軍事力レポートと呼ばれる。最新報告は中国海軍の艦艇数が355隻と世界最大規模になったと評している。また報告書では人民解放軍の戦力整備の成熟化に注意喚起し、深刻な脅威だとしている。

 

報告書はPRCの国家戦略が進化を続けており、戦略目標としてのPLAの防衛方針、軍事戦略を解説している。またPLAの軍事装備近代化、改革の大きな流れにも触れ、PRCの目指す地域大、世界大の目標を解説している。

 

今回の報告書ではPLAが長距離兵力投射能力の整備を全ドメインで進めていること、とくに宇宙、宇宙対抗作戦、サイバー能力のほか核兵力の大規模拡張を狙っていることに触れている。


 

 

では同報告書が人民解放軍海軍(PLAN)についてどう伝えているか見てみよう。

 

人民解放軍海軍(PLAN)は数の上で世界最大規模の海軍部隊となり、戦闘艦艇は355隻のうち水上戦闘艦艇は145隻を数える。2020年時点でPLANには多数の近代的な多任務艦多数がある。近い将来、PLANには長距離精密攻撃の実施能力が整備され、潜水艦や水上艦からの巡航ミサイルによる対地攻撃が可能となる。またグローバル規模での兵力投射能力も実現する。PRCは対潜戦(ASW)能力の整備を進めており、自軍の空母部隊や弾道ミサイル潜水艦の防御態勢を強めようとしている。

 

PLAN主要部隊の展開状況

 

その他報告書ではPLANについて以下ハイライトしている。

  • PRCの初の国産建造空母は2019年に進水し、レンハイ級巡洋艦も2020年初頭に進水した。PRCは国産空母二号艦の2024年就航を目指している。

  • 2020年、PRCはYushen 級強襲揚陸艦(075型LHA)二号艦を進水させた。三号艦も2021年1月に進水した。

  • 潜水艦、水上艦艇から巡航ミサイルを発射し長距離精密攻撃を加えることでPRCはグローバル規模の兵力投射が可能となる。PRCは対潜戦装備の拡充も進めており、PLANの空母や弾道ミサイル潜水艦の防御訓練も展開している。

 

PRCによる2019年度版国防白書はPLANが近海防衛ならびに外洋への兵力投射を重視する戦略要求事項に焦点をあてており、「従来の近海防衛重視から外洋での任務遂行に必要な措置に軸足を移そうとしている」とある。

 

PRCが目指す目標は「強力かつ近代的な海軍戦力」の実現であり、その中でPLANは旧世代装備に代え新型かつ大型で多任務に対応可能な装備を導入しつつある。2020年時点でPLANは大部分が近代艦艇となり、高性能対艦、対空、対潜兵器やセンサー類を整備している。PLANは同時に海上共同作戦を重視しており、PLA内部の各軍との統合も図っている。PRCが海洋ドメインを重視しているため、PLANにも中国本土から遠く離れた地点での運用への要望が高まっている。

 

PLANは艦艇、航空機の運用のため装備導入、訓練を展開しており、PLAN海兵隊(PLANMC)がPLANの隷下にある。2020年、PLANは構造改革をさらに進め、PLA司令部は作戦統帥をPLA合同戦域司令部に任せることとした。PLAN司令部は組織運用、人員配備、訓練、海軍装備の導入に専念することになった。

 

戦力構造

 

PLANは約355隻を運用する世界最大規模の海軍部隊となった。水上艦、潜水艦、空母、揚陸艦、機雷戦艦艇、補給艦までをそろえる。これ以外に巡視戦闘艦艇85隻があり、対艦巡航ミサイル(ASCMs)を運用する。2025年には420隻に増える見込みで、2030年に460隻になる。増加分は主に主要水上艦艇だ。PLANの戦力構造は三つの艦隊を構成し、これと別に潜水艦戦隊、水上艦部隊、航空旅団、海軍基地がある。PLANの北方戦域海軍は北方戦域司令部の隷下にあり、東部戦域海軍は東部戦域司令部の隷下、南方戦域海軍は南方戦域司令部の隷下にある。

