米空軍が何を目指しているのかわかりにくくなっていますが、
敵対勢力は意外に伝統的な戦法をとり、旧式機でも数にものを言わすのであれば、高性能を持った機材でも数で劣勢ならかなわないのでは。しかも頼みの綱の技術優位も揺らいできており、明らかに思考が行き詰まってきているのではないでしょうか。
Air Force Weighs Scrapping A-10 Replacement
A-10後継機検討はこれ以上進める意向のない米空軍
- 米空軍は近接航空支援の将来像を検討中だが上層部によればA-10ウォートホグの直系の後継機は生まれない可能性がある。
- 空軍はここ数年ずっと近接航空支援(CAS)の次期専用機材を検討していたが、現時点で作業は止まっている。専用機材としての「A-X」開発に向けた措置を取っているのか問われた空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドファイン大将は「まだない」と答えている。
- すると専用機材としてのCAS機は作らないのか。「多分ね」とゴールドフェイン大将は言う。
- 「単一任務機実現への障害が空軍内で高いとは思わない」と参謀総長は7月16日のAviaion Week取材で述べている。「しかし前線指揮官に多様な戦闘状況があり当方はそれを支援する立場で、ハイエンド、ローエンド、その中間と多様な中で空軍にとって最善の結果を予算以内で生む運用が求められているのだ」
- 取材は英ロイヤルインタナショナルエアタトゥー訪問から帰国する参謀総長に空軍C-40機内で行われた。
- 本人はアフガニスタンの航空部隊指揮官としてCASミッションでA-10だけでなく各種機材にいかに依存しているか直接目にしてきた。地上部隊防護でウォートホグが必ずしもいつも第一の選択にならず、東部山岳地帯ではMQ-9リーパーが山谷を縫って迅速に移動できる点で一番優れた機材だった。不安定な西部では状態が悪化すれば多用途F-15Eが効果を最大限に発揮し、北部なら長時間飛行性能と大量のペイロードでB-1Bが最高の選択だ。
- 「特定の単一装備ではなく各種システムのファミリーとして、なら21世紀の近接航空支援が検討できる。単一機能だけで完結するミッション想定は本当に数少ないのです」
- 空軍はウォートホグを2020年代中頃まで運用する予定だが、A-10で9個飛行隊すべて運用するには追加予算手当が必要だ。ただし空軍がA-10の後継機を実現できるかは予算状況が安定することが前提とゴールドフェイン大将は強調する。
- 強制予算削減や先行きの見えない中、特別決議が年ごとに更新され対応する状況では軍の計画立案能力が大幅に低下していると参謀総長は指摘する。
- 「こんな駆け引きをしている状況では先のことは読めません」といい、「無料で何も手に入りません」
- 決断を下す前にゴールドフェイン大将はCAS部隊に将来のミッション像で意見を聞くだろう。これまでの姿とは違ってくるためだ。A-10が真価を発揮できるのは完全に航空優勢が確立されたイラクやアフガニスタンのような場合だと専門家の意見は一致しているが、高性能対空装備特に地対空ミサイルの普及で非ステルス性で大柄なウォートホグを戦場で運用するのは危険が増えている。
- 「後継機種の話をする前に検討内容が全く新しい形の作戦運用につながることを確認しておきたいですね」とゴールドフェインは語った。■
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