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KC-46A一号機が航空自衛隊美保基地に到着。日本が米国外で初の同機運航国となった。ただし、未解決の問題が残ったまま。

(Boeing)

ーイングが日本発注のKC-46A空中給油機4機の一号機を航空自衛隊へ納入し、米国外で初の引き渡しとなった。

同機はシリアルナンバー14-3611がつき、コールサインREACH 46でシアトルのボーイング施設から太平洋を横断し、10月29日に美保基地に到着した。

ボーイングジャパン社長ウィル・シャファーは「日本がKC-46A給油機を導入したことは米日両国が取り組むインド太平洋地区協力で大きな一歩となり、両国の同盟関係で重要な役割を実現する」との談話を発表した。力もあることから日本の災害救難人道援助任務の支援にも投入できると加えた。

また、航空自衛隊のみならず米空軍海軍海兵隊の機材への給油も可能で「強力な防御手段と戦術状況認識装備を備える」とボーイングは説明している。

日本向けKC-46の4機販売は2016年9月に国務省に承認され、FMS制度を使い2017年12月に一号機の契約289百万ドル相当が成立し二号機のオプションを2018年12月に行使していた。

その後三号機四号機のオプションが総額342百万ドルで2020年10月に行使された。

日本向け二号機は現在ボーイングが767ラインのあるワシントン州エヴァレットで製造中で、同社によれば機体構造の16%は日本が製造している。

KC-46A飛行隊を美保基地に新設し、既存の404飛行隊(小牧)のKC-767(4機)、KC-130H(2機)に加える。

KC-46はボーイング767を原型とし、貨物人員輸送にも投入でき、軍用標準パレットは最大18個輸送できる。

米空軍にこれまで48機が納入済みだが、KC-46開発は技術問題で遅延してきた。重要欠陥が6点残っており完全作戦能力宣言ができないままだ。

中でも深刻なのが遠隔視認システム(RVS)で、これはカメラとセンサーによりブームを給油を受ける機体に向け安全に操作するため映像をとらえる装備だ。米空軍は現行RVSでは映像が見にくくなる場合があり、ブーム操作員が相手機を損傷するリスクが残っているという。

ボーイングは固定価格契約を結んでおり、RVS問題の解決は自社負担となる。

ただし、航空自衛隊向けKC-46に新型RVが搭載されるのか、さらに問題解決が実施されるのかはっきりしない。実施の場合、日本は追加支払いを求められそうだ。ボーイングはこの点についてコメントを拒んでおり、米空軍に照会してほしいとしている。米空軍は航空自衛隊の問題だとしている。

日本向けKC-46でも問題が残ったままだ。

米空軍は今年4月ボーイングに88百万ドルで日本に代わりKC-46予備部品の調達を求めた。だが、その後国防総省の求める「公正かつ順当な」調達基準の実現には追加10百万ドルが必要と認めた。

ボーイングの主張はパンデミックのため一部部材の価格上昇が発生しており、米空軍が以前支払った価格の15倍に部品もあるが、以前の販売単価が誤っていたと同社は説明している。

日米両国は初号機の引き渡しをにらみ、契約を先に進めることとし航空自衛隊向け予備部品の確保を優先する。■


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