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高機密度の詳細は見せず、ノースロップグラマンCMに同社がめざす次世代制空戦術戦闘機等の姿が垣間見える。
派手な広告となると、ノースロップグラマンの思わせぶりな宣伝の右に出る企業はない。情報関連の装備品を陰影に隠しつつ、興味をかきたてるのがその手法だ。同社恒例のスーパーボウルCMでその後B-21となった長距離打撃爆撃機(LRS-B)が先に登場していたのが忘れがたい。今回の新しいCMで各種機材が登場している。当然ながら機密度が最高レベルの機材は出していない。それでも今回片鱗を見せた装備についてあれこれ想像してみるのは楽しい体験だ。
今回はハンガー内の設定でエレベーターのドアが開くと中にノースロップグラマン機材がそろい、現有のものから近未来に登場する機体が見える。まるでマイケル・ベイ監督作品のようだ。次のリンクでこのCMを見てもらいたい。
Welcome to Northrop Grumman | Defining Possible in Aerospace
ここから何を読み取るべきか。ハンガーは現在と未来に区別されているようだ。右は海軍、左は空軍用の機材だが、すべてその通りでもない。では左から右に詳しく見てみよう。
まず前方に次世代制空機(NGAD)の有人型が見える。空軍海軍は次世代機開発を並行して進めており、各種システムのファミリー構成となり、無人型、長距離有人型も含む。大型、ステルス機で無尾翼型となる。大きな背骨ラインから機体全体を覆う形状だ。空気取り入れ口もステルスを意識している。見えないが反対側にも空気取り入れ口があるのだろう。極秘のうちにテスト中のモデル401「Son of ARES」実証機(ノースロップグラマン子会社スケイルドコンポジッツが製造)に通じる形状が見られる。NGAD実証機は飛行開始しており、ノースロップ・グラマン製の可能性もあるが、NGADをめぐる商機は今後拡大する。他社も当然ながら事業に参画したいはずだ。
次にとがった白い機首が見え、ノースロップ・グラマンが目指す新型低価格の忠実なるウィングマン無人戦闘航空体(UCAV)コンセプトのようだ。原型が先に出たモデル401で、実際にモデル401を転用した機体もある。ノースロップグラマンはペンタゴンとあわせおそらく同盟国向けにこの系列の機体を作ろうとしている。
左の一番奥に全翼機形状の無人戦闘航空体が見え、同社のX-47B実証機と酷似している。同機は海軍の空中給油・偵察機選定に漏れ、ボーイング案が採用されMQ-25スティングレイになった。ノースロップグラマンは二機残るX-47Bに新機能を盛り込むとしている。同機に好機が再び訪れることを祈りたい。ハイエンドステルスUCAVとなればよい。さらにMQ-9リーパー後継機として謎を呼ぶ空軍向け次期MQ機のノースロップグラマン構想図はX-47Bそっくりだ。とはいえ今回の映像にある機体は空母運用想定だと機首についたベアローンチバーでわかる。
中央奥にB-2スピリットが見える。現在と今後をつなぐ存在としてなのだろう。遠景にB-21レイダーあるいはRQ-180が離陸しているのが見える。両機は外形が似ている。RQ-180は超極秘機なのでB-21の可能性が大だ。遠景では両機は違いがわからない。
右後方にはEA-18Gグラウラーが見える。ノースロップグラマンは電子戦装備で大手企業だ。
次にE-2Dホークアイの姿が見える。長年海軍で供用中の空中早期警戒統制機の最新型で米海軍向けに同社が製造している。.
最後にMQ-4Cトライトンがある。海洋監視用にグローバルホークを改装したものだ。
これで全部だ。ノースロップグラマンは進行中の機材も一部紹介してくれた。中には構想段階のものもあるが、余裕をもって示した。
ここには出ていない事業も多数あるとはいえ、ノースロップグラマンがめざす高性能機材の広告は目の保養になる。いつも同社機材は見れば見るほど欲しくなる。
追記
HD版のCMは下をクリック。航空機以外にサイバー、宇宙、水中部門の製品コンセプトが見られます。
Glitzy Northrop Grumman Ad Teases Totally Notional New Long-Range Stealth Fighter (Updated)
While it doesn't give away sensitive details, the ad points to Northrop Grumman's ambition to build the next-generation air dominance tactical jet.
BY TYLER ROGOWAY NOVEMBER 1, 2021
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