 

潜水艦部隊

 

PLANでは潜水艦の近代化を優先事項とするものの、潜水艦部隊の増勢はかなりゆっくりとしているものの、戦力の成熟化をめざし、新技術を導入し、造船施設の拡充を進めている。PLANには原子力推進弾道ミサイル潜水艦(SSBNs)が6隻、原子力推進攻撃型潜水艦 (SSNs)6隻のほか、ディーゼル電気推進式攻撃型潜水艦 (SSs)が46隻ある。PLANの潜水艦部隊は2020年代を通じ65から70隻程度になり、旧型艦を廃止するたびに新型艦を導入する。

 

PRCは通常型潜水艦ながら高性能対艦巡航ミサイル(ASCMs)の運用能力の整備を進めており、2000年代にPLANはロシアからキロ級SS12隻を調達した。このうち8隻にASCM運用能力が付与されている。中国国内の造船所から宋級SS(039型)13隻、元級ディーゼル電気推進艦 (SSPs) ( 039A/B型)17隻が引き渡されている。PRCは2025年までに元級は25隻以上建造するとみられる。

 

これまで15年にわたりPLANは原子力潜水艦12隻を建造した。商I型SSNs(093型)2隻、商II型SSNs (093A型)4隻、晋級SSBNs (094型)6隻で、この晋級は中国の海中核抑止力としてはじめてまともに機能したもので、各艦はJL-2SLBM12発を搭載する。2019年に、PRCは建国70周年の軍事パレードでJL-2が稼働可能であることを誇示した。次世代のSSBNが096型で2020年から建造を開始したようで、新型SLBMを搭載する。PLANは094型096型のSSBNを同時に運行すると見られ、2030年には8隻を常時運用するとみられる。習近平主席が2018年に出したSSBN部隊の「強力な拡大」を実現するものだ。

 

2020年代半ばまでPRCは093B型誘導ミサイル原子力攻撃型潜水艦を建造すると見られる。商級の派生型でPLANの対水上艦攻撃能力を補強し、LACMsを搭載すれば気づかれずに対地攻撃を実施する選択肢となる。PLANの対潜能力向上として水上艦艇や専用機の整備があるが、まだ深海度での対潜戦(ASW)能力が不足したままだ。PRCではASW装備の拡充とともに訓練によりPLANの空母や弾道ミサイル潜水艦の防御をめざしている。そのためPLANはSWを重視することで広義の海洋運用能力が拡充されるとしており、本土付近の海域の防御とともに西太平洋やインド洋へのアクセス確保を目指している。

 

水上艦艇

055型駆逐艦南昌ナンチャンに052D型駆逐艦昆明クンミンが続く。ロシア国防省写真

 

PLANは引き続き水上艦艇の建造を進めており、新型油同ミサイル巡洋艦(CGs)、誘導ミサイル駆逐艦(DDGs)、海防艦(FFLs)の増勢が目立つ。対空・対艦・対潜能力が向上し、PLANがめざす陸上配備の防空網の有効範囲外での作戦実効性を強める意義がある。2019年末にジャンカイII級誘導ミサイルフリゲート艦の三十隻目を就役させて同級の建造が終わった。後継艦の建造も始まっている。

 

PLANは沿海域戦闘能力の強化をめざしており、東シナ海、南シナ海での作戦を念頭に入れている。そのためジャンダオ級FFL(056型)の建造のピッチを上げている。ジャンダオ級は50隻が就航しており最終的に70隻になる見込みだ。最新建造艦では対潜戦(ASW)を念頭に曳航式ソナーも備える。PRCは双胴船形式の誘導ミサイル艇ホウベイ級(022型)も60隻建造しており、「近海」に投入する。

 

