スキップしてメイン コンテンツに移動

E-4、E-6、C-32の後継機種統一に向かう米空軍はKC-46派生型調達に向かいそう



先にお伝えした竜巻被害を受けたためE-4Bで供用可能な機材が半減したのを逆手にとって後継機材の検討が早まるかもということですね。ただし候補は767で想定ずみのようなのでボーイングは民間向け引き渡しが終了している同機生産ラインを楽に維持できそうですね。なおボーイングの機種別受注引き渡し状態は
をご参照ください。
C-32A USAF

Pentagon May Replace Its Doomsday Planes And "Air Force Two" With One New Type

ペンタゴンは審判の日機材と「エアフォースツー」を統一する検討中

Consolidating the E-4B NAOC and E-6B Mercury missions into one common aircraft while also sharing platform commonality with a C-32A replacement makes a ton of sense.

E-4BとE-6Bマーキュリー後継機を統合し、C-32A後継機とも共通性を持たせれば大きな効果が生まれそう

 BY TYLER ROGOWAYJUNE 24, 2017

  1. 米空軍が四機あるE-4B国家空中作戦指揮指令所 National Airborne Operations Center(NAOC)機材とC-32A六機の老朽化から後継機検討に入っている。後者は副大統領を乗せた場合のコールサインが「エアフォースツー」となり、その他高位の政府関係者や外交使節団が使うことが多い。
  2. トランプ大統領の新年度予算案で6百万ドルが新型エアフォースツー整備プロジェクト用に確保され、後継機の検討が期待されている。E-4Bのミッション、E-6Bマーキュリーのミッション内容を検討し単一機材に統合できないか検討も始まっている。さらにこの機材をC-32A後継機にするのは一見不可能に見えるが実現はあり得る。
  3. 機体統一を念頭にするとC-32より大型機材だがE-4Bよりは小型になりそうだ。以前はE-4Bのミッションを継承するには747以上の大型機が必要とされていたが、現在は電子機器・通信機器の小型化が著しく小型機でも使えると分かっている。
  4. 役割が全く違うがE-4BとC-32Aはともに政府機能、指揮命令機能の継続に欠かせない。そのため通信用アレイや指揮統制のインターフェイスや高出力の発電容量や防御装備が共通化されている。両機種とも電磁パルス対策を強化している。それぞれのミッションを同じ機材でこなせば開発調達費用で相当の節約効果が生まれるはずだ。
  5. E-4Bの開発は1970年代中頃で747-200が原型だ。すでに民間航空で運航経費、整備費用の高さで姿を消した機材だ。C-32Aはより新しい機材で1990年代後半から2000年代初頭に調達され、ヘッズアップディスプレイ等新しい装備が導入されている。とはいえ、両機種とも耐用年数上では末期に近づいており、ここにきて重大な故障も発生している。
オファットAFBを離陸するE-4B
USAF
  1. E-4BのNAOCミッションとE-6Bミッションを統一する検討が始まっており、残存可能空中作戦センターSurvivable Airborne Operations Center(SAOC)の名称がついているがE-4B後継機がE-6B後継機にもなるのだろう。両機種のミッション内容で重複部分が多いことから統合の意味が出てくる。
  2. 現在のE-4Bの主なミッションは国家最高指導部すなわち大統領および国防長官の搭乗用に待機することで大規模戦闘状態の発生に備えている。機内から米軍の指揮統制特に高高度から核兵器の三本柱の運用が中心だ。同時に移動指揮通信司令部の役割がFEMA用に期待され、国防長官の外国訪問時には専用機となる。
  3. E-6B部隊は程度こそ低いが自然災害時に国家最高指導部を乗せる想定もあるが、もともと空中司令部でありTACAMOミッションとして核兵器運用の機材だ。E-4Bでこの機能の一部は果たせるので二機種を維持運用する必要があるのかと思うのが自然だ。
最近改修を受けたE-6Bは707生産ラインの最終号機だ
USAF

