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低価格無人機の実現のカギは低価格短寿命エンジンの開発実用化だ



Aviation Week & Space Technology

Unmanned Wingmen And Cruise Missiles Need Low-cost Engines 無人ウィングマン機や巡航ミサイルには低価格エンジンが必要だ


Jul 24, 2017Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology
  1. 航空界の発展は推進手段の進歩で支えられてきたが無人機がこの経験則を逆転しそうだ。大型UAVは航続距離や発電容量を重視し既存エンジンを搭載することが多い。
  2. リスク軽減の計算も働いている。技術開発を機体構造や電子装備に集中し、エンジンは既存型を使う。コストも考慮されるが、大型UAVといっても製造機数はさして多くない。
  3. 今や新世代の低コスト無人戦闘航空機や巡航ミサイル搭載の想定で、エンジンメーカー各社には安価で耐用年数を絞った新型エンジン開発が求められている。新型無人機で価格引き下げようとする前にエンジン価格が障害となる。
  4. 新エンジン構想の先頭に立つのがクレイトス・ディフェンスKratos Defenseの無人機部門で現在低価格消耗品扱い攻撃実証機Low-Cost Attritable Strike Demonstrator (LCASD)を米空軍研究本部(AFRL)の忠誠なるウィングマンLoyal Wingman構想として作業中だ。
  5. 同社のLCASD試作機にはXQ-58Aヴァルキリーの制式名称がつき、マッハ0.85で4,700カイリの飛行性能を有し有人攻撃機に随行する。初飛行は2018年初頭の予定。
  6. LCASDは使い捨てではないが戦闘で喪失しても惜しくない低価格機の想定で、敵防空網の中で有人機の残存性を増す役割がある。搭載エンジンは部品数を絞り低コスト製造とし、数百時間もてばよいとする。
  7. AFRLの機体単価目標は第一期100機生産で3百万ドル、さらに機数を増やし2百万ドルだ。価格を左右するのがエンジンだとクレイトスで戦術無人機システムの事業化担当重役のジョー・ヴァレンズエラが語っている。
  8. 「エンジン以外のすべてで低価格を実現しています。エンジンコストが40%と大きな比重になっています」と7月10日に全米航空工学研研究所主催のカンファレンスで述べている。グレイウルフ戦術巡航ミサイルはもっと深刻で目標単価200千ドルでエンジンが100千ドル以上とヴァレンスエラは説明。
  9. XQ-58Aのエンジンは既成品ウィリアムズFJ33-5ターボファンでビジネスジェット用だ。「専用開発エンジンはありませんので民生エンジンを使っていますが、飛行寿命が200から300時間なのにこのエンジンは分解修理まで3,500時間も稼働するのです。
  10. 有人機用に高信頼性で長期間稼働が前提のエンジンを一回きり使用の巡航ミサイルや消耗品扱いの無人戦闘航空機用に使えば高価格になる。
  11. 「低価格エンジンが必要です。考え方を変えないといけません。永遠に動き続けるエンジンではなく、故障を受け入れます。50時間持てば5回ミッションができるので十分です。値段が受容できればですが」
  12. 低コスト短寿命エンジンにはメーカーもビジネスモデルを変えて対応する。ヴァレンズエラは保守点検、修理、分解修理は不要という。浮いた予算で年間数百基の量産が必要という。
  13. クレイトスはAFRL向けにLCASD一機のみ製造し、自社資金で二機追加生産する。うち一機を飛行テスト用、もう一機を地上テストまたは飛行テストに投入する。ヴァレンズエラは追加製造予定もあるという。
  14. 米特殊作戦軍団がXQ-58Aを遠征作戦用無人機として注目する。ヴァレンズエラは同機をUAVとミサイルのハイブリッドと表現する。前線基地に展開貯蔵しておいて必要に応じ多様なミッションを実施できるという。
  15. 「補給施設での整備は不要の想定で、飛行できなくなったと判断すれば廃棄するのです」という。クレイトスが消耗品扱い機材分野に参入したのは標的機メーカーCEIの吸収後だ。標的機は平均6回の飛行で役目を終える。「標的機で当社は消耗品扱い機材を製造しているのです」(ヴァレンズエラ)■

コメント

  1. F5のJ85じゃ駄目なんだろか
    元が巡行ミサイル用だし
    最高の推力重量比を誇る傑作エンジン、新たに装備する新機体もあるし

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