PLANの進める大型艦建造ではルーヤンIIIDDG(052D型)とレンハイ級CGがある。2020年末までにPRCはルーヤンIII級DDGを25隻進水させ、うち12隻は艦体を延長したルーヤンIIIMOD型で64セルの多用途推力発射管システム(VLS)を搭載し、巡航ミサイル、SAMや対潜ミサイルの発射に使う。2020年にはレンハイ級誘導ミサイル巡洋艦の一号艦が就役しており、8隻目も建造を開始した。レンハイ級には112セルのVLSがあり、ASCM、対空ミサイル、魚雷、対潜兵器のほか今後LACMや対艦弾道ミサイル (ASBMs) を搭載するとみられる。

 

PLANは対艦攻撃能力の整備を重視している。PLANのフリゲート艦や海防艦は YJ-83/YJ-83J ASCM (97 nm, 180 km)を搭載しているが、ルーヤンII級DDGではYJ-62 (215 nm, 400 km)を搭載する。さらにルーヤンIII級DDGおよびレンハイ級CGでは最新型ASCMのYJ-18A (290 nm, 537 km)を運用する。駆逐艦では改装後に超音速ASCMのYJ-12A (250 nm, 285 km)運用能力を付与されているものがある。またキロ級SSsのうち8隻にロシア製RS-SS-N-27b ASCM (120-nm, 220-km)を搭載している。式宋級SS、元級SSP、商級SSNには最新の潜水艦発射式国産ミサイルYJ-18が搭載されてい居る。これはロシア製S-SS-N-27b ASCMを改良したものだ。

 

PLANでは長距離ASCMには水平線越え(OTH)目標捕捉能力が必要と理解しており、この不足を補おうと各軍と協力し偵察監視指揮統制通信機能を戦略、作戦、戦術の各レベルで整備しようとしている。狙いは高精度の標的時報を水上艦、潜水艦に送り、ミサイル発射に使うことだ。

 

PLANは引き続き世界規模の多任務遂行部隊を目指しており、対地攻撃能力の次は対艦、対空実施能力の拡充だろう。PLANは最新の巡洋艦のほか駆逐艦や開発中の093B型原子力攻撃型潜水艦に搭載するだろう。対地攻撃能力が水上部隊や潜水艦に追加されれば長距離攻撃の選択肢が増える。これによりPRCはインド太平洋以外でも海洋から対地攻撃を実施する能力が実現する。

 

揚陸戦闘艦

075型LHD一号艦海南ハイナン

 

PLANの進めるLHA部隊整備から遠征戦闘能力の実現を目指す姿が見える。2020年4月にユーシェン級LHA(075型)の二号艦が進水している。一号艦は2019年に進水してろい、三号艦が2021年1月に進水した。16カ月で三隻が進水したことになる。ユーシェン級は大型で高性能の強襲揚陸艦となり、PLANに全方位の遠征戦闘能力をもたらす。大型上陸用舟艇、兵員、装甲車両、ヘリコプターを搭載する。さらに大型のユーチョー級揚陸ドック型輸送艦(LPD)(071型)が7隻あり、8号艦が2020年に海上公試を開始した。ユーチャオ級とユーシャオ級によりPLAの遠征能力は規模と運用期間で従来の艦を上回る。両級で新型ユイ級エアクッション中型上陸用機材ほか各種ヘリコプターのほか戦車、装甲車両、PLAN海兵隊を長期間展開できる。

 

空母

 

2019年12月に初の国産建造空母山東を就役させた。同艦は2017年進水のあと海上公試を2018年から2019年にかけ実施していた。山東は南方戦域海軍の海南島基地で2000年末に視認されていた。同艦は遼寧(ソ連時代のクズネトフ)の改良型でスキージャンプ式発艦方法を採用した。PRCは2020年も国産二号艦の建造を続け、さらに大型化しカタパルト発艦方式を採用している。

 

同艦はさらに多くの艦載機を搭載し、固定翼早期警戒機もここに加え、航空作戦を短時間で展開し、空母航空部隊の有効範囲を拡げ、攻撃の密度も高くなる。同艦は2024年就航の予想でさらに追加建造が続く。

 

