このブログ読者には改めて説明がない内容ですが、メディア各位にはこの記事内容を引用するとしてもF22とかF35などとおかしな表記をするのはご遠慮くださいね。
IFG Family Photo, F-22, A/C 4009, LtCol Lee "Split" Bryant, F-35A, AF-3, Major Jonathan "Spades" Gilbert, F-16D, A/C 835, Major Charles Brantigan & Major Scott "Gins" Rinella, in formation over ISB, Tanker View, 15 May 2019
米軍は世界最高峰の技術を用いるが、同時に最も恐るべき戦力を有している。国防総省は最先端装備により米国は第二次大戦後の世界に君臨している。
技術に加え、ペンタゴンは大規模な装備展開が可能だ。米空軍、米海軍には合計8千機があり、それぞれ世界第一位、第二位の戦力を有する。これに対し中国の人民解放軍空軍が世界第三位で3千機を運用中だ。
ただし米国では長く数より質を重視してきた。これはソ連時代からのロシアや中国と対照的だ。そのアメリカの価値観を象徴するのが戦闘機、爆撃機だ。好例がF-22ラプター、F-35共用打撃戦闘機の第五世代ステルス機だ。
ともに世界最高峰の戦闘機材といわれるが、両機種を比較すると違いが見えてくる。
F-22の競合相手をF-35と考えると本質を見失うことになる。
F-22ラプターは最高峰の制空戦闘機だ
2005年から供用中のF-22は制空多任務戦闘機で、初の実用ステルス戦闘機として登場し、今日でもF-35、ロシアのSu-57、中国のJ-20と並びステルス戦闘機は四型式しかない。
なかでもF-22の飛行制御能力がずば抜けて高いのは二次元推力偏向機能と推力重量比の高さが理由だ。前者についてはラプターは飛行中に推力の方向をずらし、飛行方向を変更できる。後者についてF-22の機体重量は43千ポンド程度だが、プラット&ホイットニーF119-PW-100ターボファンエンジン二基で70千ポンド推力を実現している。
このため、F-22は高高度の低密度大気でも十分に飛行でき、高度限界は65千フィートに達する。それ以外に低空の高密度大気中では自由に機体を制御できる。航空ショーではラプターが物理原則に反する飛行ぶりを示して観客を驚かすのが通例だ。
F-22は大量の兵装を搭載しつつステルス性能を維持できる。同機には20mm機関砲がつき、各種爆弾や空対空ミサイル、空対地ミサイルを機内兵装庫三か所に搭載する。F-22はステルス性能を犠牲にせずに航空優勢を確保できる。
マッハ2へ加速が可能でスーパークルーズでアフターバーナーを使わず超音速飛行するラプターの有効飛行半径は1,850マイルだが、これは機外に増槽二個をつけての場合でステルス性能が犠牲となる。
だが同機の生産は2011年に終了し、空軍の調達は186機で終わった。空軍は750機の調達をめざしたが、186機のうち、運用状態の機数は少数にとどまる。
F-35 共用打撃戦闘機は空のクォーターバックだ。
F-35共用打撃戦闘機も第五世代ステルス多任務機で、三型式ある。F-35Aは通常型の離着陸に対応し、F-35Bは短距離離陸垂直着陸のSTOVL型、F-35Cは空母運用用の機体だ。
多任務戦闘機としてF-35ではミッションセット6通りに対応する。戦略攻撃、近接航空支援、航空優勢確保、電子戦、情報収集監視偵察(ISR)、敵防空体制制圧(SEAD)、敵防空体制撃破(DEAD)である。
F-35の機内兵装庫は二か所で搭載量は少ないが、ステルス機能を維持したまま航続距離は長い。
アフリカでグリーンベレー部隊を支援する、クリミアのロシアレーダー施設を破壊する、フィリピンでテロリストを追跡する...F-35ならすべてをこなす。
ただし、F-35には深刻な条件がついてまわる。共用打撃戦闘機は各種ミッションをこなせるのだが、米空軍はその実施に及び腰だ。極めて高価な装備品のF-35は事業費が1.7兆ドルとなり、その他の旧型機でこなせるミッションに同機を投入する理由がない。また空軍上層部はF-15EXイーグルII(4.5世代機)でステルス性能が不要なミッションに投入するとしている。
ラプターと対照的にF-35生産は継続中でしかも活況を呈している。国防総省は各型合計で2,500機の導入を目指しており、その他十数か国が500機程度の調達希望を表明している。
F-22 と F-35
F-22、F-35はともに高性能機材であるものの、想定する役割は異なる。ただし、搭載技術とミッションセットの一部は共通している。
F-35ではセンサーと接続性が大きく異なる。両機ともに状況認識能力が高いが、F-35ではさらに先を行くセンサー能力、情報融合能力、データリンク機能を搭載し、旧型機含む僚機の戦力を増進させる。
たとえば、JSFの高性能センサーでロシア爆撃機を北海で探知したとしよう。あるいは南シナ海で中国戦闘機編隊を探知した場合だ。F-15EXあるいはF-16のペアを標的に誘導できる。F-35のステルス性能によりロシア、中国側は危険が迫る状況と認知できない。まさしくF-35は空の「クォーターバック」で海軍や陸軍部隊への情報提供も可能で、秘匿性を確保したネットワークを利用する。
他方でF-22は「ドッグファイト機」として優秀だ。機敏な機体制御と武装多数を積み込んでいる。このため、ラプターは中国あるいはロシア相手の大国間戦闘で真っ先に投入される制空戦闘機になるだろう。強力な敵軍がさらに優秀な戦闘機部隊や対空装備、レーダーで対抗する中に旧型のF-15、F-16やF/A-18を投入すれば苦戦となる。だがラプターのステルスと強力な武装があれば厳しい環境でも活躍可能で敵機を駆逐するはずだ。さらにF-35と組み、敵防空体制を制圧し、戦域単位で侵入路を開く、あるいは戦略級の航空優勢を実現する。
米軍部隊の技術を世界最高峰と称するのには理由があり、F-22ラプターおよびF-35共用打撃戦闘機も強力な部隊を構成している。■
Why Trying to Compare an F-22 Raptor and F-35 Is Just Flat Out Wrong
ByStavros AtlamazoglouPublished23 hours ago
1945’s New Defense and National Security Columnist, Stavros Atlamazoglou is a defense journalist specializing in special operations, a Hellenic Army veteran (national service with the 575th Marine Battalion and Army HQ), and a Johns Hopkins University graduate.
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