B-52ストラトフォートレスは永遠に飛行し続けるのだろうか。決して非現実的と言い切れなくなってきた。時の試練を経た冷戦時の爆撃機は100年供用を実現すべく、今後も改修を受けていく。
同機にはかつてはじゅうたん爆撃のイメージがついてまわっていたが、今やサイバー回復力に富んだ電子戦装備を施し、極超音速ミサイルの発射に対応し、デジタルネットワーク機能を備えた爆撃機として、新世代の空中投下爆弾各種や精密誘導巡航ミサイルを運用する機体に変身している。その変貌ぶりは大きく、B-52は百年間飛行し続けることになる。
各種改修作業の背景には数十年前の製造の機体構造が頑丈で、強く、しかも今後も供用可能なことがある。一部で補強や保全が必須となったが、米空軍の兵装開発部門は今後も時の経過に耐えうるとしている。
機体構造以外では現在のB-52は大幅改修を受けたことで製造時と別の機体になっているといってよい。最先端新技術各種が導入され、現代の戦闘環境に適合できるようになった。改修は長期にわたり実施され、内容は多岐にわたる。
空軍は数年前から同機の通信機能の改修に乗り出し、リアルタイムで飛行中に情報収集の実現を狙っている。この装備は戦闘ネットワーク通信技術 Combat Network Communications Technology (CONECT) と呼ばれ、B-52のデジタル機能の中心として、標的情報の更新、地形、敵の動きなど重要なミッションデータの活用を可能とする。2016年7月14日付の空軍報道機関向け資料ではCONECTにより機内の搭乗員がLANを利用するのと同じ形で作戦状況を共有可能になるとあった。
機内ディスプレイは相互につながり同じチャンネルを注視できるとの説明もあった。従来はあらかじめプログラムした標的情報、ミッション情報に依存していたが、CONECTにより乗員はリアルタイムで標的侵入経路の変更情報を利用し、脅威環境の変更に対応可能となる。
さらにB-52エンジン換装が行われる。これで性能が大きく向上する。これ以外には機内兵装庫の改修を複数年度かけて実施することが大きい。これにより兵装搭載量が増え、レーザー誘導共用直接攻撃弾(JDAM)、共用空対地スタンドオフミサイル(JASSM)、さらにJASSM射程延長型ミサイルの運用が可能となる。こうした兵装類の利用拡大には小型空中発射式おとり飛行体やそのジャマー版も含む。
こうしたパラダイムを一変させる改修ではさらに極超音速兵器の運用もB-52で想定されている。これにより同機からマッハ5での高高度高速攻撃が実現する。その準備として空軍はAGM-183空中発射式迅速反応兵器を600カイリ地点で発射するシミュレーションを実施している。■
No Joke: The B-52 Is As Modern a Bomber as they Come
November 17, 2021 Topic: B-52 Bomber Region: Americas Blog Brand: The Reboot Tags: B-52US Air ForceTechnologyBombersMilitaryAir-to-Surface Missile
by Kris Osborn
Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University.
This article is being reprinted for reader interest.
Image: Flickr
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