PLANでは将来の空母艦載機の開発も進めており、J-15戦闘機ではカタパルト発艦に改装した派生型もあり、すでに陸上施設の蒸気式、電磁式カタパルトでテストしており、さらに複座型J-15Dが翼端に電子戦ポッドを搭載し各種機体一体型アンテナもつけ試験施設にある姿が判明している。同機は電子攻撃任務を専門とするようだ。さらに艦載AEW機としてKJ-600がある。同機モックアップは驚くほどE-2C/Dホークアイに酷似し、試作機が2020年8月にフライトテストを開始した。

 

補助艦艇

901型高速戦闘支援艦フルンレイク(AOE-965)JMSDF picture.

 

 

PLANは外洋補助支援艦艇の大量建造を続けており、情報収艦(AGIs)、海洋観測艦(AGOSs)、燃料補給艦 (AORs)、病院艦、潜水艦救難艦他専用艦がある。さらに初の国産砕氷艦シューロン2が2019年から就役している。同艦は極地研究所が運用している。2020年に同艦は初の北極海航海を行った。

 

PLAN海兵隊 (PLANMC)

南シナ海で中国揚陸部隊が演習を展開した

 

 

PLANの陸上戦闘部隊がPLA海軍付属海兵隊(PLANMC) で中国の実戦部隊の中でも増強ぶりが目立つ。以前は二個旅団で揚陸作戦と南シナ海拠点の防御専用だったが、2020年に8個旅団に拡大し、機動力と装備近代化を経て第一列島線での作戦演習を行い、新設旅団4個に装備を与え訓練も続ける。特殊作戦旅団一個とヘリコプターによる航空旅団一個が追加された。PLANMCの改編と近代化はさらに続き、中央軍事委員会がPLAに出した「機械化達成」を2020年末までに達成しCCPの創設100周年となる2021年に備える目標があった。習主席はPLANMC司令部に足を運び戦闘能力の整備を進め、「戦闘への備え」を強め、「警戒態勢を高く保つ」べく訓練レベルを上げるよう求めた。

 

PLANMCは2020年末までの「機械化達成」のPLA目標を達成できなかった模様だが、新設旅団が2020年に作戦実施可能な状態(IOC)になっている。また航空旅団もIOCを達成しており、ヘリコプターの艦上運用養成を完了している。航空旅団によりPLAN、PLANMCはともに迅速対応能力を実現できる。これは習主席がPLANMC司令部で発言した内容に一致する。またPLA近代化の一環でPLANMCも遠征作戦用の装備品を調達しており、機動旅団に配備している。

 

今後もPLANMCは遠征戦闘能力を整備し第一列島線外でPRCの海外権益の拡大に呼応した防御能力を高めていく。PLANMCは国外演習を実施しており、長距離移動運用や各種天候条件下での作戦実施の能力を磨き、迅速な対応能力を維持している。さらに、PLANMCは海賊対策や国際軍事行動含むNWMAの展開をめざし資源、時間を注入している。PLANMCの重点が地球規模の遠征作戦に移行しているようで、揚陸作戦実施能力では南方戦域配備の二個旅団を三個に増備する一方で北方戦域も同じく三個旅団に拡充されており、揚陸作戦用装甲車両の運用に磨きを入れている。

 

PLANMCはPRC初の海外軍事支援拠点となったジブチに配備されており、中国軍の活動範囲と戦略的影響力をアフリカ、中東地域に拡大している。またジブチにPLANMCが配備されていることでPRCが投じた域内のインフラ施設ならびにアフリカに100万人、中東に50万人居住するPRC国民の保護に迅速対応できる。またPLANのアデン湾海賊対策任務部隊と連携してPRCの貿易面での権益を守る。さらにPRCの軍事外交政策をPLANMC

が下支えしている。例として中国海兵隊はロシア、タイと共同訓練しており、米国・オーストラリアとの交換訓練にも参加している。■

 

US DoD's 2021 China Military Power Report: PLAN is the Largest Navy in the World

Xavier Vavasseur  05 Nov 2021


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