  1. 運用問題もある。E-4Bは4機しかなく通常一機が保守点検中で別の一機が緊急時に備え待機する。二機が予備機材となり国防長官の海外訪問に使われることもある。各機にも定期点検が必要であり、予備機が二機を下回ることも珍しくない。
  2. E-6Bはこれよりは新しい機材で1990年代初頭から配備が始まった。ボーイング707派生型の最後の機体で就役開始の段階でも最新機材ではなかったが、米海軍が運用中のE-6B合計16機には相当の耐用年数が残っており、DoDがE-4Bを先に退役させる可能性は高い。同機の運航経費が軍の機材中最高水準のためだ。新型機がE-6Bと交代するのは2020年代末から2030年代で、海軍は定期的に改修を受ければ現行機材はそれまで十分飛行可能と述べている。
E-4BがKC-135Rから空中給油を受けている
 USAF

  1. そうなるとC-32A、E-4BさらにE-6Bの後継機種はどんな機材になるのだろうか。
  2. 現時点ではKC-46ペガサスの派生型が一番可能性が高いように見える。同機の大きさはC-32、E-6BとE-4Bの中間でペンタゴンが調達中だ。さらにKC-46は軍用仕様でE-4B、E-6B、C-32A各機の後継機に必要となる機体構造強化も可能だ。
  3. ただし767も787と比較すれば旧式でトラブルを心配する向きもあるが、787を軍用化するリスクは相当あり、政府機能を継続させ指揮統制、さらに核兵器使用の命令を実施できるかは疑問だ。言い換えると787を原型に新型サブシステムや機体構造を強化して「終末の日」機材にすると時間も費用も相当掛かると覚悟する必要がある。
エドワーズAFBで巨大無音響施設でテスト中のKC-46。民間仕様機材を軍用化するのは想像以上に大変だ。 USAF
  1. 737MAX 10 も低コストで候補になるが、米空軍他が757以下の小型機を受け入れるか大いに疑問である。Defense.comによれば米空軍の予算要求ではC-32A後継機では明らかにKC-46派生型を想定しており737等の小型機より優先しているのは以下の説明の通りだ。
  2. 「C-32A後継機はVC-25A予備機としてC-32で露呈している性能ギャップの多くを埋める強力な機体であるべきだ...後継機では航続距離、収容力、国家指導部用の通信機能強化、執務室の強化が必要」
  3. もう一つの選択肢が777で、この場合はC-32AやE-6Bよりはるかに大型機になる。さらに777は現在米空軍が運用する機材ではなく、軍用仕様に改造されたこともない。短距離滑走路での運用能力が問題となり、ペンタゴンも運用支援の仕組みを一新する必要が生まれる。ただし空軍が運用機種数を減らそうとしている中で逆行する選択は考えにくい。
  4. E-4B後継機導入に関してはオファットAFBでE-4B二機が竜巻で損傷を受け加速する可能性が出てきたことに注目すべきだろう。竜巻は2017年6月17日に同基地を襲った。ボーイングと空軍が機体の損傷度合いを評価中だが修理費用が高額と判定された場合は機齢も考慮して後継機種探しが大幅に加速されるだろう。あるいは損傷にもよるが、被害機を予備部品取り用に使い、残る二機のE-4BとVC-25の即応体制を維持する可能性もある。共通して747-200が原型なのでこれは可能だ。
警戒待機中のE-4B USAF

  1. C-32A、E-4B、E-6Bともそれぞれ重要なミッションを実施しており、機材が統一され、特に背中にこぶのついたE-4Bが消えるのは悲しい。「E-46」がNAOC、TACAMO、空中司令部、FEMA緊急支援、国防長官移動用に使われ政府高官の移動用にも投入されるだろうが、「VC-46」があれば後者は不要だろう。
  2. VC-46が少数機あれば大統領移動時の「エアフォースワン」ミッションにも投入され、耐用年数が切れかけてきたVC-25A二機の代用にもなる。空軍は747-8i原型の新型機を発注中だが、国内移動で大統領が小型のVC-46Aを好む場合もあろう。それでも現行のC-32Aより相当大きい。
  3. 現状では大統領がC-32Aを使うのは目的地空港が747運用できない場合やVC-25Aが使えない場合に限定されている。エアフォースワン後継機問題の検討でこの点はすでに指摘済みだがC-32A後継機がワイドボデイになればホワイトハウスも大統領移動の在り方を変えて予算節約になるのではないか。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com


コメント

このブログの人気の投稿

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本

LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。
Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/10012/japan-may-acquire-aegis-ashore-to-defend-itself-from-north-korean-missiles
日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。 THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。 イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP 日本の地理条件…