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オットーエイビエーションのセレラ500Lが空に革命を呼ぶ? 試作機は良好な性能を示したとのこと。2025年量産をめざし、低費用低排出の機体となる。

 


  • ターミナル1、2共通記事です。これだけの画期的な性能がピストンエンジン一基で実現するのなら本当に革命的です。米国民のエアライン、空港への不満ぶりは相当のようで、手が届く料金なら各地へ直行するエアタクシーになるのではないでしょうか。軍用となると連絡機、それとも特殊作戦の移動用でしょうか。

Otto Aviation's prototype Celera 500L aircraft.OTTO AVIATION

 

 

ットーエイビエーションOtto Aviationはセレラ500Lのフライトテストで野心的な目標達成のめどがついたとする。

オットーエイビエーションによればセレラ500Lのフライトテスト第一段階が完了し、革命的といえるほどの高性能を発揮したという。同機は昨年発表されていた。試作機は計51時間のフライトを実施し、時速250マイル、高度15千フィートを記録したという。

同機は涙滴型形状、推進式プロペラ構造が特徴的で、2017年にカリフォーニア州ヴィクターヴィル空港で同機の姿が流出して以来注目されてきた。

「テストフライト第一段階で得たデータから目指す性能達成に向け順調に向かっていることがわかる」とオットーエイビエーションCEOウィリアム・オットーJrが声明文を発表した。「2025年の量産機製造目標に近づいており、これ以上の興奮はない。次のフライト段階では飛行高度、速度を上げていく」

オットーはセレラ500Lの設計の特徴である涙滴型の「層流」を最適化した形状、長い主翼、高効率複数燃料使用エンジンはすべて革命的な低コスト航空移動の実現にむけたものとする。同機ウェブサイトでは「エアタクシーモデル」を提唱している。

OTTO AVIATION CAPTURE

 

「フライトテストでは層流の状況をチェイス機の赤外線カメラで記録したが、機体表面の空気の流れの制御機能を確認できた。主翼と機体上の層流はしっかりしており、追加テストデータを得られたので、生産仕様機の実現に役立てる」

なお同機にはレイフリンエアクラフトエンジンディベロップメント(RED)のA03V12ピストンエンジンが搭載される。

「フライトでは高度15千フィートで250mph超の速力に達し、めざすのは50千フィート、460mphだ」と同社発表にある。これまで同社は最低でも4,500マイルの航続距離、航空燃料ガロンあたり18から25マイル、飛行時間コスト目標を328ドルと現在飛行中のターボプロップ機やビジネスジェットの数分の一の水準にしたいとしてきた。

OTTO AVIATION

セレラ500Lと同サイズのビジネスジェットを比較している

 

「これまでの航空機の世界は0.5%の改良をあちこちに加えてきたようなものだ」とオットーエイビエーションの最高技術責任者デイヴィッド・ボーグが今年はじめ Air & Space Magazine に語っていた。ボーグはボーイングで737-700の実現に尽力した人物だ。「だがこの機体では400%の改良をねらう。まさしく驚異的な結果となる」

効率化を狙った革命的な性能ながら利用者にやさしい機体にするのがねらいだ。「フライトテスト結果を見るとセレラ500Lは同サイズの機体より排出量を80%減らせることが分かった」(同社による2020年12月報道資料)

OTTO AVIATION

 

セレラ500Lは試作機だが、オットーエイビエーションでは大型のセレラ1000Lの企画を進めており、貨物機並びに軍用機への発展を話題にしている。同社ウェブサイトでは無人型やハイブリッド電動機の構想も紹介している。

同社は今もセレラ500Lの量産型を実現することを最初に目指しており、小型ターボプロップ旅客機やビジネスジェットの代替需要を狙う。

OTTO AVIATION

セレラ500L量産型の想像図.

OTTO AVIATION

量産型セレラ500Lの客室内はビジネスジェット並みになる。

「キャビン高は6'2"(188センチ) あり、機内をそのまま歩ける。ラバトリーもつける。中型ビジネスジェットと全く同じレベルになる」とオットーはCNNで語っている。機体外観は「ガルフストリームに慣れた企業幹部の目には魅力的に映らないかもしれないが、エアラインでの移動で空港や保安検査で列を作り延々と待たされるのに閉口している人は多い」

オットーエイビエーションがここまで野心的な目標を達成できるか注目される。同社の目標の実現は不可能ではないもの難易度が高いと見る専門家もいる。

実現できれば、セレラ500Lさらにその後続く後継モデル各機は一夜にして空の利用を一変させる存在になる。■

 

BY JOSEPH TREVITHICK NOVEMBER 17, 2021



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