技術は水の流れのようなもので堰を作って止めた気になっても結局流れを止めることができません。米技術の優位性が揺らいでいます。21世紀に入りアフガニスタン、イラク等の技術格差が大きい相手に有利な戦いを展開してきた米国ですが、その間にロシア、中国さらにイラン等が着実に技術力を引き上げて、今や互角の技術を有する相手との戦いを想定せざるを得なくなっているのは皮肉な歴史の進展です。ただ米国も黙って状況を見ているわけではなく、さらに先を行く技術を実用化していくはずです。
One of Russia's Most Deadly Bombers Now Has a Scary New Capability
ロシア最強の爆撃機に恐るべき新能力が付与されている
July 5, 2017
- ツボレフTu-95MSベア戦略爆撃機に機内で目標再設定できる新型巡航ミサイルの導入が始まっている。飛翔中に目標変更も可能でロシア軍に新しい形の戦力が生まれる。
- ロシア国防省は本日の発表ではTu-95MS爆撃機隊が最新X-101巡航ミサイルでシリア国内のISISを攻撃したとし、同ミサイルの射程は4,500キロだという。
- 「7月5日戦略ミサイル母機Tu-95MSはロシア連邦内エンゲルス飛行場を離陸し、空中給油を受けたあと(シリアアラブ共和国の)ハマおよびホムスのISIS拠点を最新巡航ミサイルH-101で攻撃した」とロシア国防省がフェイスブックで伝えた。
- 「この攻撃でアケルバット近郊の武器弾薬庫三棟および指揮命令拠点が破壊された。攻撃は高精度H-101でおよそ1,000キロ地点から実施された」
- Tu-95MSはSVPシステムを装備し乗員が飛翔中のミサイルの標的を再設定できるようになる。同装備はまだ広く導入されておらず、何機に搭載したか不明だ。
- 「新装備の爆撃機導入が進んでいます」とワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内欧州国際総合研究センター主任研究員)がNational Interestに述べている。「巡航ミサイル発射の前に標的設定できます」
- さらに発射後にミサイルの標的再設定が可能だ。カシンはX-101の標的再設定能力を伝える複数報道があると指摘するが、実戦化はまだとはいえ開発が着実に進んでいるのは確かだ。
- 「米軍に倣い開発中なのだろう」とカシンは述べる。「爆撃機の側が準備できておらず性能をフルに活用できていない」
- SVP装備のTu-95MS搭載は、各機が定期整備改修に入るたびに実施されているようだ。
- この分野でのロシアの開発成果には目を見張るものがあるが「ロシア軍にとって大きな一歩で作戦の柔軟度や効果を引き上げ、戦闘状況に応じた攻撃が可能になります」とマイク・ガンジンガー(戦略予算評価センターで航空戦力アナリストを務める元B-52パイロット)がNational Interestに語る。
- 「発射後に標的の再設定可能な兵器が手に入ると大きな意味があります。向こうはこの能力を実用化するでしょう。さらに将来は兵器間でやり取りすることになれば戦闘の様相は大きく変わります」
- 長距離精密兵器は米国の独占分野ではなくなった。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Creative Commons.
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