スキップしてメイン コンテンツに移動

北朝鮮が開戦に踏み切れば悲惨な結果しか生まれないはずだが....



自国民が飢餓に苦しんでも(現在の世界で飢餓が発生している国も稀有ですが)平気でミサイル開発を進め、さらにその動機が自己の権力基盤の維持という狂った思想に支配され、偽札、麻薬、密輸、殺人などあらゆる悪行を正当化している北朝鮮は史上最大の反社会的勢力と言っていいのではないでしょうか。その体制の温存などもってのほかで、自浄努力が期待できないのなら正当性のない体制を破壊してもいいと考えるのですがいかがでしょうか。



How North Korea Could Go to War

北朝鮮が開戦するとしたらこうなる

The National InterestRobert Farley
June 29, 2017

  1. 朝鮮半島で熾烈な戦闘が止んで60余年たつが半島の分断状態は冷戦の遺産のままだ。韓国が経済繁栄と民主政体を確立したのに対し北朝鮮は冗談の種といったところだ。.
  2. にもかかわらず朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は弾道ミサイル技術開発を進め核兵器開発に成功し世界最大規模の兵員数を維持している。平壌は韓国への挑発的態度を隠そうともせず海防艦天安を撃沈したほか、韓国内に砲撃も加えている。
  3. 1950年代以降の半島は比較的平穏な状態だが米韓両国は恐れているのは北朝鮮が問題解決には開戦しかないと判断する事態が来ることだ。
  4. 北朝鮮が開戦しか解決策がないと判断したら韓国を制圧し、米国や日本の動きを抑えられるのか。
タイミングがすべて
  1. 資本主義が世界で崩壊するのを北朝鮮が一貫して望んでいる。楽観視すぎるが、韓国が1997年のアジア金融危機で大きく傾いたことを思い出してほしい。2008年の金融危機でも世界各国が大損害を被り、日本は経済苦境を乗り越えられないままのようだ。
  2. 世界規模の経済崩壊で資本主義が終焉しなくても別の形の危機が日米間の関係を厳しくする可能性がある。
  3. 北朝鮮が望む戦闘状況では米国を関与させずにおけるかがカギでこのため高度の抑止力を使うか、既成事実を突きつけるかのいずれかで実現する。
  4. 日本との状況は一層複座だが、日本は北朝鮮を脅威対象と見ており、開戦となれば韓国軍支援以上に何らかの直接介入に向かうのは確実だ。
  5. 北朝鮮が攻撃に踏み切るとしたら米韓連合軍が北への総攻撃に出るのが必至と判断するときだろう。軍事バランスは先制攻撃に出る側に圧倒的に有利になる。
戦闘では…
  1. 北朝鮮の勝利条件は韓国軍をどれだけ迅速に打破できるかで左右される。ただし北朝鮮が中国の後ろ盾を得ていると米国と日本が認識するのが条件となる。
  2. 北朝鮮の攻撃方法は古典的といえる20世紀型の強襲で火砲で韓国防衛線を寸断し、脆弱な位置を割り出し、(あるいは民間人のパニックを作る)、歩兵部隊が防衛線を突破し、機械化部隊が脆弱地点を蹂躙するというものだ。
  3. 朝鮮人民軍の空軍部門は装備が老朽化しており、ロシアや中国の近代技術もここ数年導入していない。韓国空軍と比較すれば制空能力はごく限られており、戦闘機は訓練の行き届いた韓国パイロットには容易な標的になる。朝鮮人民軍も航空支援はほとんど期待できず空爆下で悲惨な状況になるだろう。
  4. 解決策として北朝鮮は大量の対地攻撃巡航ミサイル、短距離弾道ミサイルで韓国空軍基地を攻撃し、多数の機体を地上で破壊し施設機能を奪おうとするだろう。
  5. 朝鮮人民軍海軍は二つの役割を果たすはずだ。攻撃面では韓国海軍の主要艦(独島級揚陸艦、世宗大王級誘導ミサイル駆逐艦)を潜水艦と巡航ミサイルで狙い、港湾機能も破壊するだろう。防衛面では沿岸地防御とともに揚陸作戦阻止をねらうはずだ。ともに1950年戦で懲りたはずだからだ。
  6. 攻撃は韓国内港湾施設に向けられ大規模な増強装備の入港を阻止する目的がある。通常型弾頭の弾道ミサイルが用いられるはずだが重要目標には核あるいは生物化学兵器も選択するかもしれない。釜山がその例だ。
  7. 運が良ければ(北朝鮮には相当の幸運が必要だが)朝鮮人民軍は米軍韓国軍を敗退させソウル進入路数か所を占拠することができ、ソウルを陥落させ半島各地への進軍を狙うだろう。あるいはそこで進軍を止めて自国に有利な立場で和平交渉に出るかもしれない。決断は戦術状況次第だが北朝鮮の目指す目標が半島再統一なのか現政権温存なのかでも決まるだろう。
外交の出番も残る…
  1. 戦闘が長引けば北朝鮮は不利となる。そうなると平壌は中国の支援がないと終戦させられず戦闘で獲得した成果も保持できなくなる。
  2. だが北京が北朝鮮の侵攻で生まれた成果を保障する役割を受け入れるのはなぜか。
  3. 北朝鮮政権への親しみが理由ではなく、これ以上の混乱や不安定な状況が自国近くで生まれるのを防ぎたいとの願望が理由だろう。
  4. この状況で対中(ロシアも含む)開戦の可能性から米国が韓国解放を目指さないことを北朝鮮は期待するはずだ。この計算は金日成が1950年当時に目論んだ内容に近い。今回は北朝鮮が核兵器を保有し日本に標的を合わせており抑止効果が出てくるのではないか。
平和を守れるか...
  1. そうなれば北朝鮮にとって最良の条件だが、北朝鮮軍事力では韓国軍を敗退させられないと見るアナリストが大部分であることをもう一度思い出す必要がある。非武装ラインに配置された防衛体制は韓国軍の移動力と高性能軍事力で構成されており、韓国侵攻はソウル陥落前に補給支援で行き詰まりそうだ。その時点で北朝鮮国内では政権指導部への重攻撃とともに指揮命令拠点網が攻撃されているはずで、前進部隊は寸断され絶好の標的になるだろう。
  2. 北朝鮮の防空網は広範囲かつ頑強だが特に高性能ではない。国境付近に配置された火砲部隊が喧伝されているが、超精密な誘導弾による対抗攻撃で急速に排除されるだろう。KPA部隊がいったん敗退すれば米韓連合軍が圧倒的に有利となり北朝鮮指導部の終焉は決定的となる。
  3. 北朝鮮軍関係者は以上をすべて理解しているし、攻撃に踏み切っても長期短期双方で成功の可能性が限りなく低いことも確実に把握しているはずだ。とはいえ政治状況の変化で北朝鮮が自暴自棄になり開戦に踏み切らないとは断言できないし、「最後のチャンス」と判断してしまう可能性も排除できない。少なくとも対応準備しておいて損はない。■
Robert Farley is a Senior Lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs.He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat. Follow him on Twitter:@drfarls.
This first appeared in 2015 and is being reposted due to reader interest.

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